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【片側顔面けいれん】外から見える症状と本人の感覚の違い

この病気の、患者としての難しさについてです。

上の記事にも書きましたが、この病気は命には関わりません。そして痛みもありません。ぴくぴくとした痙攣のほかにギューッと引っ張られるような感じになることもあり、不快感はかなりあるのですが、痛いのかと言われるとそんなことはないです。

職場で

手術を受けようと決めた時、数か月の内に何週間か休むことになるんだなと思って(実際に手術を予約できたのは1年以上先でしたが)職場で上司やその上の上司にも話をしました。会議中にも症状が出ていたことはあったので、もう私の症状を目にしたことがあるだろうと想定して話をしたら、「え?全然気が付かなかった」と言われました。
だからと言って冷たい対応をされたとかではなく親身に今後のスケジュールや仕事のことなど相談に乗ってもらえたのですが、「こんなによく話もするし、こちらは何度も症状が出ちゃっているな、と思っているのに意外に気が付かれないものなんだ」と不思議に思いました。

上司とのものに限らず、カメラをオンにしたオンライン会議に臨むたびに「事前に症状のことを言うべきかどうか」は結構悩んでいました。症状が出ずに会議を終えられるかも知れない、症状が出ても気が付かれないぐらいかもしれない、同じ会議に出ているだけの人にわざわざ病気だなんて言う必要もないだろうし、ましてや英語だと単語も難しくて面倒だし、でも、途中で症状が繰り返されて会議の内容に対して否定的な感情が顔に出ているように見えてしまう(そして流れ上その場で症状だと説明できない)のも困る、などなど。
結果的には事前に説明したのはごく近しく仕事をする少ない人数との会議の時だけでした。ほとんどは言わずに過ごしました。
そしてそういったケースで症状について告げると、100%「気が付かなかった」と言われました。本当に気付かなかったのか、やさしさでそう言ってくれたこともあったのかはわかりません。

プライベートで

私はイタリア語のクラスをとっていて、コロナ以降オンラインレッスンになっているのですが、その授業中も顔をずっと映しています。最初のうちは症状が出ると手で頬を覆うようなしぐさをして目立たないようにしていましたが、あるタイミングで先生とクラスの人たちには言いました。その時も「わからなかった。気になったことは一度もないよ」と言われました。

月に一度ぐらいのペースでフェイシャルエステに通っています。至近距離で顔を見て触ってケアしてもらうわけですが、担当エステティシャンさんも最初は私の症状を認識していませんでした。

ただ、上にリンクを貼った記事にも書きましたが、化粧品売り場とかで「ああ、目の下がぴくぴくすることってありますよね!睡眠不足だったりすると私もよくなります」なんて言われると、それもモヤモヤします。違うんですよーと思いつつ、売り場のお姉さんにわざわざ説明するのも面倒になって愛想笑いをして終わります。

結局のところ

なんかこの病気ってこの「外から見える症状」と「本人の感覚」のズレが難しいと感じます。つらい、まで言うと言い過ぎかな、痛くないし、とこうやって書きながらも自分の感覚を正しく認められない感じがあります。

本人的には症状が頻発していても、外からはそれほど気づかれないのです。
やさしさで「気にならないよ」と言ってくれていることもあるのだと思いますが、気づかないと言われ続けると「他人も気づかない程度のことで、痛みもないし、命にもかかわらないのに、病気なんて言っていいのかな?私が大げさに考えているだけなのかな?」という感情も出てきてモヤモヤします。

なので、病院で先生に治療が必要な病気と認められて対応されると、なんだかすごくホッとします。すべての病気がそうなのかもしれないですけれど。

(おまけ)診察や検査の時

症状がいつ出るかわからない、というのは診察や検査の時でも同じことです。クリニックや病院での初診の時、待合室にいる間に症状が出ていても先生の前に座った時に症状が出なかったらどうしよう…、ちゃんと診断されるかな…と結構心配しました(笑)。後から考えれば、症状が出た時に動画を自撮りしておけばそんな心配はいらなかったのだと気が付きました。あと、この病気をよく知っている先生は症状を誘発させやすい顔の動かし方を知っているので、それで確認もしてくれます。

反対にMRI検査をしたときは「頭を動かさないようにしてくださいね」と言われるので、検査中に症状が出たら画像がうまく撮れないかもしれない、とこれも心配しました。検査技師さんに「症状が出たら顔が動いちゃうかもしれません」と事前に言って臨みました。症状は出ましたが、大丈夫だったみたいです。

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