見出し画像

6月19日水曜日〜6月25日火曜日の日記

またまた日記更新が遅れてしまいました。
今週は子どもとふたり、東京旅行へ行きました。
子どもが不機嫌になることがおおく、それはなぜだったのか、ふりかえり反省。
でも、友人たちのおかげでとても楽しかったです。

六月十九日(水) 晴れのち曇り

朝、帰りにアイスを買おうと子どもと約束しておいた。

美容室。マッサージが上手すぎるアシスタントの人に驚き、思わず名前をきいてしまった。(しかし、メモするのを忘れていた)

帰りにジュンク堂へ。
福田(ジュンク堂に勤める友人・高校の同級生)に取り寄せをお願いしていた写真集を受け取る。やっぱりとても素敵だった。うけとってウキウキする。

それと、高校の同級生の山田の本をやっと買う。
ぱらっとめくったが、あいかわらず意味のわからないことばかり言っていて笑う。山田が意味不明な話をしているのを聞くのが好きだったのはたしかだ。しかし、そんな山田が今では大学で何かを教えているとは。いろいろ信じられない。

帰宅した子どもが、また学童のおやつをくれた。
いつも、「ママがすきそうなのがあったよ」と言ってのこして帰ってくる。
割れないようにつぶれないように、大切に学童のノートに挟んで。

自分でぜんぶ食べたらいいのに、というと「ママのことが大すきだから」という。いつもわたしのことを思い出してくれているんだな。

六月二十日(木) 雨

うちの前の家の建て壊し工事がもうすぐ終わりそうだ。
数ヶ月かけて建てられた家が数日でなくなる。
壊すのはほんとうにあっという間。

ストレッチ後、スタバで作業。文字起こしの整理。
図書館に関連本を予約している。取りにいかねばならない。

お昼すぎ、コンビニで昼食を買って帰る。雨はそんなにひどくなかった。

帰宅すると、家の中からおいしそうな匂いがした。
相方がペペロンチーノをつくっていた。

「笠原さんのレシピだよ」といった。最近ハマっているらしい。
会心の出来だったようで、「ひとくちいる?」と言われたのでもらうと、すごくおいしかった。相方は反応を見て、満足そうにしていた。

学童で30分ほど過ごした子をピックアップしてピアノ教室へ。
子ども、「歯がぬけそうだよ」と言っている。
前歯(二本とももう大人の歯になっている)の隣の歯がぐらぐらしている。

この時、すこし雨が降り出していた。
ピアノが始まったら、一時間自由時間になるのがうれしい。
週末の東京旅行のためのおみやげを買う。

ピアノ教室がおわると、やはりマックシェイクが飲みたいという。
結構な雨が降る中マクドへ向かい、子どものシェイクだけを買って車にもどる。

雨のせいか渋滞していて、帰宅が19時過ぎになってしまった。

相方が準備してくれていた夕飯を食べているときに、「歯がぬけた!」と子ども。子どもの予感はあたっていた。

六月二十一日(金) 昨夜の大雨がうそみたいな晴れ

朝ストレッチ、キックボクササイズ。

朝、相方と都知事選の話。
小池さんの学歴詐称疑惑の話。
「上手いよね」(褒め言葉ではない)みたいな人を担ぐのはやめた方がいいんだと思う。ほとんどのことにおいて。

文字起こしの整理を今日中に終わらせたい。
近所のスタバに行く。

取材内容に関連して、動物実験について調べて衝撃的な文言を目にし、一分ほど思考が停止してしまった。顔をあげ、いつものスタバの店内を見るともなく見る。
人間っておそろしい生き物だな、と思った。

取材の中で『ジャングル大帝レオ』の話も出てきた。
手塚治虫作品は家にたくさんあるので(相方が好きなのだ)、あるかとメールできいた。ジャングル大帝はない、という。

図書館に行ってみたけれど、最寄りの図書館にはなかった。
予約していた資料本を4冊借りて帰る。

定食屋の前を通り過ぎようとしたら、定食屋のお姉さんに呼び止められる。
猫の話。
昨夜の大雨で子猫たちが心配になり、わざわざ見にきたそうだ。
近くに住んでいるのかときくと、近くない、と。

