ayabe111

主にアニメの感想を書きます。たまに小説なども投稿するかも知れません。

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マガジン

  • 花と凛冽と死者と

    今の潮流には合わないかも知れませんが、いわゆるハイファンタジーです。異世界を支配する三人の魔女をテーマにした、三本の短編です。 転生ものではありません。三人の魔女とは別に、それぞれの短編に主人公が存在しますが、もともと異世界で暮らしている人間です。 1990年代くらいのラノベが好きだった人には、おすすめできると思います。

  • 恋文と童心 第二話・カレー臭

    いわゆる青春ミステリーです。短編形式で、5話完結。

  • アニメ感想

    視聴したアニメの感想を書いていきます

  • 恋文と童心 第一話・サボテン

    小説を投稿します。いわゆる人の死なないミステリー。青春ミステリーです。短編形式で、5話構成。難しいことは何もありません。

  • ショートショート

    不定期にショートショートの小説をアップします。著者のプロフィール的なものも書いておきました。

最近の記事

ミリオンライブ10thAct3は個人的に黒歴史になってしまったが、ここでお気持ちだけ書いて封印することにした。

 そもそもテーマを固定してのライブというのが、あまり好きではない。  ミリアニの放送時期だからアニメというテーマにしたのだろうけど、時期的にも5話までしか放送されておらず、いかにも中途半端。  それならば、地上波アニメ最終回放送まで待って、ツアーとは別にアニメ特別公演をやれば済んだ話ではないのか。スケジュール的に大変かも知れないけれど、ミリアニの最終回を見て感動した新規の人たちが参加してくれる可能性もあったし、やる価値はあったと思う。  ACT-3の話に戻すけれど、このライ

    • ゼノブレイド3クリアしたので感想(ネタバレあり)

       合計で100時間弱かかった。まだサブクエはたくさん残っていて、相変わらずの時間泥棒ゲームだ。  クリア後の感想としては、普通に楽しめた。けれど、グラフィックを除いて、2に勝る要素がなかったのが残念なところ。  とりわけ主要キャラの弱さが際立っていた。2のキャラが良すぎたというのもあるんだろうけど、個人的に一番盛り上がったのがメリアとニアが共闘するシーンというのはどうなんだろう。  少し思い返してみると、  設定上、6人が常に一緒に行動している。  設定上、6人とも同じよ

      • 花と凛冽と死者と 第三話・ミーフロッツァ(6)

         天蓋付きのベッドの上で、黒髪の少女が眠たそうに伸びをした。寝ぼけ眼をこすりながら、彼女は部屋の扉の前に控えたエサイアスに声をかける。 「おはよう」 「おはようございます、ミーフロッツァ様」  と、恭しく頭を下げる。ミーフロッツァは軽く頷くと、素裸でベッドから降り、そのまま夕陽が差し込むバルコニーへと足を向けた。  町の高台に位置する彼女の屋敷からは、レックノベリの廃都が一望できる。一時的に避難させていた住人たちが戻ってきているらしく、大通りには人が溢れ、祭りのような賑わい

        • 花と凛冽と死者と 第三話・ミーフロッツァ(5)

           世間ではどう言われているか知らないが、オーベリは親の力だけで騎士団長の職に就いたのではない。当然、剣術の試験は自ら受けねばならなかったし、彼は実力でそれを突破したのだ。幼い頃から嫌々習わされていた剣術であったが、腕前に関してはいっぱしのものだと自負している。 「や、やったぜ。す、凄いじゃねえかよ」  未だ信じられない表情で、彼は横たわった魔女を見下ろした。  剣を握った両腕が固まったまま動かない。初めての実戦、しかもその相手が伝説の魔女。それを一刀両断で切り伏せたのは、紛

        ミリオンライブ10thAct3は個人的に黒歴史になってしまったが、ここでお気持ちだけ書いて封印することにした。

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        • 花と凛冽と死者と
          19本
        • 恋文と童心 第二話・カレー臭
          13本
        • アニメ感想
          194本
        • 恋文と童心 第一話・サボテン
          13本
        • ショートショート
          4本
        • 少女十二宮:双魚編 第六章・セーレ
          4本

        記事

          花と凛冽と死者と 第三話・ミーフロッツァ(4)

