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調理師、料理講師、母という料理経験 そしてこれから

料理と、それにまつわる話を思う存分書きたくてnoteを始めてみることにした。

はじめに何を書いたらいいか散々迷ったけれど、自己紹介を兼ねて、これまでの料理の仕事のことを綴ってみたいと思う。

料理に癒され、調理師になる

料理に本気で取り組み始めたのは約20年前。料理を始めた経緯は、とても簡潔にいえば、大学卒業時の就職活動がうまくいかなかったときに唯一癒してくれたのが料理で、そのまま料理の道に進んだ。

元々は、料理の撮影に携わる仕事に憧れたけれど、料理技術がゼロでは話にならないだろう、とまずは基本を身につけに調理師学校へ。楽しすぎる学校生活を経て、実務経験を積むためにレストランで働くことに。数店舗を運営する中規模店と、小さな街の小さな個人店の二つを経験した。

その時すでに30歳。全く結婚の予定どころか相手もいなかったけれど、いつかは結婚したいし子供も欲しいと考えたときに、このまま厨房で働き続けるのは厳しいなぁと思った。時間も曜日も不規則な飲食店の厨房の仕事は、家庭を持つお母さんがやり切るには、かなり無理をしないといけない。

では、女性が料理の分野で長く働くには?

料理教室しかない!

将来家庭ができたときに、1番自分のペースでやっていける女性の料理の仕事は、料理教室だ!と強く思った。そのためのノウハウを知りたい。経験を積みたい。絶対料理教室の仕事に就く!と決めた。

転職エージェントの担当者には「数が少ない上に、キャリアとして広がりがない」と散々反対され、もっと収入が良く、未来ある(とその方が信じている)仕事を紹介されたりもした。でも気持ちは揺るがなかった。そして、最終的に、料理教室の講師の仕事に正社員として就いた。

その仕事は、自分にとって天職だと感じた。自分のあらゆる能力を活かせていると実感ができ、やり甲斐があった。もちろん大変なことも辛いこともあったが、それはどんな仕事にも付随してくるようなもの(人間関係とか)であり、料理教室の仕事そのものを純粋に見たら、楽しい、しかなかった。

それに、時間が不規則ではなく収入もそれまでの飲食業に比べたら、だいぶ安定(マシ)だった。さらに、働く時間帯が人並みになったおかげか、相手が見つかり、結婚した。

母としての料理

楽しかった料理教室の仕事だけど、いろんな事情があり、辞めた。そしてすぐに1人目の子(ムスメ)を授かり、3年後に2人目(弟くん)も生まれた。

家族の毎日のご飯を作るのは、それまでのどの料理の仕事と比べても1番大変な仕事だった。なにしろ2人の子どもはどちらも、とても偏食家。作っても、食べない。1人が好きなものでも、もう1人は嫌い。好きならものすごい量を食べる、嫌いなら一口も食べない。作るものも、量も、頭を悩ませない日はない。

何より辛かったのは、一生懸命作っても、喜んでもらえない、ということ。

お店や料理教室では、ほとんどのお客さんが喜んでくれた。(その上お金まで払ってくれる。)だって、みんなその料理を求めて来ているんだもの。

でも家庭では、容赦なく、拒否される。これが本当に精神的にまいった。(もちろん1円も払ってもらえないし。)でも慣れるしかないし、繰り返しトライするしかない。今でもずっと、たまに投げやりになりつつ、試行錯誤は続いている。

また、料理の仕事がしたい

子どもができても、心の中にはいつも「いつか料理の仕事(料理教室)をまたしたい」という思いがあった。

きっとできる人なら、乳飲み子がいようが、家が狭かろうが、何だろうが、始めてしまうんだと思う。でもわたしは、思い切りがなくて、ずっと始められなかった。そしてそんな自分をいつもちょっと責めていた。

気づけば退職してからもう8年。

この数ヶ月、思いがけず、急に、子どもたちの「ママ離れ」が始まった。

あれだけママ、ママ、ママじゃなきゃダメ!!と言ってママを奪い合っていた2人が、自分たちだけで時間を過ごせるようになったり(ゲームのおかげ)、パパを指名する場面が増えた。

すると、ひとりでものを考える時間が少しできた。わたしは仕事や勉強に関しては、熟考したいし念入りに準備したいタイプ。時間がかかるのだ。今まで動けずにいたのは、しっかり考える時間がなかったからなんだと、初めて自覚ができた。

今、今後どうしていくのかとても考えている。家庭があるからには、自分の思いだけではどうにもならないこともある。でも、諦めたくない。

かつて、家庭を持ったら料理教室しかない!と信じた時代にはまだ世にあまりなかった、オンラインでできる仕事が増えていることも最近知った。

考えているだけじゃダメだけど、しっかり考えながら一歩踏み出したいと、思っている。

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