お姉さんに、以前このあたりにいた、人なつこい黒猫(うちで一時保護していたあばれるくんと野良ミケの兄弟)がずいぶん前に死んでいたという話をきく。
車にはねられていたのをお姉さんが発見して、埋めたらしい。

うちの子が抱っこできるくらい警戒心がなかった。
誰かに引き取られたのだと、幸せに暮らしていると勝手に思っていた。
子どもには言えなかった。

文字起こしの整理は終了。
子どもをなんとか寝かせ、明日からの旅行の準備。

東京で会う人の人数を慎重に数えて、お土産セットをつくる。
足りていますように…(8人と会う予定のはず)

六月二十二日(土) 福岡・雨(東京・曇り)

いつもの時間でいいよ、と言ったのに、子どもは朝5時ごろに起きてしまった。なんとかもう一度寝せる。
結局、子どももわたしもいつもよりはすこし早めの時間に起きた。

今日は運動(ランニングなど)できない。朝トレだけやる。
それから身支度をしていたら時間が迫ってきて焦る。

7時50分ごろ家を出た。
8:20ごろ空港着。すぐに保安検査場へ。既に長い列ができていた。相方とそこで別れた。9時の便なのだが、9:20時点で離陸せず。

子どもは(赤ちゃんの時乗って以来)はじめての飛行機。各席にタブレットのような画面が設置されているタイプで、わたしも乗るのが初めてだった。子どもにも操作しやすくて助かる。イヤホンを借り、子どもはさっそくアニメを観ていた。はじめての飛行機より、いつも観ているドラえもんに夢中になっていた。

離陸して、雲の上を子どもと見た。これが一緒に見たかった。

今日の予定。
吉祥寺駅に着いたらコインロッカーに荷物を預け、イオさんと合流してお昼を公園で食べる。下北に移動して、日記屋月日さんに行く。(日記本が本当に置いてあるのかの確認)
荻窪の本屋Titleさんへ。その後吉祥寺にもどり、TONE(セレクトショップ)へ。TONEを見ているあいだ、子どもとイオさんには近くのクレヨンハウスにいてもらう。
夜は吉祥寺駅近くのお店でライター仲間たちと夕飯。
その後、ホテルにチェックイン。(ホテルは吉祥寺駅そば)

羽田到着が遅れ、吉祥寺行きの直行リムジンバスには間に合わなかったが、ライター仲間たち(というかかおるん)からのアドバイスで「絶対バスがいい!」というのと、「新宿バスタ経由がわかりやすい!」というのでバスタを目指すことに。
羽田空港のバスカウンターのお姉さんは「必要以上のことをきかないでください」という姿勢だったが、なんとかチケットを無事に買えた。
羽田から新宿へも、新宿駅から吉祥寺へも、バスタのおかげですごくわかりやすく、スムーズに移動できた。

吉祥寺駅でイオさんと合流。イオさんはコインロッカーを見つけてくれていたので、そこに預け入れ、ライター仲間のユイさんと娘ちゃんとも合流し、駅でそれぞれお昼を買う。

ユイさんとわたしは体質改善仲間なので毎日毎日連絡し合っていて、まったくひさびさ感なし。二人とも、お昼にサラダを買う。井の頭公園で食べる。
子どもはパンダの形のチョコクリームパンを。
イオさんはでかいソーセージが挟まったホットドッグを食べていて、ユイさんの娘ちゃんはのり弁を食べていた。バリエーション豊か。

暑いのを覚悟していたのだが、曇りで、風があって涼しい。
昨日の東京はとても冷えたんだよ、今日でよかった、とイオさんが言った。

井の頭公園からすでに怪しかったが、子どもは不機嫌を発動していた。下北でも「ぼくここ行きたくない。なんで行かなきゃいけないの。理由を言って」などと言っていて非常にめんどくさい。(朝はやく起きすぎて眠いのでは…?と思った)

