過去イチ好きなイタリア映画 Perfetti Sconociuti (邦題:おとなの事情)
今年のイタリア映画祭で「人生の最初の日」(Il primo giorno della mia vita)が一番だったのですが、同じ監督のこの作品が、私にとって過去イチ好きなイタリア映画の一本です。
3回は観ましたかね。イタリア路線の国際線でもリストに入っていることがありました。
日本語版のリメイクもありました(観なかったけれど)。Wikipediaによると、最も多くリメイクされた作品として2019年にギネスに載っているとか。
それぐらい、どこの国でもどんな文化でも使える設定だということで脚本の秀逸さがわかります。
ざっくりのストーリーとしては、こんなところ。月食の日に幼馴染の男性4人がそのうちの一人の家に集まって月の鑑賞を兼ねた夕食会をします。参加者の一人は独身で、恋人が体調不良でこれなくなり一人で参加。ほか3人はそれぞれ奥さんも一緒に参加します。新婚カップル1組、倦怠期カップル1組。ホスト役の夫婦は夫がバツイチで2度目の結婚。そんな7人の大人の夕食会。
その最中に、一人の女性の提案で、ゲームが行われます。それぞれ自分のスマホを画面を表にしてテーブルの上に置く。受け取った電話やメッセージはその場の全員に公開しなければならない。
想像しただけで、こわっ、って感じのシチュエーションです。
他のリメイクは知らないのですが、イタリア版は、いかにもなイタリアの事情がちりばめられていました。映画のほとんどの場面がその夕食のテーブルでの会話というものなのに、なんと多様な「事情」が繰り広げられるものか。めちゃくちゃ興味深い展開が次から次へと出てきます。
本当に脚本がよく練られていて、初めての設定なのにどこにでも起こりえる話になっていて。鑑賞者の勝手な思い込みを裏切るところも出てきたりして。
俳優陣も実力者ぞろい。ぜいたくな配役なのです。
イタリア語タイトルの Perfetti Sconosciuti は完全に知らない人、まったくの他人、という意味。皮肉が効いていてタイトルも好きです。
なお、月食の進み方、かかる時間、そういったこともちゃんと調べたうえでこの長さになっているそうです。
私としては、いまのところこの映画を超える作品はまだないです。
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