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【第4回(最終回) 質の良い台本を作成するポイント】

▶︎全体的な戦略

  • 競合するチャンネルの分析

  • 彼らの動画の欠点を排除し、強みを取り入れて優れた脚本を作成

  • 成功しているトレンドを集める

  • 自身のチャンネルで受けが良い動画の構成について、仮説を立ててテストする

▶︎動画内容の工夫

  • 動画の後半部分に意外な展開を盛り込む

  • 視聴者が「これは何だろう?」と興味を持つような謎の要素を追加

  • 序盤に伏線を設け、動画中でそれを明かしていく

  • 自チャンネルの視聴時間が長い動画とそうでない動画を比較し、その違いを分析して仮説を構築

▶︎ライターとの連携、採用基準

  • 目標とする年齢層に合致し、このジャンルの動画を日頃から視聴している人のみを採用

  • 細部について過度に指示せず、ライターの成長と創造力に任せる


◆おすすめの本(特にストーリーテリングを重視するチャンネル向け)

こちらの本には、魅力的なストーリーを作る上で欠かせない感情曲線に関する重要な考え方が集約されています。

https://amzn.to/489Rgh9

内容は少々長めですが、ぜひ熟読していただき、提案されている感情曲線を念頭に置いて台本を作成してください。


▶︎台本(プロット)の作成プロセス

① CQ(ストーリーの骨格を指し示すもの)を設定する
② ドラマチックな曲線とCQに基づいてプロットを構築する
③ そのプロットに沿ってライターに執筆を依頼する

という手順が効果的であると考えられます。

▶︎伏線の設定方法

特に、ストーリーベースの動画制作では、伏線が極めて重要です。
1本の動画には、次のように伏線を設けることをお勧めします。

・大規模な伏線:1つ
・小規模な伏線:1つ

伏線の解決については、小さいものは動画の中盤で、大きなものは後半で明かすように心掛けると良いでしょう。


▶︎キャラクター設定の深堀り

伏線を設定する方法の一つとして、キャラクター設定の充実が挙げられます。

端的に言えば、
「あれ?初めに登場したあのキャラクターがここで再登場するなんて!」
というような驚きを視聴者に与える状況を作り出すことです。

たとえば、

  • 物語の初めに特に目立つように描かれるタクシードライバー(最初は脇役として登場) が主人公を意味ありげに見つめる場面。

  • 物語の後半で、そのタクシードライバーによって主人公が危機から救われる。 実はそのドライバーは主人公の生き別れた祖父だった、という事実が明かされる。

このようにキャラクター設定を予め練り上げておくだけで、ドラマチックなストーリーが生まれるのです。


▶︎オープニングについて

一般的にYouTubeでは、「視聴開始時の視聴者の関心を引き続けること」が非常に重要です。
そのため、最初の部分で簡潔な結論を提示することや、
オープニングはどれだけ共感を呼びやすくするかが重要です。

◆視聴者に動画の内容を自分事と感じさせる方法

・共感や好奇心、怒り、恐怖、不安を引き起こす

・動画の主旨を明瞭に伝える

・続きに対する興味を引き起こす
 └期待を高める(例えば「どういう復讐に出るのだろう?」)
 └疑問を抱かせる(「どんな計画なのか?」)
 └予想外の展開を示唆
 └同情や共感を誘う

・定説に逆らう
 →視聴者の興味を引き続けるためには、
 「一般論に反することを述べる」 という手法も
  YouTubeのオープニングで効果的です。ぜひ使ってみる価値があります!

・感情のコントラスト
 →オープニングで視聴者が離れないための重要な要素は、
 『感情のコントラスト』を作り出すことです!
 たとえば、2chのスカッとする系の動画の場合、
①不快感や過去の経験からくる怒り(ネガティブな感情):悪役によるひどい扱い

②興奮や期待感(ポジティブな感情):その状況をどう爽快に解決するか といった流れです。

この2つの要素を持ち、オープニングで感情の変化を劇的に描ければ、ほとんどの視聴者は引き続き視聴するでしょう。


▶︎物語の本編について

CQ(中心的な問い)の設定
主人公+障害→CQ「主人公はこの障害をどう克服するのでしょうか?」
①主人公が直面する障害の紹介(可能な限り大きな障害)
②その障害の克服

