神様が腕の中

雨のち晴れの湿気た部屋
神様が腕の中
沈む寝息は天の其れ
僕などの腕の中

思い起こせば
愛に爛れた
昨夜はきっとまやかしか
今がまさに幻か

そんな虚ろを
朝明けに
照らされることになろうとは
ただの女に成り下がれ
なんと乱暴な願いだろ

雫残った熱の部屋
神様が腕の中
恋焦がれていた身擦れば
囚われてゆく日中

只でさえ
この地での呼吸は
苦しいのだと云っていた
それを何処まで追い詰めて

無下に被さる揺りかごと
ただ受け入れる無垢のごと
ただの女で済ますには
感受の過ぎる神様を

弱く息して
この腕に
竦めることになろうとは

ただの女で済まされぬ
神様が腕の中

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?