死のりんご思考
ハローハローこんにちわ!
前回は占いの貴賎に関する自分の基準に関して書きましたね。
その中で、「より原点に近い占いの方が好きだ」って旨を主張しました。
んじゃ、その「原点」ってなんだと言う話しようかと。
原点の占い
僕のいう原点に近い占いというのは、「観察から生まれる素朴な連想を元にした占い」です。
まず、観察から生まれているという点。
これは、人間の標準的な知覚能力に基づくものであるということです。
見たまま聞いたままの、素材の味を生かした占いですね。
義理易やジオマンシー、現代占星術、姓名診断等々は、謂わば加工食材でやる占いなんですね。
元々の入力を一回なんらかの形(例えば卦やホロスコープ)に変換してるせいですね。
占い=直観+乱数
という話は何度もしていますが、
直観=具体的特徴に関する推察+抽象的特徴に関する推察
なんですよね。
具体的特徴というのは、
丸い石を見たときに、転がりやすいだとか、どっかから転がってきて角が削れたのかなとか、石だし重いし硬そうだとか、そういうやつです。
事件現場でやるガチの推理ですね。
抽象的特徴というのは、
丸い石を見たときに、丸は女性的性質で受動だとか吸収・収束に関連するだとか、石は権力や永遠性のシンボルだとか、そういうやつです。
事件と関係ないところで真相を閃くやつですね。
直観を働かせる・・・これら二つの特徴をもとに、推察をするからこそ、占いは当たるんですよ。
なんでそんな話をするのかといえば、
加工食材型占いは、具体的特徴が弱くなってるんですよね。
つまり、占いのポテンシャルをフルで活かすことができないと感じるわけです。
さて、次のポイントは素朴な連想がもとになっているという点
素朴な連想というのは、パッと思いつく連想だと思ってくれればいいです。
連想ゲームでいえば、連続した2つの要素、ワンステップの連想で出てくるやつですね。
一方で複雑な連想というのは、パッと思いつかない連想です。
連想ゲームで言えば、離れた二つの要素です。
風が吹いた時に桶屋が儲かるだとか、アフリカで蝶が羽ばたくのをみてニューヨークで嵐が起こるのを予想するだとか、何ステップも連想を重ねて出てくるやつです。
例えば、
りんご→赤い→血→殺人→死
という連想があったときに、
りんごは赤いですいよねってのが素朴な連想。
りんごは赤いから血を連想するってのも、まぁ素朴な連想の連続ですかね。
一方で、りんごは死ですよねってのが複雑な連想です。
もっと言ってしまえば、
複雑な連想というのは、他人の考えた連想をそのまま利用することです。
タロットカードのコレコレはこういう意味ってのは複雑な連想です。
複雑な連想は、結局のところ素朴な連想の連続ですから、
考えれば同じような結論を導き出すことは可能なんですよね。
でも、素朴な連想の連続ではなく複雑な連想を使っている場合は、自分の力でその結論を導出できてないので、
柔軟性に欠ける・・・つまり、当たらないんです。
そもそも、他人の用意してくれた解釈例を使うのはただのドーピングなので、
簡単にそれっぽい結論が出せるようにはなりますが、
実質占い師自身の力にはなってないんですよね。
結局のところ、占う側にしても占われる側にしても、自分で考える力が大事ということに尽きます。
生殺与奪権を他人に握らせるな!!!!
レベルK思考
さて、行動ゲーム理論の分野では、レベルK思考という概念が出てきます。
これは、読み合いのゲームで、何段階(レベルK)相手の思考を読んでるのか?ってやつです。
わかりやすくじゃんけんを例にとって考えてみましょう。
相手は「グーを出すぞ!」と宣言している場合・・・
レベル0思考:馬鹿
グー出すっつってんだからグー出すんだろ?
んじゃパー出すわ。(素直)
レベル1思考:普通の人
相手は俺がパー出すと思ってるのでチョキを出してくるだろう。
んじゃグーを出すわ。(賢い)
レベル2思考:エスパー
相手は俺がパー出すと思ってるのでチョキを出してくるのを読んでグーを出してくる、と読んだ相手はパーを出すだろう。
んじゃチョキを出すわ。(???)
