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人との出会いは世界を広げる

みんなで子育て

人・地域・体験との出会いで自分の世界を広げる、がコンセプトのあそび場予約サービス「Jumful®︎(ジャムフル)」は、私の人生の学びの集大成だと言っても過言ではない。開発者である私の人生そのものである。

超インドアかつ超アウトドアな両親に育てられた経験が影響している。

「本を読みなさい、偉人に出会えるから。たとえその人が亡くなっていても。」とは、父からの教え。実家は、図書室だけでは収まりきらずに廊下にまで両サイド父お手製で床から天井までが本棚だ。おかげで私の弟(イケメン)なんかは未だに紙の本を片手に持って移動している。年末年始にあったときは「運動脳」を読んでいた。一年前に会った時は何かの小説だったと思う。

朝一階に降りると、いつもモーツアルトがかかっていた。かと思えば車ではロックやハードロックがかかっていた。両親ともに楽器を演奏する。結婚式でもタキシードとドレスでバンド演奏している。私もこの歳になってバンド活動に勤しんでいる。弟は20歳でピアノをなぜか突然始めた。突然辞めたけど。

私が赤ちゃんの頃は毎週末キャンプに行っていた。歩けるようになると週末は登山になった。広島から四国や九州へ車で遠出をよくした。おかげで未だに私も弟もキャンプも登山も遠出のドライブもよくする。

両親ともにバイク乗りで、ツーリングなどしていたらしい。その血を継いで、弟は自分もバイク乗りになり、私もベトナムに住んでいた時はベトナム人よりもスピードをあげて走りあげていた。(ベトナム人の友人から「あやは本当に日本人か?」と聞かれるくらいだった)

そして、音楽にしろ絵本の読み聞かせにしろ、キャンプにしろスポーツにしろ、両親の友達が一緒にたくさん遊んでくれた。家ではパーティーもよく開催されて、両親の古くからの友達や、会社の同僚、元同僚、近所のみなさん、いろんな大人、と、その子供たちと遊んだ。

会社だけの集まり、というのではなく、同じ日に、先に述べたような会社・学校・地域、など両親のいろんなコミュニティの友達を集めるので、本当に多様な人と出会える環境だった。

私は、「みんなで子育て」というのも大事にしているコンセプトなのだが、そのコンセプトが生まれたのもこの環境が大きく影響している。 Jumfulで、いろんな人と出会えるように設計しているのは、みんなで子育てするつもりで出会いの場を作りたいという思いからだ。

小学生の時の夢

私が通った小学校も特殊なありがたい環境だったと振り返る。

小学生の時の将来の夢は、JICAの職員として世界中で仕事をすることだった。理由は単純で、課外活動の一環で学校に来てくれたJICAのお姉さんがかっこよかったから。

オシャレに興味はあるけどするセンスのなかった私は、その欲求は当時流行っていた少女漫画の「GALS!」を読んで満たしているような子供だった。

そんな私の前に登場したのは、JICA職員のツネトウさんだ。多分当時30手前くらいだと思う。細身で、健康的な色黒で、すらっと伸びた手足が印象的だった。ピアスがたくさんあるのもそそられたが、足の指にまでリングをはめている人との出会いは、私の10年の人生の中ではなく、未だに映像として覚えている。身長が低かったせいで私はいつも列の最前列で、彼女の足の先までよく見えた。

ツネトウさんが今どうしているのかは皆目見当もつかないが、当時は、コスタリカから帰国されたということで、コスタリカについてたくさん教えてくれた。教えるだけでなくて、コスタリカの楽器を持ってきてくれて、演奏してくれたり触らせてくれた。写真もたくさん見せてくれた。民族衣装も着させてくれた。「GALS!」で満たされていた10歳の私にとって、おしゃれに世界で活躍するツネトウさんはより一層輝いて見えた。笑顔も素敵な方だった。

卒業文集には「JICAで働きたい」と書いている。違った形でJICAのかたと仕事をすることに将来なるとは思っていなかったが、結果JICAに関わる仕事もできた。新卒で入社したその会社のベトナム法人の立ち上げもさせていただき、海外で働くということも実現できた。ツネトウさんは大きく影響している。

ちなみに10歳の時同じクラスだった仲良しな友人2人も同じくツネトウさんに魅せられていたのだろう。巡り巡って2人ともJICAの職員となった。一人は今、たしかウガンダにいる。2人はたまたまJICAの食堂でバッタリ再会したらしく、驚いていた。私も驚いた。

出会う人たちに伝えたいこと

多趣味な両親と、両親が引き合わせてくれたたくさんの大人たち、そしてツネトウさんの影響から、人との出会いは自分の人生をより豊かにしてくれると思っている。そして、私自身も、恩送りとでもいうか、未来を担う子供達に希望を届けられる大人になりたいと思う。決して、仕事が嫌なものだと思わせたり、人生はお先真っ暗だと思わせるような大人にはなりたくない。

ありがたいことに、これまで中学生や高校生、大学生向けの講演のご依頼をいただいてきた。一番嬉しかったのは、高校教師となった小学校の同級生からの依頼だった。勤めている高校で講演してほしいと相談を受けた。もちろん引き受けた。ちなみに彼は小学生の頃から一貫して社会科の先生になることを夢としていたが、本当に実現させていた。

