【サンプル記事】子どもの思考力を育てる親の関わり方
子どもには学校での勉強はもちろん、社会で活躍できるような力をつけてほしいと思うのが親心ですよね。
中でも「思考力」は、これからの時代を生き抜くために必要な資質のひとつとして、学校教育でも重視されています。
しかし「どうやって子どもの思考力を育てていったらいいのかわからない」という人も多いでしょう。
この記事では、子どもの思考力を育てる親の関わり方を詳しく紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
思考力とは
思考力とは、「自分の経験や持っている知識をもとに考える力」を指します。
2020年度から実施されている小学校の学習指導要領では、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性」の3つをバランスよく育むことを目標としています。
中でも思考力は、ただ言われた通りに行動するのではなく、自分で考えて行動できるようになるために重要な力です。
思考力を高めることは、学習意欲の向上やよりよい人間関係の構築に役立ち、社会で活躍するためのスキルを身につける土台となります。
思考力を育てる関わり方のポイント
子どもの思考力を育てるには、日々の大人の関わり方が大切です。実は、日常生活には子どもの思考力を育てるチャンスがたくさんあります。
ここでは何気ない場面でもできる、思考力を育てる関わり方のポイントを3つ紹介します。
「なぜだろう」と問いかける
一緒に答えを探す
自分で決めさせる
それぞれ詳しく解説するので、ぜひ実践してみてくださいね。
「なぜだろう」と問いかける
疑問をもつことは、思考力を高めるための第一歩です。子どもが何かに気づいたときは、「なぜだろう」と問いかけて、考えるきっかけを与えてみてください。
たとえば寒い日の朝、子どもが玄関先のつららを見つけたら「なんで細長い形に凍っているんだろうね」「どうして下向きに凍っているんだろうね」と問いかけてみます。
日常の身近なものや遊びの中で抱く疑問は子どもにとって受け入れやすく、考える習慣を自然と身につけやすくなります。
日々のささいなことでも「なぜだろう」と問いかけて、たくさん会話を広げてみてくださいね。
一緒に答えを探す
子どもが一人で解決できない疑問は、答えを探す手助けをしてあげましょう。
大人が答えを示すのは簡単ですが、答えを教えるだけでは子どもの思考力は育ちません。答えよりも、答えを見つけるまでの過程が大切です。
たとえば公園で傘の閉じた松ぼっくりをみつけて「どうして傘が開いているのと閉じているのがあるのだろう」と疑問をもったとします。その場で答えを教えるのではなく、一緒に本や図鑑を見たり、手を動かして試してみたりしてみましょう。
傘の開いた松ぼっくりを一晩水につけて、翌朝傘が閉じているのを見たら、子どもは自分で答えを探し出せそうですね。さらに「この傘が閉じた松ぼっくりを乾かしたらどうなるかな?」と問いかけて、実際に試してみるところまで見守りましょう。
忙しい日々の中ですべてを見守ることは難しいですが、時間に余裕があるときだけでも一緒に子どもの疑問にじっくり向き合う機会をつくってみてくださいね。
自分で決めさせる
きちんと考えて物事を決めるときには、必ず思考力が育ちます。日常のささいなことでも、自分のことは自分で決めるように意識して接してみてください。
「今日はどの服を着る?」「半袖がいいかな?長袖がいいかな?」といった簡単なことでも、自分で決めるという経験を積み重ねることが大切です。
子どもが自分で決めたら、「どうしてその服にしたの?」と理由も聞いてみましょう。「赤は元気が出るから」「昨日学校で寒かったから、今日は長袖にした」というように理由も話せるようになると、思考力もどんどん育っていきます。
まわりの大人が何でも決めてしまうと、思考力だけでなく判断力も育たなくなってしまいます。できるだけ子どもが自分で決める機会をたくさんもてるようにしてみてください。
子どもが「考えるのが苦手」と感じてしまう原因
子ども自身が「考えるのが苦手」と感じている場合には、主に次のどちらかが原因と考えられるケースが多いです。
間違えたら否定されると思っている
思考力が発達段階の途中にいる
それぞれの原因と解決策を詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
間違えたら否定されると思っている
間違えたことを言って否定された経験が強く残っていると、子どもは考えること自体を避けてしまうようになってしまいます。子どもが考えて言ったことは、すぐに否定せずに一旦受け入れるようにしましょう。
