読んでよかった本 #1

社会人になってからn年、個人的に読んでよかった本を蓄積していく。

ルール・前提
・「読んでよかった」≠「役に立った」
・なんだかんだでビジネス書が多め
・3冊書いたら次のnoteへ(1記事が長すぎないように)
・あんまり時間をかけないため、書評的なのは短めに、引用多めに

①中根千枝『タテ社会の人間関係』講談社, 1967年

こういう読んだ本を改めて振り返るとき、必ずトップバッターに挙げる本。
約60年前の本ながら、書いてあることは目の前の会社の実情と変わらない。
歴史ある日本の大企業と関わる機会があるなら必ず読んだ方がいい本。

簡単に言えば、社会集団の構成は「資格=ヨコ」か「場=タテ」の共通性により形作られ、日本の集団は多くの場合「タテ」によるもの。これはエモーショナルな絆によって維持され(維持せざるを得ない)、集団の孤立性を高め、「ウチ」「ヨソ」というともすれば排他的な意識が強く働く、というもの。(書籍の前半部分)

ちなみに手元の本は2017年に購入した本だが、第128刷。

エモーショナルな全面的な個々人の集団参加を基盤として強調され、また強要される集団の一体感というものは、それ自体閉ざされた世界を形成し、強い孤立性を結果するものである。ここに必然的に、家風とか社風とかいうものが醸成される。そして、これはまた、集団結束、一体感をもり立てる旗印となって強調され、いっそう集団化が促進される。

46頁

日本人は、たとえ、貧乏人でも、成功しない者でも、教育のない者でも(同等の能力をもっているということを前提としているから)、そうでない者と同等に扱われる権利があると信じこんでいる。そういう悪い状態にある者は、たまたま運が悪くて、恵まれなかったので、そうあるのであって、決して、自分の能力がないゆえではないと自他ともに認めなければいけないことになっている。

100頁

②デビット・アレン『ストレスフリーの整理術』二見書房, 2015年

タスク管理に関するノウハウ本で、著名な「GTD(Getting Things Done)手法」の思想・具体的なシステムについて解説している。
全ての物事を、その粒度・状況によらず1つの体系的なGTDシステムの中で処理するという発想で、そのシステム全体を取り入れるのは実際難しいが、「2分で出来ることは今済ませる」など一部だけの取入れでも十分効果があると思う。

リラックスしながらも生産性を発揮するためのカギはふたつある。
ひとつは求めるべき結果を明確にし、その達成に近づくために次にとるべき具体的な行動を定義することだ。もうひとつはそれらを定期的にレビューするためのリマインダーを信頼できるシステムに組み入れることである。

69頁

③川村隆『ザ・ラストマン』KADOKAWA, 2015年

日立が8,000億円の赤字を出した直後の社長で、日立再建を主導した方の著書です。
個人的には仕事はこの「ラストマンシップ」と「インテグリティ」をもってあたれるかが最も大事だと思ってます。

「この工場が沈むときが来たら、君たちは先に船を降りろ。それを見届けてから、オレはこの窓を蹴破って飛び降りる。それがラストマンだ。」

14頁


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