【遺伝子と匂いの関係】アスパラでおしっこが臭くなる人ならない人
ヒトが嗅ぎ分けられる香りは、遺伝子で決まっているって知ってますか?
遺伝が関係しているニオイはいくつかあるのですが、
その中でもよく知られているのは、
アスパラガスを食べた後の尿のにおいではないでしょうか?
・・・と言っても、嗅げない人は気にしたこともないので、
知らない人も多いはず。
かくいう私も、嗅げない側の人間なので、最近まで知りませんでした。
私がアスパラ尿臭について知ったのは、確か大学生の頃。
ふと、誰かが
「アスパラ食べたからおしっこ臭かった〜」
と言っていて、
そんな経験のなかった私は
「今度アスパラ食べたら、注意して匂い嗅いでみよう!」
と決意したのでした。
(我ながら、業界に入る前から匂いフェチです)
しかし、結局嗅げずにここまで来ました。
それもそのはず。私には遺伝的に感知できないのでした・・
調香師という仕事柄、嗅げないニオイがあるというのは
結構ショッキングな事実なのですが、嗅げる人は約20%しかいないんだそう。
なぜアスパラガスを食べたらおしっこが臭くなるの?
かつては、そもそもアスパラが体内で代謝されて出てきたメタンチオールという成分を作る人と作らない人がいる、と考えられていたけど、
最近になって、みんな同じようにメタンチオールを体内で作り出してるものの
それを感じる人と感じない人がいる、という結論になってきているようです。
じゃあ8割の人は全くメタンチオールが嗅げないの?
アスパラ尿臭が嗅げる人は約2割しかいないと書きましたが、
では残りの8割の人は全く嗅げないのか?
メタンチオール自体は、香料の原料として一般的に使われている化合物です。
なので、私も日々扱っております。
そして、そのニオイはというと・・・強烈に感じます。
ドリアンのような、はたまたちょっと腐りかけた玉ねぎのような・・・
ガスっぽいニオイ。
単品で嗅ぐとしっかり認識できるので、感度が弱いということなのかもしれません。
アスパラ尿のニオイの正体は、
アスパラに含まれるアスパラガス酸(そのまんま)が
体内で分解されてできてくる代謝物なので、
メタンチオールを主体とするものの、他のニオイ化合物も含まれていると思います。
なので、人によってかなり感じ方が違うみたい。
メタンチオールの毒性
「メタンチオール」という、いかにも化学物質!な名前を聞くと、
なんか危ない物質なんじゃないか・・・と思っちゃう人もいるかもしれません。
アスパラガスの場合は、ヒトの体内で代謝されてできてくる成分ですが、
元からメタンチオールの形で入っている食品があります。
例えば・・・
タマネギ類
牛肉
ビール
ブルーチーズ
など。
もちろん、少しの量で強烈な匂いを持つ化合物なので、
どの食品にも微量しか含まれていません。
アスパラを食べた時に体内で生成する量も、大した量ではないので
体に害を及ぼすことは普通はない、と考えてOK。
もちろん、なんでも量とバランスが大事なので、
メタンチオールだけを大量に飲んだりしたら、
健康に害があることは言うまでもありません。
でも、体に害が出るくらいの量をとろうと思うと、
そもそも臭すぎて口に入れるのもムリ!となります。
余談ですが、コーヒーを飲むとおしっこが香ばしくなります・・・
おせんべいのような。。。
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