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MustとWillとCanがなかなか一致しなかった話。

 「私はこれでいいんだ」

 なんとなく一致した感があったのが、なんと36歳になってからだった。世代的に、高校は成績で決め、大学もだいたい成績で決め(当時はマスコミ志望だったので学部学科があまり関係なかった)、そんなに就職活動もきちんとやらず。結果的に、1社目は半年で退職、2社目は8年半いたものの途中で傷病休暇を取り、次の会社は1年半ほどで見切りをつけ、最後の会社員生活をやめた理由は「業務命令に従えなかった」って、なかなかのプロフィールです。

 なんとなく「しっくりこない」感じがあった理由、いまになって思えば、ニーズに合わせて自分のスキルを一致させてきたからで、そこに「自分の想い」(Will)がなかったからなんだと思う。

 そもそも、本質的な性質として、社会性が低い。子どもの頃から、ちょっとぼーっとしていると、まわりについていけなくなる。なんせ、小学校に入って最初の遠足で、「お弁当を食べるのが遅かった」というのが原因で遭難しかけてるし(笑)。まわりに合わせないと生命の危機すらある。そんなことが刷り込まれたからか、自分の本来のペースよりも、まわりについていくように努力することを優先してきたのかもしれない。

 ゆえに、会社員時代も、平均よりは「仕事ができる」会社員だったと思う。求められることを察知して、できるように努力してきたわけなので。自分自身も、「やらないといけないこと」を「やりたいこと」と錯覚するくらい、アホみたいに仕事してたと思う。

 Must(会社が求めること)とCan(私の能力)は一致する。しかし、そこにWill(私がやりたいこと・心地よいこと)は一致していない。そういうことを積み重ねて、メンタルを病んだりと大きな代償を払った結果、「ちゃんと自分のココロが動くものを選ぼう」というところにやっと行き着くという、なんとも回り道。

会社組織は個人にWillを求めていなかった。

 会社員時代を思い起こすに、企業は従業員のキャリア形成支援をと言いつつ、実態は、Must(会社が求めるスキル)にあわせたスキルアップ(Canを伸ばす)をしているような気がする。少なくとも、私がこれまで働いてきた会社は、会社規模の大小にかかわらず、そうだったように思う。

 会社経営を考えれば当たり前のことで、個人のWillを優先していたら、立ち行かなくなるわけで、個人が個人のWillを優先させるのであれば、個人が「去る」決断しか残らなくなる。(個人的には、この決断は決して悪いものではないと思っていて、退職後に起業する人が多い会社は、個人のWillをうまく育てることができているんだと思う。)

 36歳で会社員をやめて、やっと、WillとCanとMustが一致する働き方が手に入った、と思った。

それでもWillがおいてけぼりになる。

 ありがたいことに仕事を手伝って欲しいという声かけをいただくのだけでど、残念ながらお断りした案件がいくつかある。そういうものは、理由が共通している。傲慢かもしれないけれど、たいがいの場合、「私を都合のいいように使いたい」意図が丸見えというか、Willはまるで無視というか・・・

「私のスキル(Can)は、
 あなたにとって都合のいいものかもしれないが、
 私のやりたいこと(will)ではない。」

 と声を大にして言いたいところなのだが、おそらくわかっていただけていないというか、どうやら、私のCanは、他人から見たら、私のWillに見えるらしい。ゆえに、先方から必要以上に残念がられたり、クレームに似たことを言われたり・・・なぜかストレスを生む結果になったりもする・・・

 私が思わせぶりな何かをしているのだろうか・・・やりたいことでなくても、職務を全うできてしまうことは悪なのだろうか・・・真剣に悩む・・・

結局のところ、知ってもらうしかない。

 では、気持ちよく、WillとCanとMustが重なった状態で仕事ができるのは、どんなシチュエーションなのか。ないわけじゃないのです。というか、むしろ、この5年間、たくさんあった。

 結局のところ、私という人間を、知ってもらうしかないわけ。

 好きなこと、大事にしたいこと、キライなこと、得意なこと、苦手なこと、ダメなところ。こういうことを知ってくれていて、関係ができている人との仕事は、いつでもワクワクするものだったし、間違ってもWillを無視した仕事なんて発生しない。意外なことに、私のWillは「誰と仕事をしたいのか」にかなり左右されるらしい。こんなに人キライな私が、行き着いたのは「人」だっていうのも、自分でもかなりびっくりだったけれど。

 こういうことに気づかせてくれた仲間には、本当に感謝。
 そして私は仲間を大事にできているだろうか?

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