雨向こうの苦

雨向こうは どんな色?
知らぬように過ぎる日中の街

堪らず身を削ぐ者もある
旧い伝えの その苦には
地を埋め どんな祠建てても
追いつかぬ咎もあるのでしょう

そっと手を伸べる者
霧晴れ そして散るように

雨ばかりの僕達は
泣いたりはしないけれど
雨交じりに慣れただけ
平気とは違うのさ

還らぬ魂に恨みごと
遠い昔の政
何れにしても嘆きなど
届かぬ質のものでしょう

じっと身を縮めても
晒され追われ喰われるような

雨ばかりよ
僕達は居ないようなものだから
見えないでしょ 雨の色
どんなにか痛いものだとか

雨上がりは来るかしら
ささやかな願いも散る
雨に塗れた
僕達の唱えは唯の呪文と消え

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