月日さんに自分の日記本が置いてあるのを指差し確認し(目的はこれだった)、本を一冊買い、お店の方に手みじかに挨拶をして、発酵デパートメントでみりん粕をつかったソフトクリームを買い、子どもに与え(一口もらったらおいしかった…)ボーナストラックを出た。あっという間。

通過駅で、これまたプログラム仲間でもあるライターのかおるんと合流。子どもの機嫌をおちつかせるため、お店にカフェがあるから、そこでお茶して休憩しよう、となだめていたのだが、カフェを覗いてみたところ、お店の方に「満席です」と言われる。

それを見ていたイオさんは、近くに良いお店がないか探しに行ってくれた。わたしは子どもをつれ、隣のセブンイレブンに行き、カルピスを買い与えてなんとか場を繋ぐ。
すこしおちついたので店内に入り、子どもは「たぷの里(サイン入り)」、わたしはよしもとばななさんの日記本を買う。

イオさんから「お店を見つけた、席も確保した」と連絡あり。
ユイさんたちとはここで解散し、かおるんとお店へ。
広々としたカフェで、とても良い雰囲気。(イオさんありがとう)

お店に入ってもしばらく機嫌が悪かった子どもだが、お店の空気とソファー席のゆったり感、ジュースで気分がやわらいだのか、ようやく笑顔が出てきた。しかし「もうホテルに行きたい」という。
この後予定していた吉祥寺のTONEは、ずっと行きたかった店。けれどもあとの時間も迫っているし、子連れで移動してじっくり見る時間はないだろう。しかたがない、と諦めることにした。

かおるんと別れ、イオさんと吉祥寺に戻る。ホテルは駅から数分、ほんとうにすぐそば。ホテル前で、今度はライター仲間のマナティと合流。チェックインをしてみんなと一緒に部屋ですこし時間をつぶすことに。

ダブルの部屋にはキングサイズのベッドがどーんと置いてあり、狭かったが良い雰囲気でおちつく。ホテルが好きな子どもはすっかり機嫌を良くしていた。
しばらくすると、まほほもやってきた。
しばらくみんなでベッドやそのへんにある腰掛けられるものに座ったり立ったりしながら喋っていたら時間になった。(写真を撮っておけばよかった)

みんなで移動。
まほほが地元民とのことで、道案内をお任せ。歩いて5分ほどで到着すると、既にかりんがいた。お店にはいってすこしして、たんPさんもやってきた。みんなイオさんのスクール生。みんなやさしくて変人で、かわいらしい人たち。
今回の旅では、この愉快な大人たちに、子どもを会わせたいと思っていた。

のだが、子どもは今度はお腹がすいて不機嫌モード。お店の料理がなかなか出てこない。唐揚げを…!ソーセージを…!すぐに出てくるものを…!とみんなが気を回してくれる。ええい!しかたがない!と、子どもに『ぴよ将棋』(スマホのアプリ)を授けると、平和が訪れた。このお店の食べもの、飲みもの、(出てくるのはスローだったものの)どれもすごく美味しかった。おちついた雰囲気もいい。

普通このくらいの人数になるとなかなか「みんなで」話すのはむずかしいと思うのだけれど、なぜだかずっとみんなで話せて楽しかった。
うさんくさい人(※詳細をぼかす)の話が特に盛り上がった。

子どもの寝る時間が近づいてきた頃、お開き。みんながホテルまで送ってくれた。途中、ファミマで朝ごはんを買う。

ホテルの前で、いつものようにみんなとそれぞれハグをして別れた。

子どもがうれしそうに「まま、みんなに抱っこされてたね」と言った。
子どもはいつのまにか機嫌がよくなっていて、ホテルの部屋にもどると「ママってすてきな友だちがいっぱいいて、いいね!」と言った。
すごく、すごく嬉しかった。

六月二十三日(日) 東京・雨(福岡・大雨)

朝は7時ごろ目が覚めたと思う。子どもは熟睡していたので、一人でシャワーを浴びる。シャンプーとトリートメントは自宅から持参した、いつも使っているもの。(使い切りパック)ホテルにあるものは大抵合わないので必ず持参している。歯ブラシも。