最近は、修学旅行や課外活動の受け入れもしている。旅行会社に勤めるお友達からの依頼だ。私はJumfulというあそび場予約サービスとしてそのプラットフォームを運営しながら、自社運営のあそび場の開発もしている。今一番力を入れているのは、とびしま海道の豊島(とよしま)地域だ。7つの島が連なるとびしま海道は、本島から有料の橋で繋がっている。広島の人でも、江田島は行ったことがあるけどとびしま海道は行ったことがないという人も多いと思う。そんな地域に、"私に会いに"中学生や高校生が修学旅行や課外活動で来てくれるのだ。旅行会社に勤めるお友達が、そのような「人に会う」ことをテーマにした企画をしているのだ。たくさんの大人との出会いが影響している私もとても共感している企画で、いつも引き受けている。

今日は、広島市内のとある中学校から31名がやってきた。

毎回気合を入れて臨んでいる。冒頭は私の人生や思想、豊島のこと、その日にすることをお伝えするインプットの時間。それを元に、その日の自分の参加目的を明確にしてもらう。インプットをもとに、知りたいこと、やりたいこと、行きたいところ、を宣言してもらうのだ。目的を持ってその後の時間を過ごすことで、より充実した時間を過ごすことができる。(ちなみに私は研修設計を生業としている)

島で、みんなの到着を待つ。無事にお出迎えし、みんなに荷物を下ろすよう促す。私の自己紹介などの前に、トイレ休憩を挟む。休憩中も参加者に声かけをしたりして少しずつみんなの心に近づくことを心がけている。みんな休憩後の準備のために、学校で配布されているプリントを準備している。私はどんなプリントを持ってきているのか知らないので、そのプリントを軸に話をしようと思い近くにいた女の子に近づく。

私はとてつもなく目が悪いので、だいぶ近寄って確認する。

プリントを覗き込むと、恥ずかしそうに「あっ」と声を上げる女の子。「ふふふ」とか言いながら、プリントの設問を読むと「出会った方について」という項目がある。私のことのようだ。ふむ。

その女の子が書いた可愛らしい文字を読もうとして、さらに顔を紙に近づける。まだ挨拶しかしていない段階で、私の自己紹介などは一切していない。なんならまだ本格的にこの課外活動も始まっていない。そんな中でも、すでにその女の子は、プリントに自分のメモを書き入れているようだった。熱心さが嬉しくなる。

前回受け入れをした別の学校の子は、「普段だったら座らないバスの通路側の席に座ったら、柵が見えなくて海だけが窓から見えて、なんだか海を走っているみたいに見えた。いつもと少し違うことをするだけで物の見え方が変わったことが印象的だった」と言っていた。まだ活動も開始していない、冒頭の「こんにちは初めまして〜道中どんなでした?」くらいの私の投げかけに対する回答だ。中学生も高校生も、私が想像するよりもはるかにまた違ったものの見方を持っている。逆に私が気付かされることばかりだ。

小さな丸っこい文字で書かれているのをさらに顔を近づけて読む。

「ヒョウ柄マフラー オレンジのネイル」

写真を撮ればよかった。

まじでこの2つだけが、まず書かれていた。

そうか、その印象か、まだ活動始まっていない段階でも記憶に残ったのね。

プリントの初っ端に、活動開始前にメモ書きされるとは思わなかった。

私の大好きなヒョウ柄と、オレンジカラーが印象的だったということで、よしとしよう。コンセプト大事。


という出来事を振り返りながら、島から、広島市内の自宅へ車を走らせた。

ツネトウさんを思い出した。私はツネトウさんになれるだろうか。私はツネトウさんに憧れていた。今も憧れだ。あんな大人になりたい。自己をファッションで表現することはツネトウさんに近づけた一歩かもしれない。

将来、この女の子がふとした時に、「ヒョウ柄のマフラーをしたオレンジのネイルで派手なお姉さん(おばさんとは言わせない)の生き方、かっこいいと思ったな」と思ってくれたら嬉しい。

今日も、大成功の時間をみんなと過ごすことができたと思う。

ヒョウ柄マフラーとオレンジネイルが気になった女の子は、島の人の温かさが印象的だったと、活動の最後に感想を述べていた。他の学生さんたちも、それぞれが感じたことや気づいたこと、改めて明確になった自分のありたい姿を発表してくれた。

今日の私の自己紹介でみんなに伝えた「世界と自分を知る、決める、行動する」を実践してほしい。それが、自分の世界を広げ、自分の人生を楽しむ軸となることだと信じている。

そしてそれは、Jumfulのコンセプトである人・地域・体験の出会いで自分の世界を広げることが、第一歩目として重要なのだ。

Jumfulな世界を広げていく。

P.S. サムネイルの写真で今日の私の写真があればよかったのだけどなかったため高校時代から愛用していて今日もしていたヒョウ柄マフラーをした私の写真としている。これにオレンジのネイルの姿が今日の私だ。

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