3びきのくま

先日「youは何しに日本へ?」で大貫妙子さんのsunshowerを買いにきたアメリカ人の青年が話題になりました。その後HMVでアナログ盤が再発され「日本のシティポップ来てんじゃね?」的なムーブメントにつながるわけですが、これは単なる偶然でも巧妙なマーケティングでもないのです。
いままで日本語でしかアプローチできなかったJ-POPは鎖国なき21世紀でも海外に出ていくことはあまりありませんでした。
しかし、あるテクノロジーが黙っていても海外へJ-POPが流れる道筋を立てたのです。Youtubeです。


仕事中にBGMを聞くことが許されてる人や休みにPCで音楽を楽しむ人はご存知かもれませんが、ある曲を再生すると自動再生で次から次へと楽曲の再生が続きます。YouTubeの自動再生機能の詳細なアルゴリズムは公表されていませんが、この機能によって「好み」の音源はこれでは?と日本のPOPSが流れ出したのです。どれもこれもほぼ違法にアップされてる「野良音源」です。
そこで欧米の若者が「なんこれ!』となって掘り起こし始めたわけです。はっぴいえんどやシュガーベイブに始まり80〜90年代のポップスに英語(外国語)のコメントがたくさんつき始めているのはそのせいです。
違法違法といってネットにある音源を取り締まるのは誰のための正義か、BGMを取り締まるニャスラックは誰のほうを向いているのか。BGMが許されないならいつか図書館も閉鎖になるのか?

したのリンク曲はSunshowerとは関係ありませんが、東日本大震災の年、はやぶさが宇宙を彷徨って帰ってきた頃、大貫妙子さんと教授が発表したアルバムに収録された「3びきのクマ」という曲。この曲の元になってる同名のイギリスの絵本のテーマと同様に正義とか真実とかシロクロはっきりしないところにも真理みたいな道筋があって、真理ってそんなところにあるんじゃないかとわたしは思うのですが、興味あったらググってみてください。


アヤコフスキー@札幌。ディレクター・デザイナー。Salon de Ayakovskyやってます。クロエとモワレの下僕。なるようになる。リトルプレス「北海道と京都とその界隈」で連載中 http://switch-off-on.co.jp