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哲雑4 生産性の本筋


 生産性とは 分母が生産量(金額)、分子が延べ労働(時間)ということでしょう。前回の視点は分子に当たる効率を主に考えたものですが、実際には分子を下げる努力に対して分母を増やす努力も重要な観点だと思います。

大きくはGDPになるでしょう。ここ数十年の日本の生産性は変わっていません。経済は変わらず内容は縮小しているように見受けられます。というのは国内のモノづくりは部分的に崩壊しつつあるように思います。そう思うのは家電や半導体分野は基盤を除いて海外に移転してしまい、窓口は国内でも実際の作っているのは中国などのの海外です。表向きは国内にも入りますから生産性は影響していないというだけです。

一定量の消費に対して これも縮小傾向ですから 利益率はあっても更に生産性を上げるには管理部門を縮小させて サービスを低下させるしか手がなくなってきますね。そういう流れが出てきています。資本主義の経済体制は拡大か効率化を行わなければ生き残れない体制ですから管理部門を縮小させないて サービスを低下させないようにするにはより大きい生産(販売)をしなければなりません。

大きい生産(販売)はこれまでは海外進出で賄われてきましたが。国際リスクや国際経済状況により もう拡大が難しくなりつつある現在では 基本的な 原点に戻った生産の拡大を狙うのが本筋です。それは開発力そのものです。時代を読みその先の技術的な新しい概念を生み出すことです。その時代を読む点についてはじっくり構えてもいいのですが、リーディングを採るためには 開発のspeedが大事ですね。早く失敗してみることです。早く失敗したものがいち早く成功する鍵となるのです。

政治は実態を掴んでいませんね。いわゆる「文系バカ」がやってるから 大きい改革はむりですね。青写真もないので税金の無駄遣いが進んでいます。一番気になるのは理系離れですかね。人材がいればなんとかなるのですが。

勝手な言い分でしょうが、抜け出すことが大事です。「ワープしよう」ということでワープ先を考えるというのが本筋でしょう。これからは集積工場はいらない。地域密着や機能密着へ転換するようなこと。土壌を作る土木工業とか。情報プラットフォームを作るとか。そのための規制を外すとか。理系の教育はもう大学や大学院だけでは駄目ですね。ITの世界で終身教育すればいい。実践を通じて基礎的な面も学習できるコンテンツが身近になればいい。

国は無意味なものを止めて=役人のニーズで動くのを止めて 理系の再構築する体制を作ることを願っておりますが、そうしたことと別に実体の現場的発想からは如何に自動化を進めて別の新しい市場を創設することです。 そのための見極める力が失われつつあるように思われるのです。

海外進出は現状の武器(商品)で 現地であれ国内からであれ同等もしくはそれ以下の製造なり製品なりまたは販売法を単に展開する=いわゆる横の展開です。このことでも現地の商習慣や法律など あるいは文化的側面含めて結構厄介なことが多いのですが、発想自身はプアです。極論すれば安易です。経営的視点では当たり前であろうと思います。投資対効果は高いからです。ですが、それは定点から見ればそれでいいのですが、5ー10年の長期(中期)視点になると あるいはそれ以上の長期的視点から見れば開発バランスから良くないと思うのです。

先に「文系バカ」の話を書きましたが、理系だからいいのではなく、科学的な思考に基づいた俯瞰する技術と言った方がいいと思うのですが、定点的な思考を排除して先の予測や企業の持つ利点を活かし続ける努力をしているかどうかが問題なのです。

これは競合に打ち勝つのに必要だから とか 売上が見込めるから開発するようなものはそれなりに進めているのですが、そうした内容ではなくて 企業の持つ「将来を何によって生き残るか?」というような内容についてどの程度力を向けているか?を問うているのです。

次の時代は 文化や統合的なシステム あるいは 地方再生等の時代になることは見ずも明らかなのでそうして新しい流通や生活システムを見通して 其処に必要な要素に投資して開発していく、これがないと生産性は上がって行かないと考えます。

生産性という名目で書きましたが、革新の時代が到来しているのですが実業での意識があまりにも定点的で 実業の実体を憂う気持ちからこのような視点で生産性を見直したらどうかという一石でした。

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