子どもが言ったことに対して「それは違う」「正しくはこう」とすぐに否定や訂正をすると、子どもは自分の意見を持たなくなります。
子どもの言うことが間違っていたとしても「どうしてそう思ったの?」「こういう場合はどうかな?」と話しながら、子ども自身が気付くように導いてみましょう。
子どもが考えたことは、危険なことや他人に迷惑をかけることでなければ一旦見守ってみることも大切です。
思考力を育てるには、自分で考えたり気付いたりする経験が重要です。子どもが考えたことを口に出しやすいように「間違えてもいいんだ」と思えることが大切なので、日頃から子どもの発言をすぐに否定しないように気をつけましょう。
思考力が発達の途中段階にいる
思考力の発達は個人差が大きいものです。とくに思考力の発達が著しい時期にいる子どもの中には、情報を処理しきれずに考えをうまく言葉にできない場合があります。
物事をさまざまな角度から考えたり推測したりしようとすると、子どもの頭の中にはたくさんの情報が行き交います。子ども自身は一生懸命考えていても、それを言葉に表せる段階に到達していなければ、まわりには伝わりません。
結果として「何も考えていない」と見えてしまうかもしれませんが、質問を細かくしたり、答えやすいように選択肢を示したりすることで、少しずつ言葉にできるようになっていきます。
うまく自分の考えを言葉にできなくても、思考力が育つ過程であることを理解して見守りましょう。
【年齢別】思考力を育てるコツ
ここでは思考力を育てるコツを年齢別に紹介します。お子さんの年齢に合わせてぜひ参考にしてみてください。
幼児期
幼児期は、さまざまな遊びの中で思考力を育てるように意識してみてください。幼児期の子どもが好きな遊びには、思考力を育てるものがたくさんあります。
たとえば積み木は、さまざまな形を組み合わせる過程で思考力が育ちます。高く積み上げたり、「これと同じものが作れる?」と見本を示したり、建物や車に見立てて遊んだりと、さまざまな遊び方を一緒に楽しんでみてください。
ごっこ遊びや絵本の読み聞かせもおすすめです。ごっこ遊びでさまざまな役割を担当したり、絵本でさまざまな立場の登場人物の視点で物事を見たりすることで、想像力とともに思考力も育っていきます。
お子さんの好みもあると思いますが、なるべくさまざまな遊びを提案して一緒に楽しむことが大切です。
小学校1〜3年生頃
小学校1〜3年生頃は、何でも一緒に調べる習慣を大切にしてみてください。子どもは好奇心旺盛で、日常のさまざまな場面で「なぜ?」「どうして?」とたくさんの疑問が生まれます。些細なことでも疑問を抱いたときは、思考力を育てるチャンスです。
図鑑や辞書などを使って調べるのも、最初から一人ではできません。調べたい内容が見つかるように、何を使って調べたらいいのか、どうやって調べたらいいのか、一緒に考えることを習慣にしましょう。自分で調べて知りたいことが見つかった経験は、さまざまな学習にも役立ちます。
近年は、小学校低学年のうちから学校でタブレットやパソコンを使用する機会が増えています。家庭でも一緒に調べ物をしながら、検索方法や子ども向けサイトの見方などを教えていくことも大切です。
小学校4〜6年生頃
小学校4〜6年生頃は、粘り強く取り組む姿勢を身につけられるように意識してみてください。学校のテストや宿題では、思考力を問う問題もだんだん難しくなっていきます。家庭では親も一緒に取り組んだりヒントを出してあげたりしながら、最後まで取り組めるようにサポートしましょう。
難しい問題に出会ったときに、全く考えずに諦めてしまう子と、試行錯誤の末に正しい答えにたどり着けなかった子では、同じ「不正解」でも思考力の育ち方に大きな差が生まれます。
一見難しいと思っても、線を引いてみたり図を描いてみたりと、さまざまな工夫をして考えられるように一緒に取り組んでみてください。「考えればわかるんだ」という経験を多く積むことで、子どもはさまざまな場面で粘り強く考えられるようになります。
まとめ
子どもの思考力を育てるための関わり方のポイントは以下のとおりです。
「なぜだろう」と問いかけ、会話を広げていく
答えをすぐに教えず、一緒に答えを探す
自分のことは自分で決めさせるようにし、理由も問いかける
子どもの考えは最初から否定せず、一旦受け入れる
発達段階に合わせて関わり方を工夫する
子どもの思考力を育てるチャンスは、日常の中にたくさんあります。子どもにとっても親にとっても負担にならない程度に、楽しんで取り入れられそうなものから実践してみてくださいね。
お子さんとの関わり方に悩んだら、当社にお気軽にご相談ください。専門家があなたの悩みに寄り添ってアドバイスをいたします。
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