すべて個性の違いなだけ
手際良く、スマートな立ち居振る舞いで、
賢く、美しく、細身で、なんでもこなせる。
そんな人物像が良いとされて来た時代は終わる。
風の時代って、人は言うけれど、
風の時代って、なんだか優しい。
そよそよと吹く風が頬を撫でるときのように
とても優しく感じる。
発達障害という病気もない。
多動性症候群という病気もない。
鬱という病気もない。
それらは、性質であったり、特徴であったり、癖であったり、
防衛本能であったりするだけで、
病院にかかって薬を飲むようなものではない。
いったい、誰の価値観に皆が合わせているのだろう。
手際の良い人は、早食いの人に似ていると思う。
素早く用事を終わらせられる代わりに、じっくりとその行為を味わうことはかなわない。
どちらが良いという話ではないのだ。
何が良いかを、各自が選べば良いだけなのだ。
比較を手放した世界には、
素早く手放す人と、じっくりと味わう人が
それぞれ楽しんでいる姿があるだろう。
じっくりと味わう人が、泣く時代はもう終わりをつげたのだ。