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いじめを見て見ぬふりをする国、日本。

数日前の元総理の方の女性差別発言問題をご存知でしょうか。「女性がいると会議が長くなる」という発言です。
私も、最初あのニュースをネットでみたときは衝撃をうけました。地元のおじさんが愚痴をいっているのなら聞き流せても、あの発言を公共の場で、自分の立場も鑑みずにできるのは何か麻痺していると。

正直すぐにでも引退してほしいと思いました。

しかし、よくよく考えてみると彼は自分の力だけでそのポジションにいるわけでなない。周りにヨイショされ、自分の思うがままに役職についている。これは我々国民のせいでもあると思うんです。こういった状態を黙認してきた、日本はそういう国。よくよく考えるといじめの構造ににていませんか?要するにいじめられている人、弱い立場の人がいることに気がついているのに、いじめっこに目をつけられるのが怖いので、みんな知らんぷりをしてきた訳です。

幸い今回はオリンピック絡みということもあり、この問題が海外にも注目されているので、こういった現場を是正するには大きなチャンスだと思います。ポルトガル、アイルランド、スウェーデン、フィンランド、ドイツ、欧州連合 #DontBeSilent #genderequality #男女平等 とハッシュタグによりこの発言の問題提起が世界にむけて行われました。

アメリカとの違い

私は小学生の頃、父の仕事の都合で2年半ほどアメリカにいました。米国東側のカナダの国境近くにある、ミシガンという州です。デトロイトから1時間ほど車で行った田舎町。小学校全生徒の中で日本人は妹と私の2人のみでした。

渡米直後は日本人が珍しかったのか、みんなが話しかけに来ました。英語が喋れない状態で行ったので「Ayako,これは〇〇っていうんだよ」とか「案内してあげるから行こうよ!」といった感じ。
英語はわからなかったけれど、小学生同士の会話です。理解できるようになるまでそんなに時間はかかりませんでした。

でも英語の時間はまだ難しかった。校長先生の粋な計らいで、クラスメートのお母さんにボランティアを呼びかけてくれました。そしてその時間、ボランティアのお母さん方に図書館で本を読み聞かせてもらいました。今は有名になった「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビット」です。無報酬でそういった役割をしていただき、今でも本当に感謝しています。
「人種による差別をしません」という意思表示が当然かつ称賛されるものでした。

お陰ですぐに英語も話せるようになり、姉妹喧嘩も英語でするようになりました。感情的になると出てくる言語が英語になっていました。

当たり前にある多様性

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クラスは様々な人種で成り立っていました。
ヒスパニック、ブラックアメリカン、アジアン、ヨーロピアン。

その中でたびたび言われていたのが「差別をなくそう」でした。教科書には人種による差別廃止を訴えたマーティン・ルーサー・キング牧師の演説や南北戦争に一役買った差別撤廃を訴えるヒーローたち。教科書の絵も肌の色は様々です。”I have a dream "で始まるキング牧師の演説は今聞いても鳥肌が立つほど。あんなに心が震えるスピーチを知りません。(https://americancenterjapan.com/aboutusa/translations/2368/#jplist)

学芸会では”We are the world”(Michael Jackson)をみんなで歌い、マーティン・ルーサー・キングの命日にはみんなでパレードをしました。

校長先生も人種関係なく皆に等しく接し、すれ違う生徒全員にハグをしていきました。(私は大げさにハグされるのが恥ずかしかったので、わざと見つからないようにしていました。)

授業中だけでなく日常的に差別はなくすべきものだという意識が強かったように思います。

陽気なピアノの先生

ピアノの先生も探すのに苦労しました。結局、英語が話せないので指導ができないと何人もの先生に断られました。私を最終的に引き受けてくれたのはヨーロッパからの移民の先生。
「音楽に言語は関係ない、音楽が共通言語よ♪」
とあっさりと引き受けてくれました。
熱心で指がソーセージみたいに太く、なめらかな音を奏でる先生は私の落ち着く場所でした。英語を気にしなくて良い。毎週楽しみに通っていました。結局その先生の授業は、私が英語を話せるようになっても「No! もっとタラリ〜〜〜ララ♪」という感じで本当に言語は関係ありませんでした。

日本の意識

日本に戻ってきてからは様子が一変しました。
単一民族。横並びを好む国民性。
差別についての授業なんてほとんどありません。
日本では小さなことで気に食わないから、目立っているからといじめる。信じられなかった。みんないじめを集団で行い、それを止めてヒーローになりたい子なんて一人もいませんでした。
私もアメリカ帰りで目立っていたのか、同級生からしばらくいじめをうけました。そのあと先生や親に相談し、いじめっ子たちとも喧嘩しながらも仲直りできたので、私としては貴重な体験になりましたが。

無意識の先入観

今回の騒動をみても、やはり差別に対しての意識が低すぎる。日本はもっとグローバルな社会なはず。こういう教育を日常的に組み込んでいかなくてなならない。アメリカもここ数年逆行していましたが、それも長くは続かない。
政治家のあの発言は氷山の一角であり、もっと見えていないところにある根本の差別意識を見つめ、無意識の先入観にメスを入れていかなければならない。
そうすれば女性差別だけでなく、LGBTQ、人種など様々な差別をなくす、ダイバーシティーの推進に向かうのだと思っています。

千里の道も一歩から

よりよい社会を目指していきたいです。まずは問題提起をするところから。諸外国を見習わなくてはなりません。




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