50年の螺旋階段の中に自分もいるって話。

螺旋階段から下をのぞいたら「かつての自分」がいて、
上を見上げたら「これからの自分」がいるのかも、
っていう不思議な気分だった。

母校、静岡大学吹奏楽団 設立50周年記念演奏会に行った話。
ふだんの仕事モードとは全然違うアンテナが動いた時間だったので、
これをどう表現したものかと、考えていたんだけど。

大学を卒業して、ちょうど20年になる。

卒業して数年は、後輩たちもいるし、定期演奏会にも行ってた。
でも、知った顔がいなくなるにつれ、
ちょうど仕事も忙しい年代にもなり、足が遠のいてしまった。
そこからは・・・
社会人4年目で大阪から東京に転勤。
その後、仕事がうまくいかなくなり、体を壊して半年休職。
復帰してしばらくしたら、母が病気で入院。
亡くなるまでの1年半、長野通いの生活。
気づいたら社会人8年め。
その後をキャリアを考え始め、退職・転職活動。
半年後に就職するも、約1年半で再び転職。
零細企業のコンサルでモーレツ働き、約2年半後に独立。
これが約6年前で・・・なんだかんだで、今に至る。

気づけば、社会人20年め、ですよ。

で、本当に本当に久しぶりの、母校の演奏会。
50年なんだ!って、けっこうびっくりしたくらいで。

現在の静岡大学吹奏楽団は、
10数年前に音楽監督(指揮者の先生)が代わったこともあって、
いまや吹奏楽コンクール全国大会では常連になっている。
そうなれば上手い子も集まってくるだろうから、
演奏はもう、私の在学当時とは比べものにならないパワフルさで、
同年代のOBなら、きっとこう思ったはず。

・・・ちょっと、悔しい・・・

今回の演奏会の入場者数だって、1499だって。
 (キャパは1800くらいの会場)
私らの時代は、入って800だったのに。ほぼ、倍じゃん。

・・・く、悔しい・・・(笑)

かつての私もそこにいたはずなのに、
「知らない団体になっちゃったんだなぁ」という淋しさも、
ちょっとだけ、ある。

でも。

そうだよね。20年という月日が経っているんだ。
人も、組織も、変わって当たり前なのだ。

もちろん「残っているもの」もある。
在学中に立ち上げた「サマーコンサート」とか。
 (会場探しからやった記憶があるぞ。
  イベント増えると大変っていう反対派も多かったしなぁ。)
ゴタゴタの末に(笑)生まれた「インスペクター」という役職とか。
 (私が初代だったはずだけど、いまだに何やる人かは理解してない。)
大学の春フェスで演奏したのは「有志」を募ったんだっけ。
 (団体の正式行事にはできないし、ならば有志でやっちゃえ、って。)

 ・・・あ、私、このときから「立ち上げ屋」だったみたいだ(笑)

50年、だってさ。

そういえば、私が入学する前の年は「25周年」だった。
卒業した翌年が「30周年」だったってことに、
同期に言われてやっと思い出した。
(実は「今年が50周年てことは、20年前は30周年だったけど、
 私たちって、もしかして周年行事をし忘れちゃってた?」って
 真剣にビビっていたのだ。)(笑)

当時も周年記念の演奏会ではOBステージがあったはず。
定期演奏会のパンフレットの冒頭には、
OB会長の挨拶文も毎年掲載されてた。
マネージャー(という「係」)がOB名簿の管理もしてた。

なんだけど。

「OBがどんな気持ちで現役の活動を見ていて、
 どんな気持ちで演奏を聴いているんだろう?」

なんて、考えたこともなかった。

今回の周年記念は、演奏会前日のレセプションから
当日の演奏会の裏方運営まで、
スタッフとして現役4年生が大活躍で、
こっちが恥ずかしくなるくらいだった。

演奏会なんて、演奏するだけでイッパイイッパイで、
運営って・・・記憶にないしなぁ。
あたりまえなんだけど、当時は、
自分のこと・目の前のことで精一杯で、
見えてないことが多かったんだなぁと。

こういうことも、
今、この歳になったから、わかることなんだろうと思う。

だとしたら、「これからの自分」って。

OBステージで演奏していた知らない先輩方の姿や、
会場に来ていた「OBとおぼしき」おじさま方の姿を見ながら、
何年か後には、また違った気持ちで
後輩たちを見ているのだろうか?なんていう想像をしてしまった。
設立当時の先輩方から見る「いま」だって、
きっと違う想いが出てくるんだろうし。


50年の中の1コマに確実に自分もいて、
螺旋階段をのぼっているみたいだ。


今回、ちょっと足が遠のいていた母校の演奏会に行こうかな、
というチャンスをくれたのは、1つ下・2つ下の後輩たち。
彼女たちがステージにのる、と、奮闘している姿があったから、
そこに巻き込まれた同年代のOBは多かったはず。

こういう機会ごとに同期会をこまめにセッティングしてくれる、
いまだに「コンパレク係」(笑)、いつもありがとう。
今回は会えなくてちょっと残念だったんだけどー?

それから、卒業しても20年間、
幹事としてOB会に関わり続けている同期の二人。
今回のレセプションも演奏会も、ずーっと「裏方」だったね。
いつもありがとう。

現役とOB合同の240人のステージは、本当に圧巻だった。
それで「ジュビリー序曲」なんて演奏されたら・・・
そりゃ、泣くしかないでしょ(笑)

松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factoryを設立。
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