見出し画像

終戦記念日~機銃掃射の恐怖~

当時20歳くらいだった祖母から聞いた話だ。
この辺は田舎だから、あまり空襲はなかった。だけど、機銃掃射っていうのが来て、とにかく動いてるものを無差別に狙い撃ちしていくもんだから、
もしかすると空襲よりも怖かったかもしれない。
そう言っていた。
機銃掃射っていうのは、銃を持った兵士を乗せた飛行機が低空飛行をしながら民間人を狙い撃ちしていくやつだ。
人口の少ない田舎は、空襲で人を殺すには効率が悪い。
だから、鉄砲で狙い撃ちされたんだと祖母は言っていた。
少しでも動けば、空から撃たれる。

米農家の娘だから、田んぼに出て作業せねばならなかった。
それでも容赦なく、機銃掃射は狙ってくる。
田んぼの作業中に機銃掃射が来たときは、ずっと田んぼの土手に張り付いて、去るのをひたすら待ったという。
猫でもなんでも、とにかく動くものは狙撃された。
お祖母ちゃんが少しでも動いて居たら、私は産まれて来れなかったかもしれなかった。それくらい、無差別だったらしい。

この話だけはきっと、ずっと忘れられないと思う。
そして、忘れてはいけないと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?