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ローズマリー

気づけばもう2月で、今年の最初に決めたはずの2024の目標なんてとっくに忘れちゃってるわ。もういいわ、とにかく苦しまずに生きられたらそれでいいわ。楽に生きたい。気楽に、楽しい気持ちで。笑いたいんだけど。笑顔になりたいだけなのに。笑えないね、ああ笑えることなんてひとつもないわ。
ずっとずっと頭の中で、「笑ってローズマリー」って歌うキミの声が聞こえてはいるんだけど。ちょっと遠くのほうで。今はなんだか、遠く感じる。わたしの頭がぼんやりしている。
生まれたくなかったと思う。言ったって仕方ないのに。仕方なく生きるほかない。仕方がなさすぎる。なんの役にも立たない。こんなわたし、生きてても誰もうれしくないのに。誰かの天使になってみたいなあ。「一度でも誰かの天使になったことのある人は、きっと幸せになれる」って誰かが言ってた。わたしは、誰かの天使になれますか。
幸せになりたいなあ。愛されたいなあ。愛されたい。人は皆どうやって自分が愛されてるって分かることができるんだろうね。愛されてるなんて今まで一度も思ったことないわ。愛されたい。愛されるよりもっと愛されたい。愛してるって言われたい。見せかけの言葉じゃなくて、目を見つめて言われてみたいよ、愛してるって。きっとわたしは、生まれつき愛されるには足りない人間なんだ。そうなんだ。かわいそう。
ああ、愛されたい愛されたい。
そう言えば言うほど、虚しくなることくらいわかってる。それでも言い尽くしたいほど愛されたい。
わたしは、愛されたいぜ!!!
さて二月の寒空に、叫んでみたところでもうおしまいにしようね、こんな話。なんたって誰のためにもならない。わたしは、誰かのためになりたい。ずっとずっと、誰かのために生きたいとは思ってるんです。

ところで、さっきからずっと流れてるけどローズマリー。とてもいい歌。もちろんキミは知ってる。ボクも知ってる!
ずっとこの歌の話がしたかったよボクは。詳しいことはわかりませんが、いつかローズマリーっていう題名の小説を書いてみたい気持ちだけはあります。気持ちだけは。
登場人物は、キミとボクだけ。誰も邪魔できないのだ(真顔)
あの日あまりにも突然に現れた、ラブストーリー並みに。まあ、ラブストーリーと言えばもうラブストーリーですけれども、これは。一瞬で恋に落ちたんだからね。目に映るキミは誰よりも美しくて、その美しさが痛いほど心に沁みた。骨抜き。一瞬で奪われちゃったぜー全部。
一発目の弾丸は眼球に命中したあと頭蓋骨を飛びこえてボクの胸に、二発目はシナリオ通りにボクの心臓ではなく!それはボクのココロに、刺さった!!
幸福を感じた気がする。この瞬間よ、永遠であれと願った。
あのころ綺麗なモノしか見たくなかった。汚れすぎてたこの目は、確かに涙で洗われたんだ。キミの美しさによって。
奥のほうに見え隠れしている泥の部分さえ、美しい気がしたね。ボクは夢を見せられたのかな、魔法にかけられたのかな。わかんねえけど、胸が熱くときめいた、ヒリヒリ痛みを伴いながら。キミは完全だった。キミになりたいと願った。これが恋かと思った。夢中の始まりだった。永遠の悲しみがつきまうことになるとはまだ知らなかった。まるで幸福は降伏してった。キミになれないことがこんなに苦しいとは思わなかったよ。
だけどねえ、魔法だったとは思いたくないの。ただの真実であってくれ、頼む。
あのときめきの衝動を忘れることはできない。はじめてロックンロールが降ってきた夜のそれとは、またちょっと違う種類の衝動。
二度とないようなときめきでした。今でもずっとときめきっぱなし。どうなってんだよぉ。

あの日のローズマリー。
それはすべてのはじまり。
そこからマイストーリー。
悲しいような物語。

ちなみに、はじめてロックンロールが降ってきた日の話もしちゃおっかなあ。
あの日もあの日で、まあどん底だったね。どんだけどん底だらけの人生よ。
それこそ漠然とした不安を抱えたまま、なんの気力もなくなってソファーに座ってただボーッとテレビつけてなんとなくぼんやり観てたんだけど。
突然、流れてきたその映像にもう心ぜんぶ奪われちゃったってわけ。もうボク呆然としちゃったよ。なんだかわけわかんなくて、気づけば号泣しながら拳強く握りしめて、ソファー叩きつけてたね。おどろいた。感動してた。
次の日すぐにCDショップに行ったよね。初めてあの人たちのコーナーに行って手に取ったよリンダリンダ。時代を超えてあの夜、私を迎えに来たね。見つかっちゃったんだあ。うわあ。今でも鮮明に思い出せちゃうんだ、あの興奮。
どん底のはずの世界がなんだか輝いて見えちゃった。だからやめられなくて、今でもまだここに居るのかもしれません。

ああ、もうなんだかよく分かんなくなってきちゃったな、疲れた。
別に、生きててもいいような気がしてきたちょっとだけ。キミの声が少し近づいた。
空も晴れてきたし、さっきよりもあったかい。あったかいのはいいことだ。どんどんあたためてください、お願いだよ。
なんの話だったけな。あの日のローズマリー?
それよりボクは今日のローズマリーが聴きたいです。

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