フランスから、食関連ニュース 2020.02.18
フランスにおける旬でコアな食関連のニュースを、週刊でお届けします。
1. 今週の一言
パリに住む知り合いの娘さんが、近年ベジタリアンになったという話を聞いていました。ところが、さらに思想を一歩進めてビーガンになったそうです。年頃は多感な18歳。ビーガンは健康食という生ぬるいものではなく、動物愛護が根底にあるため、動物性食品を生み出されることに対しても、拒否し、敵対心を持っている。対して、スイスに住むある友人の14歳になる息子さんは、生まれながらにして、タンパク質に対するアレルギーを持つという、世界でも指折り数える難病を抱えています。フランス人ですが、スイスに住んでいるのは、この難病に対応できる病院があるからだそうです。想像も絶するような食生活ですし、毎朝自分で行う注射は、はたから眺めると、気の毒にも思えるのですが、植物性たんぱく質への受容体は、少しずつ育ってきたようで、食生活も昔よりは豊かになったことを喜んでいる。びっくりするほどに、物事を冷静に見つめ、人々に優しく、精神的に健康体であることを感じさせられます。ビーガンになった彼女と、この生まれつきの難病を背負った彼との対話は、そのうちに可能になるのでしょうか。その時に何が生まれるのでしょう。我々が築いてきてしまった社会が生み出した問題でもあり、正しいとか、間違っているということではなく、我々自身も建設的に取り組んでいかなければならないことですが、子供達には、様々な世界や境遇に生きている人々がいることをできるだけ知ってほしいと思う。そしてできれば対話もして欲しい。また、何故そうあるのかという背景も、今だけを見るのではなく、感情に揺すぶられず、歴史も含めて広い視野で見つめること。その上で、成長していって欲しい。しかし、まずは、お手本になるのは、両親であり近くにいる大人たちの背中であることは肝に銘じたいと思います。どんな風に我々が生きているか。嘘がないか。優しさはあるか。これからの物語を生むことができるのは、そう心がけることのできる、まさに私たち、一人一人だと思います。
コンピューターへのサイバー攻撃は絶えず、今年入ってからはコロナウィルスが猛威を振るい、フランスでは次期パリ市長候補が性的なビデオ流出により、立候補を断念するなどいった事件も起こって、「他生物の細胞を利用して自己を複製させる」という、まさにウィルス的なあり方が社会を脅かしているような気がしてしまいます。冷静に物事を見つめる目と、ウィルスにならない、食われない、あるいはミイラ取りがミイラになることのない生き方を選びたいと思います。
2. 今週のトピックス【A】家畜肉の健康ラベル広がる。【B】フランス人のバレンタインデーの贈り物選びは。【C】スタルクデザイン、ヘルステーマの巨大施設建設中。【D】3つ星「ミラジュール」、「プラスチック・フリー」のアンバサダーに。3.日本@フランス【A】3つ星シェフ、アレノ氏の陰に、日本人あり。
2. 今週のトピックス
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