新学期・ブレイバーン・選評

新学期が始まるので、子供のスモックの胸の部分に布名札を縫いつけるということをしていたら、1枚につきおよそ40分以上かかってしまった。
進級のたびに毎年やっていることで、最初の年は「こんなん5分10分だろう」とたかをくくっていたら、思っていたよりも時間がかかることにげっそりとしたものだった。効率よく素早くやろうとするほどに、てきめんに無残に縫い目が乱れた。布用ボンドという手もあるが、あれは繰り返し洗濯すると取れてきてしまう。翌年からは早く仕上げようとするのは諦めて、いっそ目を細かくきれいにする方向にとシフトしていったら、今年はついに40分である。それが2枚。しかし、年に一回のことでも手は案外針の動かし方を覚えていて、年々うまくなっているという手応えはあったりして、それはそれで少し楽しい。

そういう新学期の準備をしている間に観ていたのが「勇気爆発バーンブレイバーン」というアニメだった。ネットでロボットが気持ち悪いと評判だったあれ。アニメの巨大ロボットが特定の人を乗せようとするのは、ロボットがその人に欲望・執着しているから、という解釈というか設定がおもしろかった。勇気爆発って何、と当然浮かんでくる疑問をねじ伏せて、とにかく勇気が爆発なんだという内容で、新学期シーズンには良いと思いました。電動ママチャリに乗っているときにオープニング曲を無意識に口ずさんでいてハッとした。

やまなし文学賞の選評が山梨県立文学館のHPに掲載されていました(PDF)。アマチュアとして小説を書いてどこかの賞に応募して、という生活はこれからも続いていく予定で、その繰り返しに焦れたり浮つきそうになったときにはこの選評と、地道に針を動かすことでしかきれいに仕上がらなかった布名札つけのことを、そういうふうにしか進めることのできない仕事の仕方を思い出したいとおもいます。

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