灯
朝と夜の間
私は今日もひとり、煙を吐いた。
眠れない日は大抵この場所か公園で、ひっそり煙草を吸っている。
見上げるとたくさんの窓、薄暗い灯が点々と見える。
暗闇ではどんなにほのかな光でも感じることができる。
暗闇にいる時の方が幸福に敏感でいられることと同じ。
灯が紫煙で曇る。
すべてをそのまま受け取ることは危険だと知っている。
その時には真実だとしても、その瞬間にしか意味を持たないのならもう存在しないのと同義。
そんなのもう真実なんて呼べない。
羅列する過去は真実と嘘の間。
煙を吐く。
だから私たちは愛に憧れるのかもしれない。
ずっとあいしてるよ
うそつき。
愛だって同じだ。
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