金曜午後の作戦会議
昔、まだ小学生の時に段ボールに入った子犬を見つけたことがあった。
それは下校の時で、マンションに住んでいる友達は飼えないし、一戸建てに住んでいるからと言って飼えるといえばそうでもなく、私たちは思い悩んで、秘密基地にひとまずは子犬を移動して、餌や水を運んだ。
せっせとポスターを作り、電柱に貼った。
子供達の不穏な動きに気づいた、母に問いただされ、飼手が見つかるまで自宅において面倒を見た。
あの時、みんなで飼い主探しをしたり、命を守るために躍起になったことは、まさに作戦会議であった。結局子犬は貰い手が見つかり、達成感のち寂寥の余韻だけをぼんやりと覚えている。
待ち合わせに向かう車の中で、そんな昔のことを思い出しました。
大人になって作戦会議をするなんて。
しかも余暇ごとで。
2人で物語を書いてみませんか、せっかくお近くにいるんだし。
テーマもお任せします。締切もね、余裕をみましょうか。
こんな粋な提案を受けたのは夏休みの始まりの頃でした。
こんなアイデアが湯水のように湧いて、それを投げかける勇気がある人。
ピリカさんしかいませんよね。
ピリカ文庫のオファーがプレミアムをつけてやってきました。ヨネスケアゲイン。しゃもじは2度くることもある。
金曜日、午前勤務の私の予定に合わせていただき、14時に待ち合わせをしたお相手は…
バクゼンさんですよ。みんな大好きバクゼンさん。
場所はいつものタリーズです。
タリーズではね、ピリカ文庫作戦会議にふさわしく、Marmaladeさんのおすすめを飲みました!(バクゼンさんがこれだよ!と教えてくれました)
ピリカさんに話をもらって、私にも一つアイデアが灯っていました。
バクゼンさんのnoteでみんなが行きたいと言っている、あの場所の物語にしたら、みんなが買い物に行ったような気持ちになるかな。なんて。
私とバクゼンさんは、noteで知り合い、実際にご近所であることが判明してリアルとnoteを行ったり来たりしています。
そんな2人で物語を紡ぐなら、リアルとフィクションのないまぜが面白いのではと考えました。
バクゼンさんも面白がってくれました。
物語はバクゼンさんの提案で、往復書簡のように章ごとにキャッチボールしました。
何回にするか、どんな話にするか、はほぼ決めず、はじまりは私が任せてもらいました。
バクゼンさんはコメントのバクゼンですからね。投げた玉がどんな暴投でも必ずキャッチすることで名を馳せています。
繭子にも、カツ子にも、美優にも、私の中でモデルがいます。
そのモデルを知らないバクゼンさんが、それぞれに肉付けしていく中で、魅力的に変異する様に驚嘆しました。
私ひとりで紡げば、航にも会えなかった。
また会いたくなる、そんな結末の光にも心が震えました。
はじまりは私、締めはバクゼンさん。
私たち2人の関係性ともリンクした物語になりました。
相手に投げかけた物語から、多分互いにキーワードを拾いあげて、それを物語に錨のように下ろすことで、私たちの物語は変に飛躍したり落ち着きがないものにならずに済んだような気がします。
何も決めなくても。
互いに行き先を知らなくても。
2人で着地できたことを嬉しく思っています。
私もバクゼンさんもこの物語を1番届けたい人はピリカさんだったと思います。
ピリカさんから
お二人とも新境地ですね。と言われたこと、何よりのご褒美でした。
本当に、人のきらりを見逃さない。ピリカさんありがとう。
この8月、私は本当に書けなくて書けなくて、苦しい8月でした。
辛抱強く、私を信じてくれたバクゼンさんとだから紡げた物語です。
今日もアレレマートで。
いつか神崎主任のお話も書けたらいいな。
ね、航の話はお任せしますよ、バクゼンさん。
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#バクゼンさん
お気持ちありがたく頂戴するタイプです。簡単に嬉しくなって調子に乗って頑張るタイプです。お金は大切にするタイプです。