          「だ、誰か! 誰か、俺を助けろ!」  オーベリの上擦った声が、無人の廃墟に反響した。  一体何が起こっているのか、彼にはまったく理解できなかった。突然、兵士たちの足並みが乱れたかと思うと、そこかしこで悲鳴や叫び声が上がり、松明の炎が激しく乱れ飛んだ。彼は動揺し、手綱捌きを誤って乗っていた馬から落下したが、兵士の一人が彼の体を抱き止めたおかげで、どうにか怪我を負わずに済んだ。 「オーベリ様、早くこちらへ。この場に止まるのは危険です」  彼を救った兵士はそう言って、隊列から離れる

          花と凛冽と死者と 第三話・ミーフロッツァ(4)

          花と凛冽と死者と 第三話・ミーフロッツァ(3)

           その日の夕刻、大量の遺書を携えた伝令馬車が、メシャグビッツに向けて駐屯地を離脱した。荷物のなかには、来月出産を迎える娘にあてたホドアスの手紙もあった。  死者の軍団に対して、夜間に戦闘を行うのは愚かな行為だと思うかも知れないが、彼らが夜の世界に生きているという認識は実は誤りである。彼らは陽の光をまったく苦にしない。昼夜関係なく、普通に生活を営むことができるのだ。  彼らを滅ぼす唯一の手段は、炎のみ。それも骨まで灰にできるほどの高温の炎で焼くより他に、肉体の再生を阻止する

          花と凛冽と死者と 第三話・ミーフロッツァ(3)

          花と凛冽と死者と 第三話・ミーフロッツァ(2)

           この指揮官は無能だと、本人以外の誰もが思っていた。そして、今回の派兵に選ばれたのは、人生で最大の不幸だとも。  相手は幽姫ミーフロッツァ。言わずと知れた、顕現神──三大魔女の一人である。しかも攻め入るのは彼女の本陣でもあるレックノベリ。この都がミーフロッツァの手に渡って二百年あまり、幾度となく奪還作戦が展開され、そのことごとくが失敗に終わっている。まさに難攻不落の居城なのである。  であるからには、余程の大規模な兵力が用意されるのだろうと思いきや、今回の派兵に投じられたの

          花と凛冽と死者と 第三話・ミーフロッツァ(2)

          花と凛冽と死者と 第三話・ミーフロッツァ(1)

           リムネアの二度目の目覚めは、爽快とは程遠いものだった。  まず、体が窮屈で手足を自由に動かせない。どこか狭い場所に押し込められているようだ。仰向けに寝かされ、背中の下には一応クッションのようなものが敷いてある。明り一つ入る隙間のない、閉ざされた空間。おそらくここは、自分用にあつらえた棺桶の中なのだとおぼろげに思った。 「わたし、死んだ……」  頭がぼんやりとしているのは、肉体の変調に意識が付いていっていないためだろう。耳をすましても心臓の鼓動が聞こえない。腕を少し持ち上げ

          花と凛冽と死者と 第三話・ミーフロッツァ(1)

          花と凛冽と死者と 第二話・リコリュージュ(6)

          「これは酷いもんだ」  近隣の村々から名乗り出た有志と共にグリナルスの砦を訪れたウゾットは、思いがけぬ惨状に息を飲んだ。  未だ建設途中だったはずの建物は、まるで廃墟のごとくひっそりと静まり返っていた。動くものは何も見当たらず、すでに荒廃の空気が漂い始めている。  魔女リコリュージュが砦を襲撃したとの一報がもたらされてから四日。その間の情報は完全に遮断されていた。あれだけの金と人員を継ぎ込んだ堅牢なる砦が、こうもあっさりと陥落していたとは、伝説の魔女の前では結局、人間の浅知

          花と凛冽と死者と 第二話・リコリュージュ(6)

          花と凛冽と死者と 第二話・リコリュージュ(5)

           グリナルスにとって、その日は人生で最悪の一日となった。  恐ろしい何者かが自分の命を狙っている。常日頃からありもしない妄想に囚われ、戦略上の重要拠点から遠くかけ離れた南部モクレン地方の山奥に、場違いにも甚だしい堅牢な砦を建築させていたグリナルス。  だが、その妄言は幸運(?)なことに、現実のものとなったのである。  しかも、大陸に名を馳せる伝説の魔女の襲撃を受けるという形で。 「火をくべろ! ありったけの火を絶やすな! 凍え死ぬぞ!」  先陣を切ってやって来たのは、猛烈な

          花と凛冽と死者と 第二話・リコリュージュ(5)

