診断士一次試験:使用教材の選び方

この記事のサマリ
・中小企業診断士の一次試験では幅広な知識を問われ、また蓄積ある資格試験のため、一次試験に沿った(対策した)教材を用いることが必須である
・しかし、各予備校や団体・出版社が多種多様に教材を出版・販売している。同じ試験範囲を前提に作成しているため内容も似通っており、確固たる理由をもって教材を一意に選び取るのが難しい
・そのため、インプット教材・アウトプット教材を選ぶにあたっての個人的な観点について簡単に述べる
 ー インプット教材を選ぶ際の観点は何か
 ーアウトプット教材を選ぶ際の観点は何か

※ただし、試験合格までに検討すべき論点としては、あまり大きな影響はないことにも留意したい

この論点の重要度・位置づけ

1次試験を走り切るにあたり、大小様々な論点について検討する必要がある。
「独学か、予備校か、間を取って通信か」「マイルストーンをどこに設定するか」「各科目何点目標とするか」といった類のものだ。
それら論点を、「勉強生産性への影響」×「個人差の大きさ」でマッピングし、論点への向き合い方を整理したのが下のマトリクス(ドラフト版)となる。
今回の「使用教材を何にするか/どのように選ぶか」は、「半分”決めの世界”」に該当すると考える。向き合い方の方針は「大外ししなければOK」

そのため、この記事では(くどいくらいに)手厚めにつらつら話を進めているが、正直言ってそれほど重要な論点ではないと考える。

「大外ししなければOK」の論点

※ドラフト版です

いうなればフィーリングで決めてしまってもいいと思うが、とはいえ「半分」(少し?)は考えないといけない。その際の、教材選びにおける観点が今回の実質的なメインテーマになる。

一次試験に沿った教材を用いることが必須

説明不要だと思う。
ほとんどの科目は学問として成立するほど膨大なため、資格試験に特化した教材を用いないとものすごく非効率になる。
息抜き程度に資格試験テキスト・問題集を離れ、参考になりそうな(でも、生産性の悪そうな)関連書籍を読むのは良いかもしれないが、あくまで「たまに」やるのがいい、というお話。

企業経営理論に学習内容として登場するバリューチェーンの出典はM・ポーター『競争優位の戦略』(のはず)だが600ページある。
マーケティングを体系立てたとされるコトラーの『マーケティング・マネジメント』は1,000ページある。
読破すれば間違いなく参考にはなるが、恐らくその時間で1科目勉強できると思う。
運営管理に関連する『トヨタ生産方式』は200ページ程度で手ごろかもしれないけど、、、

また、各科目の試験範囲は公表されているが、それによって「どれくらい手広いか」はわかるものの、「どれくらい深い」知識やその理解が問われるかはなかなか受験生には分からない。
過去の試験問題を分析し整理した資格試験専用のテキストでないと、その分野の専門家でもない限りは把握できない。

資格試験に合格するにはそれ専用の教材が必要だし、関連する書籍を読みたければ合格後、あるいは勉強時間の完全に「外」として読むのがいいのかもしれない。

教材が多すぎる問題

大きな書店に行くと、なんだかんだ中小企業診断士関連の書籍はたくさん並べられている。
私の場合は以下教材を候補に選んだものの、はっきり言ってすべてを丁寧に吟味したとはいいがたい。
そもそも同じ試験を対象にしたテキストなので、内容は似たり寄ったりに決まっている。冒頭に書いたとおり、よっぽど大外ししなければ何でもよいだろう。

候補に挙がったテキスト・問題集。奇をてらったものはなく、王道です。
【インプット教材:テキスト】
TAC『最速合格のためのスピードテキスト」
TAC『みんなが欲しかった! 中小企業診断士の教科書』
LEC『出る順中小企業診断士FOCUSテキスト』
大原『1次試験 合格テキスト』
野網 美帆子『1次試験一発合格まとめシート』
・同友館『ニュークイックマスター』
・STUDYing 1次試験合格テキスト

【アウトプット教材:問題集】
TAC『最速合格のためのスピード問題集』
TAC『最速合格のための第1次試験過去問題集
同友館『過去問完全マスター』

インプット教材から1冊・アウトプット教材から1冊が最低ラインとして、人によってはいわゆるサブテキスト=副読本をつかったり、時間に余裕ある場合には問題集を厚くしたりと色々カスタマイズはできる。

使用教材の選び方

①テキストは『スピテキ』、問題演習教材は『過去問完全マスター』を活用
②効率的な暗記・理解促進のために、『要点整理ブック』(PDF版)を合わせて活用

ようやっと本題です。長くてスミマセン。
一応上が私の決めた結論。一応。
教材選びをされた方はわかると思うが、全くもって特別な教材ではない
というか、恐らくそれぞれ一番売れている教材なんじゃなかろうか。

