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脳のバケーション

2年日本に帰っていなくて、ここのところJapan loss だ。空港に降り立った途端、日本語に囲まれるあの安心感。そこここに漂うお出汁の匂い。どこまでも清潔なロビー。店員さんの丁寧で親切な応対。一つ一つ上げていけばきりがない、日本恋しい所以だけど、やっぱり母国語のリラックス効果が一番だと思う。

母国語とは違い、外国語は(ネイテイブレベルでない限り)無意識でも自然と耳に入ってきて脳が即時に理解する、という訳にはいかない。だから日常、適度な緊張感を持って生活している。

自分の思いを的確に伝えるという点においても、いつもなにかしら微妙に的を得ないもどかしさを感じている。パートナーと喧嘩した時など、日本語でやりあえたらこの”不公平感” はなくてスッキリするだろうに、と切に思う。想像してみて、例えばあなたに普段から日本語を話す金髪青目の彼がいたとして。彼と口論になった時、もし彼の口から " バカヤロー” とか " コノヤロー” とかの言葉がでてきても、イマイチ凄みにかけると思いませんか?その逆がアメリカで暮らしアメリカ人の彼と英語で口論をする私の身に起きるわけで、いくら私が怒り心頭で f word を口にしても、どうしても少し幼稚さというかおかしみが漂ってしまうのです。

言葉は思いを伝えるもの。面倒でもあり、もどかしくも、難しくもあり。だから日々なんとか駆使して心に宿っているものを release しようと努力していて、それは母国語か外国語かの問題ではない、とわかってはいるけれど、たまに楽がしたくなるわけです。フルスピードでフルフォースでいなくてもいい、脳のバケーション。あー日本帰りたい。


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