🟢🟡子ども食堂取材プロジェクト「気まぐれ八百屋だんだん」（大田区）🟡🟢

皆さん、こんにちは😀

今回は、東京都大田区にある子ども食堂「気まぐれ八百屋だんだん」さんにインタビューさせていただきました！「気まぐれ八百屋だんだん」さんは、なんと、全国で１番最初の「子ども食堂」なんです。
全国で初めての「子ども食堂」を作り上げた近藤博子さんからお話を聞くことができました！！

気まぐれ八百屋だんだん　外観

🟢🟢①「子ども食堂」と名付けたきっかけ🟢🟢

　２０００年から「子ども食堂」を運営しはじめた、近藤さん。そもそも、「子ども食堂」というネーミングを名付けた理由を聞いてみました、、
「子ども食堂」と名付けた背景には、「子どもが一人で入ってきても良い」「子どもが安心して入ってこれる場所」という気持ちが込められているそうです。子どもが一人で飲食店などに入ろうとすると、店員さんなどから両親について聞かれてしまい、結局ご飯を食べれずに帰ってきてしまう、、
そのような子どもたちが気軽に、安心して立ち寄れる場所となってほしい！そのような気持ちから「子ども食堂」という言葉は生まれました。

🟢🟢②子ども食堂が広まる中で、、🟢🟢

　近藤さんが始めた「子ども食堂」は、その後全国各地に広まりましたが、
その中で、様々な思いがありました。

　まず、子ども食堂が広まる中で、日本の人の優しさに気づいたといいます。
「子どもたちのために、何かをしたいとか、人のために何かをしたいと思っている人が、まだいるというところでは、日本も捨てたものじゃないな」と感じたといいます。近藤さんが「子ども食堂」という形の居場所を作り出したことで、「困っている人を助けたい」「子どもたちの力になりたい」と考えている人が、実際の行動を起こすきっかけとなったのではないかと思いました。

　
現在子ども食堂は、「地域のコミュニティ・プラットホーム」「貧困などの問題を抱えた人々の発見場所」「子どもへの支援」、、、など様々な期待が持たれています。しかし、近藤さんへのインタビューを進める中で、

「子ども食堂は、貧困なども問題を解決する場所ではなく、あくまでも人のあたたかさに触れる場所」

というメッセージが伝わってきました。

　子ども食堂が広まる中で、現在では子ども食堂がこれまでのボランタリー・自由な活動のものから、制約や負担がかかるものへと変化しているといいます。「広がれば広がるほど、こうしなきゃいけないとか、何か問題が起きたら子ども食堂全般に迷惑がかかるとか、、そういうような風潮がどんどんできている。」と近藤さんはおっしゃっていました。ボランタリーな精神から始めた、子ども食堂、それに付随する「学習支援」「家庭支援」などが、今や「やらなくてはならないこと」へと変化しているといいます。
　
　しかし、本来子ども食堂は「お隣さん同士の助け合いぐらいでできること」であると近藤さんはいいます。子ども食堂ができることは、「お母さんが具合が悪かったらおかずを多めにもっていってあげるとか、お買い物してきてあげるとか、、そういった少しのお手伝いです。」とおっしゃっていました。

　そして、「人ってやっぱり良いなと思って、そういうことに気づける場所が子ども食堂」ということも伝えてくれました。

🟢🟢③子ども食堂のあり方🟢🟢

　現在、子ども食堂は、行政や国の事業として、助成金などを受け取ることができるものとなっています。しかし、子ども食堂が、ボランタリーな活動であることの必要性を、近藤さんは伝えてくれました。

　「ボランタリーな活動は、その余裕の部分でやるような形が１番だなと思います。長年やってきたので、そういう活動で細々とやるのが長続きするのかなと思ったり。」と近藤さんはおっしゃってくれました。近藤さんは、八百屋さんを営業しており、そこから得た収入を子ども食堂の活動に充てているそうです。そのような「余裕」の部分で行うことで、負担に感じたりすることなく、長く続けることができるといいます。

　また、助成金をもらうために行われる評価に関しては懸念を示していました。

「助成金は評価が入ってしまうじゃないですか。どうしても。到達点をどうするとか、数であったりとか、そういうことも求められたりするんですけど。人と関わることって数では絶対に評価はできなと私は思って。」

「たった一人だけでもここに来て、その人がやっぱり良かったとか、もう少し頑張ろうとかなと思ったりとか、わたしはそれで十分意味があると思います。」

　この言葉を聞き、忘れかけていた子ども食堂の重要な役割に気づくことができました。そして、子ども食堂がボランタリーな活動であることの必要性を感じました。子ども食堂が、収益性を持つものとなったり、組織的に行われるものになってしまえば、「人と人とがつながる場所」「人のあたたかさに触れる場所」ではなく、単純に「助けられる人が困っている人を助ける場所」に変化してしまうと思います。子ども食堂が、「人の良さに気づける場所・人のあたたかさにふれることができる場所」であるためには、やはりボランタリーで自由な活動であることが必要であると感じました。

🟢🟢④コロナ禍を通して🟢🟢

　長年子ども食堂を運営してきた近藤さんですが、コロナ禍での子ども食堂の変化は、良いこともあったといいます。

コロナ禍によって、現在は食堂でご飯を食べていってもらう形から、お弁当の配布という形をとっているそうですが、お弁当の配布により、以前よりも各家庭の環境を知ることができているといいます。

コロナ前は、親と来る子どもがほとんどおらず、「家庭があまりみえていなかった」といいます。しかし、コロナ禍になってから、家族も一緒にお弁当を取りにきたり、お弁当を渡す際に一人一人個別に話すことができ、各家庭の状況が見えてきたといいます。そういった面ではコロナ禍によって、より深く子ども達・家族と関わることができるようになったそうです。

～終わりに～
今回のインタビューを通して、これまで自分が考えていた「子ども食堂」の知識を大きく捉え直すことができました。特に、「子ども食堂は貧困を解決するツールではない」「人の優しさに気づくことできる場所、それが子ども食堂」ということが印象に残っています。テレビやニュースなどを通して、子ども食堂＝貧困を解決する手段と捉えてしまいがちです。しかし、子ども食堂を貧困を解決するツールとして捉えてしまうことで、本来子ども食堂が持つ「人とのつながり・助け合い」を壊してしまう危険もあります。
子ども食堂のあり方について、もう一度捉え直していきたいと感じました。