つまり、身も蓋もない話、大きな書店に置かれてる一番売れてるっぽいモノ・人気っぽいモノを買えばいい
合否結果に影響しないとは言わないものの、勉強方法等に比べればあまり大きくない。(⇒大外ししなければOK)

実際、①②の教材と模試だけで一次試験はなんとかなった。あまり手を広げすぎず、だいたい350時間くらい?で次に進むことができたのは、教材を増やし過ぎなかったことが最大の成功要因だと考えている。

とはいえ「これ一択!」状態ではないので(個人的にはほぼそうなのだが)、参考となりそうな情報、特に選ぶ際の観点を中心に書いていく。
一応ね。

突然登場した『要点整理ブック』は一旦置いておく。
これは簡単に言えばスピテキの要約版で、試験当日に持っていくようなポケットサイズの書籍。これをメインテキストとしていたわけではないが、一応使ったといえば使ったので。
またあとで(別の記事で?)使い方について書くことにしたい。

インプット教材選びの観点①:索引があるか

結論、どのテキストを選んでも合否にあまり影響しないと思うものの、
診断士試験に限らずだが、索引がある教材を選ぶべきだと思う。
たまにあるよね、索引ないテキスト。ST○DYing、お前のことだぞ

なぜかというと、問題演習の復習効率が変わってくるから。
例えば、見たことはあるがそのキーワードの意味を十分に把握できておらず、テキストに立ち返って確認したい、、、ということは多々発生する。
このとき索引があるかないかでテキストの該当ページにたどり着けるスピードは全然違う。

ほとんどの教材はクリアしているが、ノックアウトファクターとして確認しておきたい条件だと思う。

ちなみに
上記S○UDYingの話は、「紙媒体テキスト」の話です。私の認識が間違ってなければオプション品のはず。
要はそもそもデジタルテキストで、ワード検索等もデジタル上であれば簡単にできる、そういう話なのだと思われる。


インプット教材選びの観点②:組織的に作られたテキストか

「索引の有無」は、ほぼ誰にでも当てはまる条件。のはず。
ここからは個人的な主観が結構入り込む。

2つ目の条件として、一定規模の組織がリソースを投下して作成したテキストを選んだ。それっぽく書いてるが、要は「予備校作成のテキスト」と同義である。

理由も簡単で、ちゃんと過去問の分析がなされていて、蓄積されているから。そして、品質担保のレベルが高いと思われるから。

具体的にはTAC / LEC / 大原など各予備校がテキストを出している。
この中なら、正直どのテキストを選んでも変わらないと思う。
細かな違いはあれど、学習内容にほとんど差はないはずだからだ。

もう少し掘り下げると、その理由は「過去問が先、テキストが後」(と私は思っている)だからだ。

先ほども書いたが、資格試験なので出題範囲が毎年公開されているものの、1科目1科目がそれぞれ学問として膨大な蓄積があるようなシロモノだ。深く入り込もうと思えばどこまでも入り込める。
高々300~400ページに1つの学問を要約して入れ込むにあたり、「中小企業診断士として獲得しておきたい知識レベル」といった曖昧な基準でテキストが作られているはずもなく・・・結局は「過去問で問われたから」テキストへ掲載されている、というのが実情だと思っている。というか99.9%そう。

過去問は当然ながら公開されている。
同じものを対象に分析し、組織的に(≒多面的に/品質担保されつつ)分析され、そこからテキストを作るのだから、各予備校ほとんど同じ内容になるはず。
そのため、好みで決めてしまっていいと考える。

もし本当にどれでもいい/決めかねているなら、TACのスピテキが一番有名だし、それで・・・というレベルで決めてしまっていいと思う。

インプット教材選びの観点②:薄すぎない/分厚すぎない

3つ目の条件として、薄すぎるテキストは選ばなかった
これも判断が分かれる基準だと思う。というか、薄いテキストを選ぶのが一般的だとは思う。
例えば「合格点60点を取れる範囲に掲載内容を厳選」と謳われたテキストは、発想としては最も合理的だし、実際60点取れるのだと思う。完璧にテキストをマスターできれば。

60点を目指す勉強というのは個人的には逆に結構難しいと思うが、
それは一旦置いといて、
個人的に考える薄いテキストのデメリットは、
(メリットももちろんあるが大量に語られているので割愛)

以下、有料設定ですが、単純に下書き中です。完成後には有料設定を外すので、購入しないでください(下書きを先行して読みたい方もいらっしゃらないと思うので・・・)

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