浴室の扉を開けると、斜め前にある鏡ごしに、ベッドの上の子どもが目を覚ましたのが見えた。子どもは鏡ごしのわたしに「おはよう」と声をかけた。その声の感じから、きょうは機嫌がいい方の日だ、と思った。よく眠れたみたいだ。

子どもをシャワーに入れて、髪の毛と体を洗い、保湿する。自分で自分の服を着られること、自分の荷物を持てること、荷物をバッグにおさめられること、は旅行するうえで親をかなり楽にしてくれているなと思う。

それにしても、「本を持っていくといいよ」と言ったら何冊かの中に、国語辞典(わたしの)があったのには驚いた。さぞ重たかっただろう…

今日の予定。
約束は9時過ぎに吉祥寺駅。駒込に住む親友夫婦と待ち合わせ、一緒に井の頭自然文化園(動物園)に行く。
その後は、13時からジブリ美術館へ。この2つの施設はすぐ近くに位置している。(同じ通り添いにあるし、バスで1停分くらいしか離れていない)チケットは一ヶ月ほど前に確保してある。販売開始当日にアクセスしたのだが、13時が空いているいちばん早い時間だった。ここから17時の飛行機に間に合わせるのが、今日の最重要ミッション。

子どもは「昨日たのしかったなぁ」といい、「ホテルまたこようね」と言った。吉祥寺駅前のREIホテルはレトロな雰囲気だけど清潔感があって、ベッドも広くて、部屋が狭くてもおちつく。良いホテルだった。

ホテルを出た頃、親友のaちんから「どこにいる?」と連絡があった。「今から荷物を預けるから、ロッカーに行く」というと、ロッカー前にいてくれて、合流。ものすごくひさしぶりだ。夫さんはもっと久しぶりだった。

ロッカーに荷物を預ける時、Suicaを使ってるのを見て、夫さんは「Suicaを使うんだね?」と驚いていて、「(福岡のICカードだと)アプリがないから」と言ったら、財布から静かに「はやかけん」を取り出して見せてくれたのがおかしかった。aちんの夫は、東京生まれ東京育ちだ。

今朝の東京は雨。傘をさして、四人で井の頭公園を歩いて通り抜けて動物園へ。
6月の旅行なので、雨であることも予測していたけれど、雨天でも動物園行きを中止にする気はなかった。
雨の日の動物園は、晴れの日とちがう動物の様子が見られる。そして人が少ない。わたし的には、雨の日の動物園はとってもおすすめ。

井の頭自然文化園も、やはりがらがらで人けがない。足元が悪いのはすこし残念だったが(子どもに登山靴を履かせてきたのはナイス判断だった)。

しんとしていて薄暗い動物園の中に、一箇所だけ人だかりができていた。(といっても10人程度)え、どんな人気動物、と思ったら「カモシカ」。

「東京ではカモシカが人気なのか…」と思ったら、そうではなくて(カモシカに失礼)、2日前にカモシカの赤ちゃんが産まれたばかりとのことだった。
見ると、大人のカモシカ2頭のあいだにちょこまかと動く「ミニカモシカ」的なかわいい仔がいた。望遠レンズを持ってくればよかった、と思う。

ここは日曜日にはモルモットのふれあいをしていないらしく、楽しみにしていた子どもが残念がっていた。土日は来園者が多いので、モルモットたちのストレスを考えて土曜日のみとしているのかも、と想像した。
広場でおやすみしているモルモットたちの様子を見ることはできた。大きな木箱のなかに、たくさんのモル。わたしたちの気配を感じると、プイプイー!と高い声を出して鳴いていてとんでもなくかわいい。録音しておけばよかったな。

井の頭の動物園には、園内のグラフィックをデザインするデザイナー(兼イラストレーターさん)がいるという噂を聞いている。なので園内の掲示物やグッズなどを見たかった。たしかにプロの手が入っている、という感じで、すっきりとして見やすい。

