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前世療法で見るものは前世ではなく脳の〇〇(2)

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この記事は私のYouTube動画を書き起こしたものです。同じ内容を動画でご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
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(承前)

結論から言うと、前世療法で人が見るのはほとんどの場合、「脳がその持ち主のために作ったオーダーメイドの処方箋物語」だと思っています。何か問題が起きたときに、その問題の本質をつかんだり解決策を見出したりするためにその人にとって最も分かりやすい筋道をその人の脳が物語として体験させるんですね。つまり、脳が私たちのために作り出すオリジナルのシナリオです。「BrainScenario」なんです。

人間は事実をただ言われるより、物語としてプレゼンされた方が深く理解できるという特性があるんですね。たとえば、運転免許の更新の教習にいくと、交通事故の犠牲になった遺族の方の話が必ず出てきますよね。事故現場の生々しい映像や、遺族の方の悲痛なインタビュー、幼い子供を事故でなくしていかに悲しい思いをなさったかといった切々とした思いがVTRに入ってますよね。で、あれを目にすると、「ああ、本当に気を付けて運転しないといけないな」って改めて気が引き締まりますよね。でもあれって実は、情報としては「交通法規を守りましょう」としか言っていないんです。でもそのひとことだけだと、見ている我々にはぜんぜん響かないわけです。だから当事者になった方の視点も交えて、ひとつのストーリーとして提示するわけです。

前世療法の場合は、課題を解決するために必要なことを理解するためのストーリーを、自分の脳が勝手に紡いでくれるわけです。もちろん、セラピストが、そのために必要な特定の意識状態にお客さんを導いて、かつ、適切に誘導することが条件ですけども。人の脳ってほんとうに素晴らしい、恐るべき能力を秘めているんですよね。ふだん全然使いきれていないんですが。

具体的に言うと、たとえば、別の動画で、魔女狩りにあって志半ばで殺されてしまった錬金術師の前世についてお話しました。「何をやっても楽しくない、やりがいを感じられないんだけどどうしたらいいか」というのがその時の前世療法のテーマでした。

そのセッションで私が得たものはたくさんあったんですが、そのうちの一つが「錬金術の研究がしたいという、内側からマグマのように湧いてくる欲望」だったんです。もちろん、21世紀の私は錬金術そのものには大した興味はないわけですが、「研究したい、命や世界の秘密を知りたい」という子どものように純粋な強い思い、これは、内側から湧いてくるものに触れたことで、自分がかつて、子どもの時にはそういう望みを抱いていた、でもそれをいつしか忘れて、封印してきたことを、前世という物語を疑似体験することで突き付けられて、自分の感覚として実感したわけです。それでもう観念して、その後社会人大学に入りなおして、別のキャリアを歩むことになったわけです。これが前世療法ならではの大きな効果なんですね。

この悩みを、前世療法以外の方法で何とかしようとしたとします。たとえば、同じ悩みを、占い師やチャネラーさんに相談したとしましょう。すると「あなたは学問が向いています、研究をするといいですよ、きっと楽しくてやりがいを感じられるはずです」などのアドバイスをくれるわけですよね(腕のいい人なら)。

でも、そんなことを誰か自分以外の人に言われたところで、どうですかね。それで心の底から強い感情で揺さぶられて「よし、やろう!」ってなりますかね?私、占いも好きで、過去に数限りなく受けてますし、かなり腕のいい方に見ていただいてきましたけど、そういう、大きく自分を変容させてくれるような体験は一回もなかったですね。

でも、前世療法だと、毎回内側から本当に腑に落ちて、深く納得するがゆえに、自分の行動を変えざるを得ないような気づきがあるわけです。だって、自分に言われたら、自分からは逃げられないですよね。よく「こたえは自分の中にある」といいますが、本当だったんだなと、前世療法をやるたびに思いますね。

ただ、前世療法ももちろん万能ではなく、弱点や欠点があるので、それはまた別の機会にご紹介したいと思います。

それから、私は今のところは前世の存在に懐疑的な立場ではありますが、かといって完全に否定するわけでは全くありません。「前世療法のセッションの99%くらいは前世ではなく脳のシナリオを見ている」んだと言いましたが、なかには、ごくまれにですが、どうしてもそれでは説明しきれないようなケースがあるからです。これについてもまた別の機会に詳しくお話しできたらと思います。

以上です。ありがとうございました。


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