トルコ人と結婚する時に知っておきたいこと
はじめに
最近、友人や会社の同僚たちのなかでも、国際結婚のご夫婦を見かけることが増えてきたように思います。かく言う私も実はその1人、夫はトルコ人です。
トルコはアジアとヨーロッパの間に位置しています。イスタンブルやカッパドキアなど、日本人にも人気の観光名所を多く持つ魅力的な国です。しかし、日本からは飛行機の直行便でも半日ほどかかりますし、日本に住むトルコ人もそう多くはありません。
親日国とはよく聞くけれど、実際のところ、多くの日本人にとって、トルコは「よく知らない国」なのではないでしょうか?
ここでは、そんな異国の人と恋愛して結婚した私が感じる、トルコ人と日本人のさまざまな「お付き合い」の違いについてお話したいと思います。
トルコ人と日本人の「お付き合い」の違い 3選
●親族とのお付き合い
トルコ人は家族や親戚をとても大切にします。
もちろん日本でも親族とのお付き合いはありますが、トルコ人の考える「親族」は、日本人の考えるそれとはちょっと違います。
両親、兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者、その配偶者の両親や兄弟姉妹、その兄弟姉妹の子供たち…トルコ人の感覚では彼らはみんな「親族」です。自分から遠い繋がりであっても、彼らにおめでたいことや不幸があった時には、できる限り家を訪ねたり、できないときでも電話やメッセージを入れたりします。
私の夫は日本に住んで4年になりますが、その習慣はまったく変わっていません。家族とは週に1回以上必ずテレビ電話をしますし、とあるトルコの祝日のときには、親族総勢20世帯でオンラインパーティーをしたこともありました。
夫が私に同じことを強制することはありませんが、ちょっとだけでも家族との通話に顔を出したり、誕生日のお祝いメッセージを送ったりすると、夫からも夫の家族からも異常なまでに喜ばれます。
こちらも嬉しい気持ちになるので、トルコ人家族の濃いコミュニケーションに(たまに)参加するのはおすすめです。
●宗教とのお付き合い
日本人は宗教に関する関心が薄いと言われますが、トルコ人にとっての宗教は、関心ごとのトップ3にランクインするほどの大きな話題です
(ちなみに、その他の2つはサッカーと政治です)。
結婚届を出すときにも宗教を書く欄がありますし、義家族からも「あなたの宗教は何?どんな教えなの?」と聞かれたことがあります。
トルコ人の99%はイスラム教徒(ムスリム)と言われています。私の夫や義家族もみんなムスリムです。
とは言っても、トルコは日本と同じ政教分離の国なので、イスラムの教えを守らなかったからといって、国からなにか罰を受けると言うことはありません。あくまで自分自身と神様(アッラー)の間だけでの約束ごとなのです。
イスラム教では結婚について基本的なルールがあります。それは、ムスリムはムスリムとしか結婚できないというルールです。ただ、前述したように、トルコでは国家と宗教は別のものという考え方なので、イスラム教徒同士でなくても結婚はできます。イスラム教上でも結婚(いわゆる「宗教婚」)をしたいという場合には、イスラム教への改宗が必要になります。
改宗する・しないは個人の自由、というのは建前で、実際のところは相手の要望によるところも大きいです。絶対にムスリムとしか結婚しない!という人もいれば、キリスト教徒ならOK!という人もいますし、改宗しなくてもいいよ〜という人もいます。同じムスリムでも考え方は人それぞれなので、結婚する前にパートナーの考え方を知っておくことはとても大事です!
次に書きますが、イスラム教に改宗すると日常生活もかなり変わるので、ちょっと先のことも考えながら、自分がどうしたいのか、心の準備をしておくと良いと思います。
●食事とのお付き合い
自分がイスラム教徒になってもならなくても、パートナーがムスリムである限り避けられない壁があります。それは「食事」です。
日本で生活することを考えているならなおのこと、これが3つの中で一番大きな壁かもしれません。
イスラム教では「豚肉」を食べてはいけないことになっています(正確にはアルコール類もNGですが、お酒はトルコでも普通に売っていますし、飲んでいる人も多いです)。
一方、日本人は豚肉をとてもよく食べます。ソーセージ、ハム、ベーコン、豚骨ラーメン、ハンバーグ……他にも、ポテトチップスやゼリー、グミなどのお菓子にも豚由来の原料が使われています。ムスリム視点で見ると、日本のスーパーやレストランで食べられるのは、本当に限られたものだけなのです。
ここ数年は、ヴィーガンやベジタリアンの人も増えてきたので、ムスリムの人もいくらかは食事が楽になったのではないかなと思います。まだ数は少ないですが、ムスリムに対応したメニューを置いているレストランもあります。
我が家の食卓では、大豆ミートが大活躍です。乾燥タイプだと常温で置いておけるし、お湯で戻してすぐに使えます。ミートソースや麻婆豆腐なども豚肉なしで作れるので、レパートリーが増えて夫(調理担当)も大喜びです。
もっと食べ応えが欲しいときには、厚揚げやお麩を使ってみてくださいね!
まとめ
ここまで読んでいただいて……
国際結婚って大変そうだなと思いましたか?
トルコ人との結婚生活って考えなきゃいけないことが多いなと感じましたか?
生まれた国も、育った文化も、話す言葉も全然違う2人が、あるときから同じ屋根の下で暮らしていくわけですから、カルチャーショックなんて日常茶飯事です。ここだけはどうしても分かり合えないなと思うことも結構あります。
でもそれって、国際結婚に限ったことではないと思うのです。
他の国の方とでも、日本人とでも、多かれ少なかれ価値観の違いはあります。共同生活を通じて、お互いに歩みよったり、譲歩したり、尊重したりしていく過程が「結婚」だと私は思うのです。
あなたとトルコ人パートナーのために、この記事がほんの少しでもお役に立っていたらとても嬉しいです。
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