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愛道 第四章

心に情熱の炎を燃やし続ける


“I have no special talents.
I am only passionately curious.”
— Albert Einstein

私は特別な才能など持っていません。私が持っているのは情熱的な好奇心、それだけです。
— アルバート・アインシュタイン

前の章では直感が創造力の源だとお話ししました。五感を使って今の感覚を感じ、認識していくことで直感力を高め、インスピレーションを得ることが容易くなってきます。

この章では、創造性に不可欠なもう一つのファクター、情熱についてお話ししましょう。

好奇心

恐れを乗り越えるために大事なのは、勇敢さ以上に好奇心だと言った人がいました。あなたが人生において大きな決断をした時、例えば結婚や別れ、転職、引っ越しなどの場面で、その決断を後押ししたものはなんだったと思いますか?勇敢な意思が必要だった苦渋の場面もあるでしょうが、多くの場面で、それは好奇心だったのではないでしょうか?

新たな分野の仕事、新たに出会った人、新たな場所やコミュニテイ、そう言った未知のものをもっと知りたいという好奇心と、自分との相性や可能性を試したいという冒険心を掻き立てる情熱が決断力を奮い立たせたはずです。

児童書「おさるのジョージ」はドイツ系ユダヤ人のレイ夫妻によって創作され、1941年に出版されて以来、世界中で翻訳されて今日まで愛される大ベストセラーとなっています。

この本が書かれた1930年後半から1940年初頭にかけて、ヨーロッパではナチスが覇権を拡げ、当時夫妻が住んでいたパリにもその脅威が迫っていました。危険を察知した夫妻は亡命の覚悟を決め、部品をかき集めて二台の自転車を作り、1940年6月14日の未明、パリを脱出しました。持ち出せたのはわずかな食料と衣類だけでしたが、その中には「おさるのジョージ」の原稿も含まれていました。

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