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イタリア映画祭 2024 アモーレの最後の夜 (原題:L'ultima notte di Amore)

ピエルフランチェスコ・ファヴィーノの主演作。

色合いもカッコいいデザイン。イタリア語のタイトルは一部だけデザイン内に表示。
右下のタイトルは英語ですね

「人生の最初の日」とどちらを1位にするか迷いましたが僅差で2位。

クライムサスペンス。まぁ残酷なシーンも、あります。
でも終わってみると残酷なシーンの印象は薄れていました。

ドキドキ感はずっとあります。え、どうなるの、どうするの?それ大丈夫?みたいに感情を揺さぶられます。

ポスターで見ると、ファヴィーノが演じている役が「悪い人」「怖い人」なのかな、という雰囲気ですが、善人です。

で、あるがゆえに、葛藤があったり、危険な状況に陥ったりする、というのがこの映画を貫いている部分です。

ファヴィーノは、やっぱりすごい。この人が演じていると役の深みが増す気がします。かなり引き込まれて観ました。


この作品も上映前後に監督のトークがありました。このおかげで作品の味わいがぐっと増しました。

監督は「昔ながらの」映画製作の方法を愛していて、VFXもドローンも使っていないとのこと。
オープニングシーンは夜のミラノの街を空から撮影しているシーンがしばらく続きます。ドローン撮影していると思ったらなんでもなく観てしまうところですが、ヘリコプターで撮影していると聞いてから観ると、迫力が違うように感じました。

映像もデジタルではなく「フィルム」を使っているそうです。
監督によれば、フィルムを使うと人物の目の輝きに独特のゆらぎが出るとのこと。デジタル映像では出せないものだそうです。
正直、素人の私にフィルムとデジタルの違いが明確にわかっているかと言われると自信はないですが、映像の奥行き感とか、「しっとり」感とかが違うような…気はします。

監督は日本映画もとても好きだと言っていました。日本映画は、ヒーローが「普通の人」で、その普通の人が異常な状況に追い込まれることを描くのが特徴的だと。心に正直な決断をしていくヒーロー像というところに魅力を感じ、この作品もそういうところを描いたそうです。

ラストシーンは、かなりドキドキしました。監督への質問の時間に、「あれは、xxですか?」という質問がありました。「いや~、それを聞いちゃヤボでしょう」と思っていましたが、監督は「それは観客の皆さんのご想像にお任せします」と、さらっとかわしていました(笑)。

余談ですが、「アモーレ」はイタリア語の「愛」なので、作品を観るまで、愛を貫くために何かあるという内容なのか…「アモーレの」ってなんか座りが悪いタイトルだな…、なんて事前に思っていたのですが、「アモーレ」は主役の彼の名前でした。だから、アモーレ「の」最後の夜、だったのか、と納得。ただ、愛を貫くために…という部分も実際にあるので、そういう意味も含めての主役の名前だったのかもしれません。これは監督トークにはなかった部分なのでわかりませんけれど。


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