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”体は資本(至言)”J1第18節 鹿島(A)vs名古屋(H)マッチレビュー

鹿島 1 ー 1 名古屋

 前半戦を首位と勝ち点1差の2位で終えた鹿島。ここからシーズンの後半戦が始まるわけですが、ミッドウィーク開催の天皇杯大宮戦を3-0で快勝。リーグの首位争いをしているライバルらが敗れた波乱の3回戦を無事抜けれたことは一安心です。優磨が出場停止明けで復帰、鼻の骨折をしている常本もベンチ入りこそしたものの、大宮戦に続いて広瀬が先発を飾りました。ピトゥカの相棒役に樋口ではなく和泉を選んだのは個人的に驚きでした(樋口は大宮戦お休みだったので)が、守備の狙いとしては和泉のが適役だったんでしょう。

 対する名古屋はシーズンを11位で折り返し。前半戦は得点力不足に苦しんでおり、なかなか勝ち切れない試合が多いようですね。前回対戦では鹿島の攻めをうまくいなされドローに持ち込まれた印象。ホームの後押しを胸に、彼らがどう打って出てくるか。

〇上出来な前半

 両軍共に前線からガツガツ追うよりも、ある程度陣形を構えてからプレスをハメにいく展開に。この日18時キックオフにも関わらずピッチは気温が30℃前後とかなり蒸し暑かったので、両軍共に無用な消耗は避けたかったはずだ。

 鹿島の守備陣形がいつもより特徴的だったのがトップ下・和泉の立ち位置。いつもなら2トップの背後にいたが、今日は2トップの中央から進出して3トップを形成した。3CBのビルドアップに対し、3人をそのままぶつけていく。両脇の綺世、優磨は名古屋インテリオールへのパスコースを気にしつつ迎撃。WBに展開したところを鹿島SH・SBで捕まえにいってロストを誘った。この狙い自体は良かったと思うし、出足の鋭さがキープできているうちは名古屋のカウンターを抑え込めたりとメリットがでかかった。元気なうちは、ね?
流石に時間の経過と共に名古屋も適応し、インテリオールの稲垣、仙頭がレオ脇まで下りてきてボールを回収していった。稲垣と仙頭とかいうロマン溢れるインテリオール、僕個人としては大好きです(切腹)

 対する名古屋はカウンタープレスで奪えなければリトリート。ブロック構築後は2トップのうち片方がボールホルダー(相手CB)へ、もう片方がアンカーのピトゥカを抑えに入った。ぶっちゃけこの2トップ守備に鹿島が苦しむことはそんなになかったので、マテウスと柿谷の消耗を強いるという点ではここらへんでもっと時間かけてもよかったようにも。ヴァイラー監督は試合中「急ぐな!」と指示を飛ばしていたらしいので、時間は作れるという自信もあったのかな・・・

ハイボールの競り合い制して先制点GET

 20分には自陣FKからカイキと仲間が競り合いを制して綺世へと繋ぎゴール!!と思いきや・・・OFRの結果綺世のハンドを取られてノーゴール。ここで更にギアが上がった(というより頭に血が昇った)鹿島は一時的にペース配分ガン無視のハイインテンシティゲームを敢行。とりあえず話は先制してからじゃい!!と言わんばかりの雰囲気になった。あれ、アウェイだよね・・・?

33分、想いが実って文句なしの先制ゴール。三竿のフィードがディフレクションにあうも、セカンドを綺世がヘッドで落として裏へ抜け出した仲間へ。飛び出してきたランゲラクとの勝負に勝り、すんでのところで先に触った仲間がゴールへ流し込んだ。

ちょっと危うい両翼の守備体系

 先制点も取れたので文句なしの前半!と言いたいところではあったが、両サイドの守備対応では結構怪しい部分も。森下と相馬の名古屋WBは推進力に優れ、対人でも恐れずに仕掛けてくる。それに対して主に対応した広瀬と安西はかなり苦戦していたし、決定的な場面にも持ち込ませてしまった。

特に両サイド共にカットインからチャンスを作られてしまっている。中盤の守備をSHとピトゥカのみで担当している以上、SBのカバーリングには同サイドのSHしかいない。そのSHも相手のインテリオールをケアするのに奔走していたので、自然と1対1の真っ向勝負が増える。結果、その勝負で後手を踏まされてしまった印象だ。常本抜きだとサイドの堅さはないからね、ウチ。

〇不出来な後半

疲れで出足が鈍る鹿島は徐々に”らしさ”が失われ・・・

 リードをもってゲームを折り返した鹿島だったが、後半を優位に進めたのはホームの名古屋グランパス。鹿島は消耗を抑えてゲームのコントロールを狙ったのか、出足で勝られて徐々に押し込まれていく展開に。ここでまたもや切れ味を見せたのが名古屋WBのドリブル、そしてチャンスメイク。前半も優位を築けていたサイドでの攻めをより活かしやすい展開になったので、ここからは彼らの独壇場と化してしまった感も。鹿島は自陣深くで奪ってもカイキで運んで綺世の一発を狙う単調な攻めに終始。リズムをつかみ返せなかったのが悔やまれる。

 自陣に押し込まれ、左右のサイドに振られ、プレスもままならない中でかつての戦友レオ・シルバがブロック間を切り裂く縦パス。受け取った稲垣に慌ててピトゥカが迫るも、稲垣が折り返したボールが手に当たりPK判定。キッチリとマテウスにPKを沈められ、攻守にわたってハンド判定に鹿島は泣く結果となってしまった。

セットプレーで得点の匂いも、流れでは決定機を掴めず

 後半早々にゲームが動き、試合の主導権を握られたままの鹿島。疲れが見えていたこともあってか59分と早い時間帯で3枚交代をレネ監督が決断。常本、樋口、エヴェラウドらが投入されたことでリフレッシュを図ったが、結果として趨勢を変えるには至らず。特にエヴェラウドはやはりロール的に綺世寄りのタイプなので、優磨がやっていた動的ポジショニングによる恩恵がなくなってしまった。中盤の堅さも優磨のプレスバックあってなんだなとしみじみ感じますネ・・・・。

エヴェラウドが入ってからは、より名古屋3CBに綺世&エヴェで突っ込んでくる感じだったので、相手からすれば御しやすかったかも。それでも樋口からのセットプレーはほとんど得点の匂いを感じるに値するボールだったし、実際それで点が取れていればグッドゲームで終われたはず。逆転こそ許さなかったのは良かったものの、後半の出来だけで言えばしてやられたようなものなのでグッドゲームとはいいにくい。個人的には。

次節、アウェイ柏戦へ

 6月にも関わらず真夏のような天候でのゲームを戦い、やっぱり体力を消耗したなかでの戦い方に課題を感じる今の鹿島。ヴァイラー監督も舩橋の起用時間増やしてみたりと試行錯誤しているし、やはりこの夏は総力戦になっていくでしょうね。補強がどうなるかはさておき、ケガ人も徐々に戻ってきているので、勝ち点のペースを落とさずに乗り切りたいところだ。

次節は上位対決、柏戦。柏は今節マリノスに大量失点を喫し(マリノスが天皇杯を負けた憂さ晴らし)敗戦しているので、立て直しを図ってくるはず。前回対戦ではホームで勝てているので、ダブルを達成して優勝争いにとどまりたい。

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