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経営者の妻のもどかしさ。

働きたいけれど選択肢が限られちゃう、でもやっぱり働きたいんだよね、「夫の妻」だけでは物足りないんだよね、という東京から南九州に引っ越してきて18年目の私の話です。

久しぶりの友達とランチ。

先日、久しぶりの友達とランチをしてきました。

木々に囲まれた古民家で、美味しいトマトソースと大葉がのった地元産の豚カツを食べる幸せったら。

ロースを選んでしまったというのに40代の胃にも負担なく、脂部分でさえあっさり消化してくれちゃいそうな感じのお肉。とても柔らかくて、見た目も素敵に調理されていて、サブのおかず達もいちいち美味しくいただけて、目も口も幸せを感じる一品でした。

今、私は宮崎県に住んでいるのですが、時々、豚をたくさんのせたトラックを見ることがあります。夫の知り合いのお家は肉用牛を育てています。スーパーには鶏のお刺身が売っているところもあります。

ここに住んでいる人たちが育ててくれて(そして育ってくれて)、私の前に提供されるまでに、どれだけの人やエネルギーがかかっているかと思うと、そのひとつひとつに感謝しかありません。

都会でお気楽に生きていた私が「世の中は目に見えないたくさんのことでまわっている」と気づくためにも、半分後ろ向きな気持ちだとしても地方へ来た意味があったんだろうなーと思うこの頃です。

そんな至福のランチを一緒にしたのは、私と同じく、結婚を機に県外から引っ越してきて、経営者ファミリーの奥さんになった女ともだち(余談ですが、私の周りにいる経営者の奥さま方は、わりと県外出身者が多いです)。

似たような立場だからこそ共感できる話も多くて、久しぶりに会うと話がとまらない、とまらない♪

そんな中、経営者の奥さんという立場で「どこでもいいから、なんでもいいから働けるってわけではないよね」という話題になりました。


専業主婦でいられるけれど、いたくない。

私の住んでいる宮崎県は県民所得が低く、ここ数年の全国ランキングで調べてみると、大体44位か45位くらいのようです。
パートやアルバイトの時給が1000円というのを見かけるようになったのも、ここ1,2年かなという体感です。

そんな中で、贅沢をしなければ、夫の一馬力でも普通に暮らすことはできる。それがありがたいことであることは百も承知です。

上の世代の親戚には「子どもも3人いるのだし、手を離さぬよう、目を離さぬように家庭のことに集中して、あとは時間がある時に好きなように楽しんじゃっていいのよ。家庭のことを犠牲にしてまでがんばらなくていいのよ」と言われたこともあります(おそらくお相手は善意なのですが、私の心はざわざわ……)。

でも、私は、せめて自分のことくらいは自分のお金で楽しみたいと思うし(損な性格?)、母や妻という立場以外での場がほしいのです。それは、結婚してからずっと変わらない考えです。

経営者の奥さんは働きにくい?!

「妻を会社にはいれない」という方針のようで、大前提として私が夫の会社に入ることは、今までもこれからもないと思います(私もその方針はいいことだと思っています)。

それを踏まえた上で、たとえば、街のカフェでパートとして働きたいと思うとします。ありがたく採用してもらえたとして、周りを気にしない夫は「やりたいならやれば」となりますが、親戚の多くは「なんで?」となりそうです。その「なんで」には「生活費に困ってはいないよね?」とか「子ども達、これから受験もあるのに影響はないの?」、とかだと思います。

さらに、良くも悪くも、知り合いと誰かがすぐにつながってしまうような地域なので、

「あの家の奥さん、パートを始めたみたいだけど、ご主人の会社の経営は大変なのかしら」とみられたり、噂が拡がることも、ないとは言いきれません(実際、まさにそんなことが耳に入ってきたことがあります。でもその奥さんはできることをやっていただけなことを知っている♪)。

それでも、そのカフェで働きたい、と考えるなら「何を言われても気にしない」、「拡大解釈されて夫の会社のことを心配されるようなことになっても気にしない」という覚悟が必要になりそうです。

今のところ、そう思えるほど働きたいところや業種に出会えていません。

さらに、これは経験談ですが、

ある場所でパートをしていた時に、当時新人だったにもかかわらず、直属の上司のさらに上にいる部長から呼び出されて、その会社にきたお客様に引き合わせていただく、ということが何度かありました。

部長は「ご主人とつながりがある方だから、奥さんとして紹介させてもらうね」と、気軽に、そしてありがたい気遣いでしてくれたことだったようですが、

担当部署にもどると、なんとなく、なんとなくね、微妙な空気が流れていてなんだか居心地悪いぞう?と感じることが、数回ありました(人の心はわからないので憶測ではあります)。

人や会社が多い都市部だったら、たとえ経営者の奥さんでもここまで考えてなくてもいいのかもしれないし、それより、私がもっと「やったみたいことはやってみるのだー」とシンプルにできる人だったらよかった!

今の立場だからできること。

周りをざっと見回してみると、配偶者(主に夫)が経営者という人は

・家族の会社を手伝う
・自分業を確立する
・自分の資格や得意をいかして、夫の業種も巻き込みながらも自分業を拡大
・専業主婦

に分かれているようです。

家族の会社で経理や医療事務として働く人、料理やヨガを教える人、など、それぞれ道をつくっています。

ある友達は、お父さまに小さい頃から「手に職を」と言われて育ち、大学で国家資格をとり、医師である旦那さまと結婚した今も、お忙しそうな旦那さまの病院経営に翻弄されることなく、自分のペースで自分の道を歩いています(眩しい!)。

私ものほほんと過ごしていた大学時代に専門的な資格をとったり、もっと先の人生を考えて、堂々と好きな仕事(それがなんだかわからなかったからとっていないのだけど)ができていたらよかったーなんて思うことがあります。

今の立場だからできること。そのために一歩出していく。

そんな話をさんざん話した後は「じゃ、どうする?」と、次の展開へ(愚痴や悩み事を言って終わり、にしない友人たちとの会話が好きです♡)。

人の目をきにすることなくできる仕事はやっぱりオンライン?とか、

よそから地方にきた人だからできることってありそうよね?とか、

夫の事業のひとつに名前を明かさないボランティアでこっそり関わっちゃう?とか

人生後半戦へ向けて、芽がでるかはわからないけれど種まきをしていこっかとか、

じゃあ今できることは?とか、

そんなことをたっぷり話していたら、4か月間、ずっと”凪”状態にいた私も、そろそろ動きだしたくなってきました。

働くことを強要されないことをありがたいと思う。
だけど、私は働きたい!
家族と友達と子どもつながり以外で人と関わっていきたい!

だから、私も夫も周りもまるっと納得できることを探すために、足を踏み出していこうと思います。


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