大牟田市動物園のように手づくり感あふれる雰囲気は大好きだけれど、メッセージを伝えるという点で、デザイナーの力は有効だなと思った。

フクロウがいろんな場所にいて、こっちを見て笑っているように見えるけれども本人的には威嚇しているつもりなのかなと思う。
顔を向こうに向けたかと思うと、くるりと首をまわし、また笑う(威嚇)。
顔芸みたいでおかしい。

リスの森は貸切状態。これには親友夫婦が特に喜んでいた。
前に来たときはカメラを構えた人がいっぱいいて、こんなにゆっくり見られなかったよーと。悪天候に感謝した。
4人でリスの気配を察知し、「あそこに!」「ほら今、そこ!」などと指さしながら、すばやすぎるリスの動きを追うのは楽しかった。カリカリカリカリ…と音がして木の上を見ると、リスがクルミの殻をかじっている。
わたしが「えー、ほんとにそんな硬い殻をかじれます?」と疑いの眼差しで見ていたら、aちんが「ほら見て、たくさん落ちてる」と言って地面に落ちたクルミの殻を指差した。
奴らは本当にクルミの殻を自力で開けられるのだ…疑ってすまなかった。

リスザルの森を出て、資料館という建物のテラスでお昼ごはん。この時まだ10時半ごろだったが、子どもがおなかがすいたというのではやめに食べることに。
わたしは売店で買ったやきそば。子どもはコンビニで買ったパンケーキ。Aちん夫妻はおにぎり屋さんで買ってきたおにぎりを食べていた。

そのとき、わたしは切り出した。
「あのですね、昨日、一軒だけ行き損ねた店がありまして。まだ時間が結構あるので、そこへ行ってもよいでしょうか…」
そういうと二人は、「いいじゃん、行きましょう」と快諾してくれて、行き方まで調べてくれた。

売店で、おみやげを買って園を出た。子どもは「どの子がいいかな」と、慎重にモルモットのぬいぐるみを選んだ。
まずバスで吉祥寺駅へ。そこからお店まで歩いて10分もかからない。お店はホテルとは逆サイド(公園側ではない方)にあった。東急の横の道に入ると、大名と似た雰囲気の街なみ。なるほど、こんな場所にあの店があるのか、と妙に納得する。

aちんたちは、子どもを連れてクレヨンハウスで時間を潰していてくれることに。わたしは一人でTONEへ。
ついに、行くことができた。感慨深すぎて泣きそうだった。

20年以上前。働いていた雑貨店の同僚が、東京のこのあたりで暮らしていたらしい。あるとき、何かを返してもらう際にかわいいロゴ入りのトートバッグに入れてくれていて、それが「吉祥寺」という街にある「TONE」というお店のものだということだった。

まだ「エコバッグ」という言葉も浸透していない時代に、「そのお店で服を買うと、このバッグがもらえるんだよ」「それで、またこのバッグを持ってお店にいって、買ったものを入れてもらうんだ」という同僚の話をきいた。

毎日雑貨屋で資材(紙袋やビニル袋)を使って商品を渡していたこともあり、その当時のわたしはとても感銘をうけた。きっと素敵な店にちがいない、と思っていた。
その後、ネットでTONEさんのサイトが見られるようになった。こんなお店なんだということを知り、SNSもチェックするように。時折、通販で買い物もしていた。

現実のTONEは、小さな公園の前にあった。お店の大きなガラス窓をさえぎるものがなにもなく、とても明るかった。お店の方の対応がとても静かで優しくて(あ、インスタで見た人だ、と思う)それも嬉しかった。

試着して一瞬で気に入ったカディコットンのルームウェアを買う。それと、アクセサリーがほしい、どれにしよう、と迷って、ブレスレットにする。

買い物した商品を、布製の、ロゴ入りのトートバッグに入れてくれた。
思わず店員さんに、「福岡から来ました。20年前にこのトートバッグでお店のことを知って、ずっと来たかったんです」と伝えると、対応してくれたTさんはとても喜んでくれた。(その後、メールまでいただいた。)

