自己PRには相手がいる
おはようございます。
広島に来て一年経った記事を書かねばなあ、ありがたくも一年生きてますってお礼言わなきゃなあと思いつつ帯状疱疹やら何やらに負けて7月になりました。
二年目も強く生きていきます。
近日中に身辺については書こうかなと思ってます。
さて、今日は別のお話。
私の本業(ゲーム制作)のお話です。
現在絶賛発売中の「かばいの牧場物語」のアプデ予定時期が近づいてきましたので、今月はそのシナリオ作業を上旬でサクッとやりまして、現在新キャラのCV(キャラクターボイス)さんの募集をさせていただいております。
ちなみに募集記事はこちらです。これを見かけた声優さんがいらっさいましたらご興味おありでしたら是非。
この募集記事の中で、いくつか提出してねってものがあります。今回は、それにまつわるお話です。
一つはサンプル用のセリフを収録したボイス。
うちは基本的にシナリオを書きあげた後で募集いたしますんで、この時のセリフは本編中のセリフです。体験版もあるし何なら販売してますしプレイムービーもありますので作品の雰囲気をつかむための資料には困らないタイプの募集だと思います。キャラのデザイン絵もありますしね! ばっちり! もし「こんなんじゃ足るかよ」ってご意見がございましたらお知らせください。参考にさせていただきます。あ、完成したゲームってのはナシね。
もう一つは、芸歴。
これは別に必須じゃないんです。声を聴いた時の直感で決めてしまうことが多いので(というかそればっか)芸歴とかまったく気にしない人なんですが、全く知らない方や「とりあえず声優だって名乗ってます」って応募者対策に提出していただくことがあります。プロと素人の境目があやふやな昨今ですから、情報が極端に少ない方についてはその後のトラブルを回避するための参考資料とさせていただいてます。
そして、三つ目。これが一番大事。でも、多分、うち独特のシステムかもしれません。
自己PR音声。
「なんじゃそりゃ?」って思う方もいらっしゃるかもしれないのですが、履歴書でいうところの「志望動機」とかそういうところにあたります。つまり、「このオーディションを受けたい私はこんな人です」ってアピールの場です。
ところが。
最近オーディションをするとこの自己PR音声の部分を「自サイトにアップしてたり事務所用の音声サンプル」を提出される方がまあ、多いこと。
いや……それならセリフサンプル音声をわざわざ収録してもらう意味はなかとです。(無意味な博多弁)
声や芝居はサンプル音声で判断します。それ以外にわざわざ自己PR音声をください、ということはそれ以外のことをそこから知りたい、ということです。
役者としてのスタンス、人間性、作品への向き合い方。
どんな自己PR音声を送られたかで拾える情報がたくさんあります。私は、その情報が欲しいのです。
プロモーション(PR)には、訴求する相手がいます。それが不特定多数の漠然とした対象であるとか、特定のセリフがないとかであるなら「こんなこともできます」という意味でサンプルを添付するのはありです。でも、それはプロモーションとは言えません。それはあなたが「できること」かもしれませんがあなたが「したいこと」「考えてること」「向き合ってるもの」ではないからです。
プロモーションは一歩間違えるとただの「サンプル」となり果てます。それは、訴求する相手のことを考えたり想像したりしないからです。
うちのようなピコ制作ユニットでも、ありがたいことにそれなりの数の応募をいただきます。それなのに、自己PRとして自サイトのURLをコピペされているだけでは判断材料として不十分です。全くの無駄だとかマイナスだとは言いません。確かに材料の一つではあるからです。
同じようなクオリティの二人の演者さんで迷っていたら、決定事項となるのは「それ以外の要素」です。別に、こういったオーディションに限らず。
一歩抜きんでるために、「自己PRには訴求する相手がいる」ということを一度じっくり考えてみませんか?
読んでいただくだけでも十分嬉しいですが、サポートいただくとおいしいものを食べたりして幸せになれます。私が。