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愛道 第六章

家族を最優先にする


“Family faces are magic mirrors. Looking at people who belong to us, we see the past, present, and future.”
— Grail Lumet Buckley

「 家族というのは魔法の鏡だ。一人一人をとくと見つめれば、過去も現在も未来も写し出している。」
— ゲイル・ルメット・バックリー 

前の章では、心をゆるせる安心なシスターフッド/ブラザーフッドを持つことが大切だとお話ししました。共感し合い、支え合う仲間は生きていく上で掛け替えのない宝です。ところが現実には、心を開き、自分の本心を話すことができないという人がとても多いのです。なぜでしょう?

ここで私達は、生まれ育った家庭環境、家族との関係性、社会との関わり方というものを考えてみたいと思います。人は母の胎内にいる間、母の体の一部として守られ直接成長に必要な栄養分をもらいます。そして生まれた瞬間から、両親、特に母親の厚い保護養育の元で育てられます。生まれてすぐは立って歩くことはおろか、首も自分では支えることができません。生きていくのに必要な養分さえ、乳を口に含ませてもらわなければ取り入れることもできない。母の愛が命綱といっても過言ではない状態なのです。

そんな周りの大人の絶対的庇護のもとで育つので自然と、子は大人たちの影響、その中でも特に命綱を握っている母の状態にとても敏感になり、母の言動と心理状態の影響を多大に受ける事になります。そしてその影響は、味覚から体質、性格や考え方、物事の見方や捉え方にも及び、子に自我が芽生える以前から、潜在意識の奥に刻まれているのです。

私たちが無意識のうちに繰り返している思考パターンや価値観と選択は、幼い頃からの記憶のずっと奥深くに刷り込まれていて、それは親家族からとても大きな影響を受けているのです。

この章では、本当の自分とは何者なのか?私は本当は何を望んでいるのか?その答えは家族 - 親や先代を辿って紐解いていくことで糸口がつかめる、ということをお話しします。

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