愛とどく

毒が回るようよ
知らない毒が
夜泣き鳥も静まるころに

触れる肌には熱持って
何方とつかぬ手を取って

2人 野を駆けた少年が
いつの間に大きな背をしていたの

愛されるとは
こんなにも息詰まる
神も知らない贅沢な朽ち方

気を遣る情歌
夜風障る
昼時にも残るわ きっと

毒が回るようよ
知らない毒が
暁にも攻め入るよう

揺れる肩にそう 手を遣って
虚ろうつろの身を合わす

2人 世を避けた積り
灯りひとつの部屋
解けてゆく意識

愛されるとは
こんなにも息詰まるものか
波の引くような情歌

気を遣る野明け
揺り返し 道連れの熱
愛がもうとどく

回るようよ
知らない毒が

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