缶コーヒーがすべり落ちる隙間
冷蔵庫に、誰にも飲まれることのない缶コーヒーが眠っている。
私は缶コーヒーを飲むのが好きだ。
図書館に行ったときは、帰りがけに休憩スペースの自販機で缶コーヒーを飲むことにしている。
そしてふと思った。
母は私の年の頃に、こんなふうに自販機のコーヒーを1人で飲むような、心から鎖が解けるような時間を持っていただろうか。
多分なかったと思うが、あってたらいいなと思う。
なるほど、では私にとって缶コーヒーは、ほんのひとときの時間心を鎖から解放してくれる魔法の薬のようなものなのだな