とても幸せな時間を過ごせた。
いつもSNSを見ているし、丁寧に紹介されているから、このお店にあるものはほしいと思えば通販で難なく買えるのだ。
だけど実店舗に行ってみたら、一人でスマホ画面を見ていても気にならなかった商品を手に取ってしまったり、近くにいるお客さんの見ているものが気になったり、まったくちがう刺激を受ける。お店でに足を運んで買いものすることの良さを久しぶりに感じられた。それがずっと行きたかったTONEだったことがうれしかった。

満たされた気持ちでクレヨンハウスに行き、子どもの好きな本を選び(ちょっとぐずって時間がかかった)、また吉祥寺にもどる。
親友夫婦のおかげでずっと行きたかった店に来られた。お礼は伝えたけれど、一緒にお茶をする時間がなかったのは残念。駅近くのバス停まで送ってくれた。また会おうね。

バスを降りて、すぐそばのローソンでチケットを発券。並木道をすこし歩いて、いよいよジブリ美術館へ。井の頭公園の木々の中にあらわれる斬新な色かたちの建築物にテンションが上がる。
25分前だというのにすこし列ができていた。心配性の子どもが「ならんでおこうよー」というのでしぶしぶ並んでいると、13時になるころには列がずっと後ろの方までのびていた。あの辺りにいたら館内に入るだけで30分かかりそうだ。子どもに言われるままに並んで正解だった。

建物の中をみてまわる。「駿の作業部屋」っぽい展示に子どもは目を輝かせていた。道具がたくさん並んでいて、「パパ好きそう!」と言っていた。(たしかに)
子どもたちだけが遊べるネコバスコーナーは10分入替制。子どもが並んでいるあいだ、ベンチに腰掛けて空港までのルートを確認する。
ここを出る時間、バスの時刻、新宿までの電車の時刻、それからバスタから空港までの時刻を入念に確認しておく。

ネコバスで遊びご満悦の子どもと、狭い螺旋階段をのぼって屋上の巨神兵を見て、ショップでおみやげを買って外に出た。カフェでお茶したかったけれど、行列ができていたので諦める。余裕を持って移動できてむしろよかったのかも。

昨日イオさんと何度も電車を乗り降りしていたのが予行練習になり、新宿までスムーズに移動できた。新宿の改札を出た時、来た時と全く違う風景に「ここどこ…」と一瞬固まりそうだったが、上にある標示を頼りに外へ出ると、目の前に〈ここでーす!〉と言わんばかりのバスタがあらわれた。

バスタの券売機でチケットを買う。しかし、乗ろうと思っていた時間のバスは既に売り切れ。時間大丈夫だろうか、と不安になりつつ、すぐ後に出発するチケットを買う。

渋滞の状況によっては余裕がないかも…と思った。実際、バスは高速に乗るまでに結構時間がかかっていた。けれどもびっくり。あっという間に空港へ着いた。(20分ほど。)まったく余裕だった。バス万歳。
相方とお隣さん、自宅へのお土産を選び、保安検査場へ。

ターミナルのそばのスタバで飲み物を買いのんびりと時間を待った。(悪天候で15分ほど遅れ)
途中、「熊本行きの便は、飛ぶけどもしかすると引き返すかもしれない」というようなアナウンスが聴こえた。そういえば福岡でもすごい雨が降って、博多にいた相方が動けないとメールしてきていた。

帰りの便は、往路とちがってモニターがないタイプの飛行機。子どもは残念がっていたが行きにもらったイヤホンで音声プログラムを聴き、「ママの好きな曲!」と言ってよろこんでいた。
わたしもCAさんにイヤホンをもらって聴いてみると、宇多田ヒカルの特集番組だった。
飛行機が動き始めて空の上に出たころ、『何色でもない花』が流れてきた。美しいピアノのイントロ。

福岡が近づいてきた時、空のうえからの景色がとてもきれいだった。
夕日の色がいつもと違って見えた。分厚いねずみ色の雲の下にオレンジの光が眩しいくらいにかがやいていた。