レベル3思考:宇宙人・一周回って馬鹿
相手は俺がパー出すと(中略)なので、相手はグーを出すだろう。
んじゃパーを出すわ。(相手に対する信頼がすごい)
最終的に思考の無限ループに入っていくわけですが、
普通の人はレベル1で止まることが多いので、レベル2で思考すると勝率が上がるぞ!
というやつなのです。
まぁ、じゃんけんだと、相手がグー出すぞって言ってからランダムに手を出してくると、この話はおしまいという感じになるんですが。
実際の実験では、じゃんけんじゃなくって投票ゲームだったわけですが、
この話の要点は、
普通の人はレベル1で止まることが多い
というところだと思ってます。
要は、普通の人の思考は、裏をかくのレベルで止まるんですね。
そこで、裏の裏をかける人はその人たちを食い物にできるので勝率が高くなる。
また、各レベルの思考は、前の段階の思考である、レベルKー1思考を前提として考えていますよね。
ここで、
「相手がグーをだすよって宣言した場合、チョキを出すのが勝率が高いよ」
って話が常識レベルで広がったとします。
すると、理屈は不明だけどチョキが勝つんやなって思考がレベル0に変化します。
つまり前提となる考え方って人によって変化できちゃうんですよね。
さて、すごく頭のいい人は、僕らのレベル1思考をレベル0思考くらいに捉えてる印象があります。
あるいは、一足飛びに思考していることも多いように思います。
これらは、自分の知識と経験が、自分の中の常識に昇華されている結果なわけですが、
普通の人からすると突飛なものとして見えてしまうことも多いかと思います。
先の連想ゲームを思い出してみましょう。
りんご(レベル0)→赤い(レベル1)→血(レベル2)→殺人(レベル3)→死(レベル4)
僕らはりんごに慣れ親しんでるので、りんご=赤いくらいは常識として捉えていること多いんじゃないでしょうか。
すると、赤いってのは省略されても、妥当な連想になりますよね。
りんご=赤い(レベル0)→血(レベル1)→殺人(レベル2)→死(レベル3)
あるいは、ミステリー作家は血=殺人の象徴と捉えているかもしれません。
そうなると、こうなります。
りんご=赤い(レベル0)→血=殺人(レベル1)→死(レベル2)
そうすると、頭の回転がすごいミステリー作家はりんごを見てこう言うわけですね。
「誰かが死ぬ」
我々としては、「いや、そうはならんやろ」と思うわけですが、彼の中では筋が通るわけです。
これって、「知識や経験が昇華された結果」としてジャンプ思考ができているわけですよ。
つまり、飛び飛びな思考に見えるかもしれませんが、その間にはちゃんと中身が詰まっているわけです。
なので、特殊な変化球が飛んできてたとしても、ちゃんと原則に従って行動することで対処可能なわけです。
ところで、加工食材型占いだったり、借り物の解釈を使った複雑な連想を使った占いだったりを行う場合、
知識も経験もスカスカなのに、前提をすっ飛ばしたりジャンプ思考をしたりするわけですね。
それは、一見すごい人の真似ができてるように見えますが、実際はそうじゃないわけです。
そういうのは、まぁ良くない・・・というか、
できた気になってるだけで何も身についていない、
占いでそれっぽい事言って当たってるっぽい気持ちになってるだけの、
無自覚に出鱈目と主観を押し付けるだけの人になるよと。
レベル1占い
さて、こう言った話を踏まえると、
レベル1程度の思考から生まれているレベル1程度の思考でやる占いというのが好きなんですよね。
自分の力量を確認しながらできるわけですし。
なぜ生まれたのかとか、なんでこうなのかとか、考えることで、
現代の日本に適応した形で再解釈して運用できるわけですし。
やっぱりシンプルイズベストですよ。
それではまた!
アディオス=アミーゴォ!
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