見出し画像

音楽の分からない母が私にしてくれたこと

音楽を教えています…と言うと、小さい頃の家庭環境を尋ねられることがあるんですね。なので、今回は私の母について書いてみます。

母はある意味無頓着というか。良く言えば「娘を信頼している放任主義」かな?

多分私がヤマハ音楽教室の講師になる時に、初めて自分の娘がピアノやエレクトーンを教えられるくらい弾けるのだと知ったと思います(笑)

母は音楽の経験がなく楽譜も全く読めません。なので小さい頃、レッスンの付き添いはしてくれていたものの、家での練習は私1人でやることも多かったんですね。

ただ、曲が弾けるようになって「お母さん、弾けるようになったよー」と声をかけると、母はそれまでやっていた家事の手を止め、私の演奏を聴きに来てくれました。

そして必ず褒めてくれるんですね。「いつの間に弾けるようになったの?すごいねー」と拍手してくれるんです。

きっと母は音楽のことがよく分からないので、私の演奏がどれも本当に上手く聴こえたんだと思います。どんな曲を弾いてもいつも褒めてくれていました。

私の生徒さんのお母様は皆さん熱心な方が多く、お子さんの練習のサポートをしてくださいます。私はいつもそれを少しうらやましく見ていました。でも今から思うと、きっと母も分からないなりに拍手で応援してくれていたんですよね。

お母様方に「なるべく叱らないで、いつもお子さんの演奏を褒めてあげてください」なんて言うつもりはありません。私自身、本屋さんで「褒めて伸ばす」というタイトルの本を見るたび、「褒めるだけで伸びるんだったら苦労しないんだよ」と思っていたタイプです(笑)

楽器の練習って本当にコツコツしていくものなので、イライラする時ありますよね。お子さんご自身も、うまくいかずにどうしたらいいか分からない時があると思います。そんなお悩みに「これが正解です!」というようなものも勿論ないのですが…

きっとあの頃の私にとって、母の拍手は心の支えになっていました。あの拍手が聞きたくて練習を頑張っていたような気がします。たまには前より上達しているお子さんを思いっきり褒めてあげるのもいいかもしれません。

今、母は大正琴を習っています。帰省した時には「綾ちゃん、今度大正琴の発表会あるから練習見てー」などと言われるのですが、リズムがハチャメチャだったり、入ってくるタイミングも全然違ったりして注意しっぱなしです。

気づいたら、いつの間にか立場が逆転していました。でも私はなかなか拍手なんてできません(笑)

★Instagramでいろいろ発信しております!


note内に鍵盤楽器レッスンについての有料記事&音楽について自由に語る無料記事を書いております。 ピアスコアにて、エレクトーン自編曲楽譜の販売を始めました! エレクトーン、ピアノのオンラインレッスンはInstagram、Twitterのメッセージよりご連絡ください。