不安。折れそうになる。だけど間違ってない。

瑆です。

今日、大学の友達とこんな話をしていて。
その友達のバイト先に、50代の男性社員がいるらしい。割とおとなしめな、アニメとか好きな感じの人。30代くらいに見える。
なんやけど、その人(結婚歴なし・独身)には20代の彼女さんがいるらしい。しかも、その彼女さんにとって、男性社員の方は初彼になるそうで。
その友達自体は仲良い子なんやけど、「正直気持ち悪い、ありえへんって思った」「初彼がそこまで年齢離れてたら、結婚観とか恋愛観が歪みそう」「結婚歴ないって、絶対何か問題あると思う」とか、割とはっきりその人たちに対して思ってることを私に言ってた。
私もそれに近いんやけどな、と思いながら、その話を聞いていた。「本人たちがいいならそれでいいんやない?幸せやなって思ってはるんなら」とか言ったけど、自分の気持ちのために言ったかもしれない。
だってそれを聞いた時、「おう、そうか…」って一瞬思ってしまったから。当事者側に近いというか、当事者側なのに。

当たり前といえば当たり前かもしれないけれど、私は今付き合っている人のことを、誰にも言っていない。学内の子たちは、先輩後輩として仲が良かったことは多分知ってるけど、まさか本当に付き合ってるとは思っていない(絶対に知らないってわかる発言があったから)。
もちろん、両親にも、誰にも。

やっぱり、偏見というのはあるんだろうか。
あるんやと思う。
まだ付き合っていなかった時、それとなく、仲良い先輩でこんな人がいて、って母に話したらものすごく引かれた。同年代の、同じ学科の友達と仲良くしなさいって。
私は自分達と似たような感じの人たちを見て、さっきみたいに思うことはあるけど、当人たちが幸せで、何かあっても責任を取れるなら、自由じゃないかと思っている。
私はこの人と一緒にいる時の素直な自分が好きだし、何時間でもなんでもないことを話していられるあの時間が贅沢で、大切なものだと思う。何をするでもない休日は、何度過ごしても特別なものだ。偽っている感覚がなくて、自分が好きなことを好きと言ってもいい。普通の人として振る舞わなくていい。そうか、って受け止めてくれはる。どこかなにかが足りないもの同士、いろいろなことにおいて似たもの同士だからこそ、一緒にいて楽だ。人からどう見られようが、その時間は貴重。とても、貴重。そして同じように思ってくれてはるといいと願う。
小麦色の肌も、さらさらの黒髪も、大きな優しい瞳も、笑うとできる目尻の皺も、ほうれい線も、少し薄い唇も全部好き。コンプレックスなのかなって思ってはるところも全部大好き。そこに偽りはない。
でも、周りから見たらやっぱりそれは違う。おかしかったり、嫌悪感を抱いたりする人もいる。お金目当て、若い人目当てって。

そんなのわかってるんだよ。私だって先輩がその職業じゃなかったら少し躊躇していたかもしれない。こうなっているのは、私が若いからだけかもしれない。
最初はありえないって思った。そこまで歳が離れた人に恋愛感情を抱く自分はおかしい。間違ってる。
多分先輩は私以上にそう思っていたに違いない。後輩の顔を覚えなかったのは、そもそも覚えられないのもあるし、覚えていたら嫌悪感を抱かれる可能性が高かったから、らしい(だから私の友達の顔もあんまり区別ついてなくて、「挨拶したら、『あの子の友達?』って言われた。あの子って瑆やんな?」って友達が言っていた)。今でも駅前に行くときは、誰か(学校の人間が)いるかもしれないけどいいの、って聞かれる。卒業しはった今は、一緒にいることに対して、先輩後輩っていう言い訳ができひんから。
もし見つかったら。見られたら見られたでいい。話してわかってもらえたら嬉しいし、ダメなら距離を置くだけ。
そう思ってるけど、みんな大事な友達。嫌われたくない。

ネット以上に、世間の目っていうのがリアルに突きつけられてしまった。好意的な反応で、瑆らしいねって言ってくれる人は皆無に近いかもしれない。私みたいに、おう、そうかって一瞬びっくりすると思う。それで受け入れてくれたら御の字。
今のところ、明かせると思っているのはたったひとり。それとなく話してみたら、いいんじゃない、って言ってくれた。彼女なら信頼できる。

もちろん世間の反応はそんなものだ。私だって最初はびっくりする。
人の目を完全に気にしないなんてこと、私にはできない。裏を読んだり察したりできないから、特に。実際どう思われてるかを考えるのが苦手。

講義室で、クラスメイトのリアルな恋愛の話を耳にするたびに、心臓がきゅ、となる。彼氏いないのって聞かれて、いないよって笑って答えるたびに。
大好きなのに。大好きなのに。温くて生きているのに。なんでいなかったことにしてしまうんだろう。
なんでもない話をして、一緒にごはんを食べておいしいって言える時間は誰にも明かさずにしまっておきたいのに。矛盾してる。
いるって言って、どんな人って聞かれて、正直に答えた時の反応が怖いんだよ。
そして一番嫌いなのは、普通に同年代と付き合っていたらこういう感じなのか、って比べてしまう自分自身だ。

私がどうこう言われるのは、別にいい。考え方が合わないだけだし、って割り切ってる。
私が好きな人とか、大事にしているもののことを悪く言われることは、例え友達であっても許せない。嫌だって思われるかもしれないのが怖い。
何も知らないでしょ。遠すぎるわけでもないけど、決して近くない距離を、時間をかけて私に会うためだけに来てくれること。どれだけしょうもない話でも、興味がないかもしれない話でも、笑って聞いてくれること。優しく抱きしめてくれること。少しのことでも気遣ってくれて、何か断っても絶対に不機嫌になったりしないこと。あなたが来てくれるだけで嬉しいって言ってくれること。他の後輩の前ではクールに見えるのに、私には甘くて優しいこと。上手に生きられないことを、答え合わせでもするみたいに話した時間のこと。
何も知らないのに、ただイメージだけで言わないでよ。

こうやって大声で言えたら。

世間のことを考えると、思った以上にしんどい。引かれるのは怖い。
でも、一緒に過ごす時間が幸せで、普段何気ない時に思い出して元気をくれる人なら、誰が言おうと間違ってないと思う。

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