台本内で伏線を設けることを心掛ける
伏線を用いることで、視聴者の興味を引き続け、離脱を防ぎます。
例)この時のセリフが後にイッチの憤りに深く関わるとは、誰も予想していなかった…

内容が複雑な場合の視聴者への負担軽減
①漫画やアニメを例にする
②日常的なもので例える
③数量、距離、サイズを具体的な物で表す(○○個分など)
→具体的に例える際はこのリンクを参照

シンプルな言葉での説明
構成段階で難解な言葉が使われることもありますが、『どれだけシンプルに明確に説明できるか』
これが離脱率に大きな影響を与えます。
できるだけ簡単な言葉での言い換えをお願いします。

前置詞、接続詞の適切な使用
「つまり、例えば、そもそも、では、じゃあ、あの、その、この」
適切な前置詞や接続詞の使用により、視聴者は次の話の内容に対する準備を頭の中で行うことができます。

予想外の展開
視聴者は通常、動画の内容を予測しながら視聴します。
意図的に予想を外れる方向に導き、最後に意外な展開を提示することで、視聴者の満足度を高めることができます。

刑事ドラマやミステリーなどのジャンルが参考になります。
例)
第1話:なるほど、こんな事件が起こったんだ。
第5話:誰が犯人かな?Aさんが怪しい。
第7話:絶対Aさんが犯人だ!
第8話:え、これじゃAさんが犯人じゃない!
第9話:まさか!良い人だと思ってたBさんが犯人?信じられない…
第10話:なるほど、そんな理由があったのか。ショックだけど、納得はできる。

▶︎接続詞の使用の重要性

人々は、完全に未知のことよりも、ある程度理解できる内容に興味を示しやすいものです。
接続詞を使うことによって、「詳細までは分からないが、次に話される内容の大まかな概要は把握できる」という状況を作り出すことができます。

これにより、視聴維持率を高めることが可能です。
以下、具体的な接続詞の例を挙げますので、参考にしてください。

逆説的な接続詞

  • けれども

  • 単に

  • それでも

  • ~(前の文章)。しかし、

  • それにしても

  • それでも

  • それにも関わらず

対照的な接続詞

他方  逆に  より正確には  むしろ

原因を示す接続詞

どうしてかというと  理由は  背後には 根本的に

結果を示す接続詞

それ故に  だから  その結果として  その結果
そうすることにより  結局

説明や言い換え

言い換えると  すなわち  具体的には
逆に言えば

選択を示す

あるいは または

話題の変更

ちょっとそれとは違って  それで  
それから  それとは別に

例を挙げる

たとえば  具体的に言うと
実際には

条件を示す

その場合  もしも  例えば  それでは

根拠からの結論

これにより明らかなように  それに基づいて
それによれば

真意や本質

結局のところ 実際のところ 率直に言って
ちょっと言いにくいけど  それでも
どちらにしても  確かに

強調

それゆえに

注意喚起

問題なのは  留意すべき点

情報の追加や補足

ちなみに  加えて言うと  それ以上に
それはそうと  そう言えば  また 
特に  さらに重要なのは  
それどころか  しかし  一般的に
最終的には


▶︎終わりに

皆様、「質の良い台本を作るためのポイント」マガジンをここまで読んでいただき、誠にありがとうございました。

効果的な台本作成のための多くのテクニックと原則をご紹介しました。

台本は物語を生み出す心臓部であり、その質が作品全体の成功を左右します。

ご自身の創造性と今回習得したスキルを組み合わせて、聴衆を引き込む魅力的なストーリーを紡ぎ出してください。

ご紹介した内容を皆さんの創作活動に活かしていただければ幸いです。

これからも新しい発見と成長を楽しみながら、素晴らしい物語を生み出し続けてください。

最後に、このマガジンが皆さんの創作の旅にとって有意義な一歩となったことを願っています。

これからも、共に学び、成長し、新しい発見を楽しむことを願っています。私にとって最も大切な刺激とインスピレーションの源です。 いつも支えてくれてありがとうございます。 YouTubeディレクター統括:Aya.M