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1人で大きくなったような顔して。
先日、認定調査に伺いました。
98歳女性。生年月日はバッチリ。
認知機能の確認問題は正答。
精神症状に問題もない。
身体機能の衰えにより、ベッド上の生活で身体が思うように動かないために、食事や排泄がままならないご様子でしたが
終始穏やかな印象でした。
息子さんと二人暮らしで、息子さんはなるべくご自宅で面倒を見たいというご意向。
本来、もう少しサービスの介入があると体調管理等が安心かな。と私自身は思いましたが、ご本人もご家族も不要とお考えのようでした。
二人暮らしとは。
よく叱られる。ものです。
ままならないことが増えて、同じことを繰り返すと、叱られることもあります。
ちなみに叱ってはいない。と大抵おっしゃいます。
聞こえないから大きな声を出しているだけだ。と。
これも真実です。
何回も同じことを繰り返し伝える際に、声が大きくなり、苛立ち混じりになるのは、致し方ない。と私は思います。
ただ、自分1人では生活がままならない人からすると、切ない。というのも身に染みます。
大きな声で叱られてできるようになったり、リカバリーできたりするなら応えませんが、そうではないから。
おしっこの失敗を隠したり我慢したり。
お醤油のしみを見ないふりすることが上手になるだけです。
介護をしていると疲弊します。
疲弊すると自分を守ります。
防御は攻撃に転じます。
いつの間にか、疲弊を盾に、雑な物言いや乱暴な振る舞いを正当化してしまいます。
大抵の人はそれに気づいて、自分に落ち込み、また後退りして、優しさを取り戻したり、敬意を奮い立たせたりします。
時々、どんどん前に進んでしまう人がいます。
私達は、それ以上行くと大事な人だけでなく自分を傷つけて後悔してしまいますよ。と引き留めるためにも存在していると思っています。
二人という世界は。
なかなか立ち入ることも変えることもできない強固なものです。
そして、絶妙なバランスで成立もしています。
あのね、一人で大きくなったような顔して、威張ってるんだよ。全く。
大正生まれここにあり。
笑いました。
叱られてばかりではなく、言い返すことができる。
鼻垂れていたくせに。とばかりに息子さんに減らず口を叩き、毅然と無視をしたりもできる。
息子さんは、経済的なことを理由にしていましたが、母親を自分がみることを張り合いにしているようにもみえました。
綺麗事ばかりではありません。
バランスが崩れることもあるでしょう。
でもまだ大丈夫。
1人で大きくなったわけではないことを、きっと息子さんは知っているのです。
お気持ちありがたく頂戴するタイプです。簡単に嬉しくなって調子に乗って頑張るタイプです。お金は大切にするタイプです。