          花と凛冽と死者と 第二話・リコリュージュ(4)

           次に目が覚めた時、ルクレダの前には奇妙な形をした馬がいた。  文献で読んだことがある。リコリュージュの眷属、氷馬カナウェルだ。すぐにそれと分かったものの、自分はきっと夢を見ているのだと思い直した。実際に動くカナウェルが目の前に現れるはずがない。もしこれが夢でなかったとしたら、自分は魔女リコリュージュの移動式住居にいることになるからだ。 「リコリュージュ様、人間の目が開きましたよ」 「右目? 左目?」  返事と共に、今度は白銀の髪をした少女が視界に映り込む。  これは、い

          花と凛冽と死者と 第二話・リコリュージュ(4)

          花と凛冽と死者と 第二話・リコリュージュ(3)

           その二日前。  ルクレダは深夜を待って、ナブディ村から脱出を図った。  魔女の説得など、冗談じゃない。無知蒙昧な農民たちは、魔女の恐ろしさを欠片ほども解っていないのである。リコリュージュが人間の言葉に耳を貸すわけがない。いや、それどころかまともに近付くことさえ困難だろう。彼女の魔力はあらゆるものを凍て付かせるとあれほど説明したのに、あいつらは何一つ理解してないのだ。  幸いにも、村を出るところを見咎められずに済んだ。  農作物の冷害は西の村落のほうが深刻らしい。つまり、魔

          花と凛冽と死者と 第二話・リコリュージュ(3)

          花と凛冽と死者と 第二話・リコリュージュ(2)

           氷獣は奇妙な生き物である。  その外観を他の何かに例えるならば、脚が十本ついた丸テーブルといったところだろうか。角質化された背中は平らで、石畳を敷いた円形広場のよう。それを十本の太い足が支えている。脚はそれぞれ外側に向いていて、移動をする際はそのうちの四本を器用に動かして残りでバランスを取る。頭と呼べるものは付いてない。テーブルの裏にあたる部分に大きな口が開いており、そこが唯一の感覚器官だ。口から吸い込んだ冷気の微妙な温度差によって、氷獣は周辺の状況を察する。  リコリュ

          花と凛冽と死者と 第二話・リコリュージュ(2)

          花と凛冽と死者と 第二話・リコリュージュ(1)

           例年にない異常気象が続いていた。  真夏に差し掛かろうという時期にもかかわらず、気温が一向に上がらないのである。朝晩などは真冬並みの寒さで、昼間でも気温は一桁の状態だ。悪天候が続いているわけではなく、燦々と太陽は輝いている。日照時間も例年並みにはある。なのになぜか、地表の空気だけが冷え切っているのだった。  隣国メシャグビッツでは、このような異変は観測されていないという。つまりハーモスルグだけが、いや、更に絞り込めばこの南部モクレン地方だけが異常寒波の被害に会っているらし

          花と凛冽と死者と 第二話・リコリュージュ(1)

          花と凛冽と死者と 第一話・アンフィアール(7)

           大樹のうろを塞いでいた吸血ツタは寸断され、周辺には血の海が広がっていた。  穴に閉じ込められていた少年の姿は見当たらない。ロアンとリアンが捕らえた少年の父親もいない。ただ、血だまりの中に一つ、人間の集落へと向かう足跡が残っているだけだった。 「ヤギは、全部死にました」  と、ロヌカは言った。 「お仕事ご苦労様です。あの少年は、運良く生き延びたみたいですね」  背後から近付いて来たのは、魔女アンフィアール。  彼女は森の広場に立ち尽くすロヌカに寄り添うと、その朝露に濡れた緑

          花と凛冽と死者と 第一話・アンフィアール(7)

          花と凛冽と死者と 第一話・アンフィアール(6)

           どうして親父がここにいるのか。そんなの、自分を探しに来たに決まっている。俺の身を案じて森に入り、魔女のしもべに捕まってしまったのだ。 「目論み通りだ。あいつらに捕まれば、お前のいる場所まで案内してくれると思ったよ。あてもなく探すより、手間が省けっからな」  と、エジガンは笑った。デミッツは生きて再び親父と会えた嬉しさと情けなさで、声を潤ませた。 「親父、すまねえ。俺さ……」 「そんなにあの娘に会いたかったか?」 「え、何でそれ……」 「阿呆が。目え見りゃ分かんだよ。黙って

          花と凛冽と死者と 第一話・アンフィアール(6)