あんなにきれいな景色を、子どもと一緒に見られたことがうれしい。
この記憶を共有していることが。
忘れてしまうとしても。

六月二十四日(月) 曇り時々雨

疲れて学校へ行きたくないという子をなんとか送り出した。
締め切りが近い。作業しなければならない。
しかし、眠気がひどい。

うちと隣の建物の隙間に、子猫4匹とおかあさん猫が滞在している。時々、窓からそのかわいい様子をのぞき見ていた。

東京でのことをいろいろと思い返していた。脳内で反省会を行う。

子どもへ口頭説明するだけでなく、「旅のしおり」のようなものをつくっておけばよかった。子どもとスケジュールの共有ができていなかったせいで、余計なストレスを与えてしまった気がする。

初日の夜にホテルで、「ぼく、なんでか知らないけどイライラしちゃう」と言っていた。寝不足や疲労のせいだと思っていたけれど、スケジュールを把握しておきたかったのかもしれない。

電車に乗っていると、「あと何駅でつく?」とか「何分でつく?」などしつこくて嫌になったけれど、しいくんが「はやく行っておこう」「はやく並ぼう」と言ってくれたおかげでスムーズにいった場面が何度もあった。

わたし一人に任せきりにせず、自分の役割を果たそうとして疲れていたのかも。体力があるはずの子なのに、「疲れた」とぐずっていて何か変だと思っていた。いつも以上にがんばってしまったのかもしれない。その時にまったく気づけず、申し訳ないことをした。

学校から帰宅した子どもに、スケジュール共有がうまくできてなかったのが、しいくんが疲れてイライラしていた原因かも、とつたえて謝る。
今度からは二人で話し合って決めたい、とも。

ストレスはあったと思うけれど、子どももわたしも、全体的に楽しく過ごせてよかった。
あとはきっと慣れだ。お互いに。

六月二十五日(火) 曇りのち雨

子ども、車で登校。しかし水筒を忘れ、一度戻ってきた。
相方は「なにやってるの!」と子どもに言っていたけれど、相方が、なぜか水筒以外のすべての荷物を持っていってしまったこと(いつもとは違う行動)が原因ではないかと思う。水筒持ってきてね、と言ったそうだがわたしも気づかなかった。
自分で持たせる荷物は決めておこう、と提案した。

相方は子どもを送り届けた後、ひさしぶりに出社。オフィスがいきなりおしゃれになっていて驚いたらしく、写真を送ってきた。
「令和 オフィス」というキーワードで検索したら出てきそうな画像だった。

相方が、「エアロバイクがある。誰が使うんだ」とか言っている。
誰も使わないだろう。
座席使用率は一割くらいだそう。

今日、うちの表では家を壊す工事をやっていて、裏では草刈り作業をやっている。オモテからウラから、けたたましい音に挟まれ、ウラからは青々しい香りが漂う。この作業環境…逃げ場がない。
相方のオフィスの空いた座席を貸してくれよ、と思う。

都民ではないが、わたしたち夫婦のあいだでも都知事選の話題は上がる。
相方は「やり方が下手すぎて勝てない」というが、わたしは「上手い人」を選ばないのがまずまっとうな社会への第一歩ではないかと思う。
そうやって色々間違えてきたんじゃないのか、と思う。

昼前に外へ出て、近所のスタバで作業をして昼食を買って帰宅。
コンビニのお姉さんと、PayPayの音が大きすぎて笑い合った。

『動物園を考える』(佐渡友陽一著)を読む。
痺れるキーワードがたくさん出てくる。図書館で借りたけれど買いたい。こうやってまた本が増える。

この本の中で紹介されていた『センス・オブ・ワンダー』の中の一文。
〈「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない。〉

肝に銘じておきたい。

『アンメット』の評判が良いけれどまだ観られない。
原稿は一つ書き上げた。

しかし時間が足りない。ほんとうに間に合うのか。

(次回は  7月18日木曜日 に更新予定です)


コロナ禍に書いた一ヶ月半の日記をZineにしました。

東京の〈日記屋月日〉さんの店頭でもお買い求めいただけます。
下北沢へ行かれたら、是非ボーナストラックへお立ち寄りください。
とてもすてきな場所ですよ。(下北沢駅にはクレープのお店もあります)

https://tsukihi.stores.jp/

この記事が参加している募集

#わたしの旅行記

1,514件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?