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不義理なわたし


やぎりぃーのーわたーしー♪と歌い上げて


それが矢切の渡しで、細川たかしさんの名曲だと頭に浮かぶ方。


同じ時代を生きています、おだんごです。


我が家の夫は、何がそうさせるのか不明ですが、ありとあらゆるドラマを録画して、それを観ることを責務としている男です。


途中で寝て、何回も同じ場面を見たりしているのを見かけると、そのドラマはもういいんじゃないの?と思うのですが、そういうわけにはいかないそうです。


前に、わたしが好きな二宮和也さんが出ているからと録画してくれていて、私は1話で頓挫した(私は好きな俳優さんが出ているという理由だけではドラマを見る持久力が続かないタイプです)のですが、何の義理も特別な愛も持ち合わせていない夫は律儀に見続けて、最終回を見終わり、「なんかよくわかんなかった」と言っていました。


私とは全てにおいてスタンスが異なるため謎ですが、それはそれぞれの楽しみ方ですので、お互い放任です。


その日、夫は、9ボーダーというドラマを見ながら、いちゃもんをつけていました。


松下洸平さんが演じる男性が、急に川口春奈さん演じる女性を呼び捨てにした!!!と憤っています。


急に、ななとか!!(ななちゃんらしい)あと、恋人つなぎとか!!できるわけないでしょ!!


と松下洸平さんに全力で意見していました。


私は、後ろから


松下洸平さんだけに許されていることがあるんだよ。と教えてあげました。


そんなんおかしい!!憤慨していました。


天は二物も与えるし、特権も与えます。


ちなみに、夫の特権はシルバーマダムにモテすぎることです。
いるかいらないかとか、そこまで神様は関与しません。


で、その後、今度はリベンジというドラマを見始めました。


無駄に色っぽい錦戸亮くんが、なんだか企みがありそうな顔をしていて、黒目しかないの?という愛らしい顔の赤楚くんが苦悶しているあたりで、急に画面を停止して、振り返りました。


あのさあ!おかしくない!? 俺さ、すげえ貢献してんのに、本もらってないんだけど!!


といきなりキレました。


えっ、誰役?赤楚くん?


えっ?いるの?私は質問しました。ちなみに夫は、全く本を読まない人です。


いるに決まってるじゃん!俺が1番応援してさ、一緒に行って、流通センターまで送ってさ、なのに、なんで俺にプレゼントしないのよ!!

夫は、今、急に怒っています。


えー、だってさ、初版の時、できたよーって一緒に喜んで、私、ずっとここに本を置いといたけど、読まなかったじゃん?


子供達は、みんなペラペラ見て読んでくれたのに、読まなかったからさ。


興味ないと思ったよ。欲しいならほらあるある。あっちの部屋にいっぱいあるよ!!!


使わない子供部屋に保管してある、在庫を指差して言いました。


違うだろ!!本、できたよ。夢が叶ったよ。ありがとう!って3冊揃えて、お前が差し出すのが筋だろう!!

ああ。

確かに。

納得です。

ごめんよ、おだんな。


というわけで、3冊取りまとめて、どうぞ。とプレゼントしました。


ちゃんと読んでいました。眠くならないで、読んでいました。


紙だと、字が動かなくていいね。と言ってくれました。


自分のうちの話で泣いていました。いい人だな、全く。


私が、本を作る時に、1番気をつけたのが、夫のように、本を読まない人が読み切れる本でありたい。ということでした。


本好きな人には物足りないかもしれないけれど、なんというか、低いハードルの親近感のある優しいものでありたい。ということをnoteの時にも、ずっと思っています。


軽快で優しいものが、私にとっては価値があるということです。


重厚で難解なものは、その筋の専門家がたくさんいらっしゃいます。


にも関わらず、きちんと贈呈式をしなかったのは不徳の致すところ。


不義理のー、わたーしーです。


ちなみに、あれほど読まれたくないと思っていた父に、今回の文フリ騒動で書いてきたことがバレ、母が買った本を読まれる事態になりました。


父から、LINEが来て


おだんご、読んでまーす。現在2周目でーす。


と書いてありました。


家族はやはり、私が好きなんだなと


感謝感謝の不義理な私です。


#note
#日常


お気持ちありがたく頂戴するタイプです。簡単に嬉しくなって調子に乗って頑張るタイプです。お金は大切にするタイプです。