見出し画像

ポルトガルの世界遺産で祈りの力を体感

prayer's places with Christianity power. Several world heritage sites in Portugal.

ポルトガルのレンタカー

今回はポルトガル滞在期間中にレンタカーを借りることにしました。
ポルトガルは日本の国際免許証で運転ができるので、主人が平日日中、都庁に出向いてサクッと国際免許証をゲットしてきたそうです。

レンタカー会社のオフィス

ポルトガルのレンタカーはBooking.com経由でKlass Wagenという会社で予約しました。
1週間借りて約50ユーロと激安だなと思ったら、現地で保険に入るように言われて結局200ユーロを追加で支払いました。
そして、早朝と深夜の返却は追加30ユーロが必要で、最終的にあんまり安くなかったです。
そして、現地での貸出は英語が通じるものの、英語とポルトガル以外は対応不可なので、言ったら自動的に借りれるという感じではありませんでした。
最低限の会話ができて、ざっとでも英語の契約書を読めないと、ちょっと厳しいかもです。

欧州最古級の大学があるコインブラ

コインブラ大学

レンタカーで最初に向かったのはナザレから1時間ほど北上したコインブラという町。山手のアルタ地区と下町のソフィア地区が世界遺産に登録されています。
アルタ地区にはヨーロッパ最古という歴史がある「コインブラ大学」があり、今でもたくさんの学生が学んでいます。特にビジネススクールは評価が高いらしいですよ。

ハリー・ポッター風のマントを来た学生たち

そして、観光客に開放されているのは旧大学校舎で、図書館が見どころです。しかし、図書館は時間予約制のため、現地で時間枠を取ろうとすると半日後とかになります。見学したい場合は、事前にオンライン予約がおすすめです。
公式チケット(英語):リンク

コインブラ新大聖堂

コインブラ大学の向かいには新大聖堂があります。

コインブラ新大聖堂の祭壇

教会内部には黄金に輝く装飾と聖像がたくさん置かれています。

ソフィア地区の階段

山手から急激な坂を下っていくとソフィア地区があります。
このエリアは旧市街地で、石畳の細い路地がくねくねと連なっていて、どこがどこに行くのかGoogle Mapを見ていても分からなくなるほど。
階段も多く、踊り場にテーブルと椅子を出して営業しているカフェもたくさんありました。

コインブラ旧大聖堂

車がアクセスできない階段だらけの坂道に面していた、坂の中腹にあるのがコインブラ旧大聖堂です。この立地は不便だな~となって、坂の上に駐車場付きの新大聖堂を作った気持ちは何となく分かります。

回廊

アラビア文化の影響を受けたロマネスク様式で、柱に施された装飾が特徴的だそうです。言われてみれば、ちょっとアラブのデコラティブで幾何学模様を思わせるような、そうでないような。

奇跡が起きた?聖都ファティマ

ファティマ大聖堂

コインブラから1時間ほど南下した内陸部にあるのが、ファティマ大聖堂。こちらは世界遺産ではないのですが、聖母マリア信仰の聖地として世界中から巡礼者が集まる場所らしいです。

ファティマのバジリカ広場

マリアが現れたとされる奇跡が起きた記念日には、このだだっ広い広場が巡礼者で埋め尽くされるそうです。写真だと伝わらないですが、相当広い。
この場所への道中にも杖を持った巡礼者が、グループで徒歩で向かっている光景を幾度となく見ました。この広場でも跪いて祈りを捧げながら、一歩ずつ前進する人や、自分よりも長いロウソクを持った人の行列もありました。
祈りの力ってすごいんだなーと体感した場所です。

ポルトガルの中部にある2大世界遺産

バターリャ修道院

ファティマからナザレ方面に30分ほど移動するとバターリャの町に入り、世界遺産に登録されたバターリャ修道院の大きな建物が見えてきます。
バターリャとは「戦い」を意味する言葉だそうで、この修道院は対スペインとの戦いに勝った象徴として建てられたそう。広間には騎馬に乗った戦士の大きな像もありました。

回廊の装飾

ゴシック様式の回廊に、マヌエル様式のデコラティブな装飾が施された「王の回廊」のアーチ。すごい工数…

未完の礼拝堂

天井が未完成に終わった礼拝堂は、そこだけ空がぽっかりと見渡せる空間。手前にある柱は隅から隅まで夥しい量の彫刻で装飾が施されているのに、礼拝堂だけは途中で「や~めた!」という投げやり感があります。装飾しすぎてやってられなくなったのかな?

陶器と織物のお店・店名不明

修道院の向かいにあったこの雑貨屋さんが、お皿やストールなど、可愛らしい日用品がたくさん売っていて、とてもおすすめ!

アルコバッサ修道院

バターリャから更にナザレ方面に30分ほど移動すると、アルコバッサ修道院に到着です。こちらも世界遺産に登録されています。

厨房の煙突

この施設は修道院として聖職者たちが生活していた暮らしのひとコマを見ることができます。
こちらは厨房だそうで、最盛期には1,000人近く暮らしていたので、たくさんの食事を作ったんだろうな、と想像できる空間でした。当時としては最新の設備だそうで、巨大な煙突から煮炊きの煙を排煙していたようです。

王の広間

王の広間と呼ばれる部屋には壁をぐるりと一周、アズレージョで装飾が施されています。それぞれに王様の輝かしい功績が描かれていて、陶器という事を忘れてしまう美しさです。

アルコバッサ修道院の中庭

ポルトガルには17の世界遺産が登録されていて、中部地方だけでも今回訪れた3箇所に加えて、内陸にあるトマールのキリスト教修道院も世界遺産のひとつ。
高速道路も発達していて、車があれば1日で複数箇所を回ることができます。

ヨーロッパの世界遺産はキリスト教に関する遺跡が多い、というか殆どなので、日本人が見ていると途中からどれがどれだか混乱してきます。
が、世界遺産に登録されるだけの理由があるのだと思って、割と毎回、積極的に世界遺産巡りをしています。

ポルトガルの世界遺産リスト|VisitPortugal:リンク

コインブラからアルコバッサまで巡ってみて感じたことは、そこで暮らした人の生活や、祈りを捧げた歴史を感じる場所は面白いということ。
信仰を持ち合わせていないので、奇跡が起きた大聖堂には共感することが難しいな~と思いました。

逆にアルコバッサ修道院では、昔の人々が生活した空気が残っていました。
中2階にあるだだっ広いぶち抜きの広場にドミトリーと書かれていて、「え?こんな場所に皆んなでベッド並べて寝てたの?」と驚いたり、二重になっている廊下があって、昔の偉い人たちは通りすがりに「あの件はこれで」とかヒソヒソ話をしたのかな~なんて想像しました。
あとはポルトガルの大航海時代を築いたエンリケ航海王子のお墓があり、おぉ、あの王子の!となったりしました。
そういう意味では事前に予習をしていると、更に楽しめるなと感じました。

昔の遺跡を見学する時は装飾とか様式を見るのもいいのですが、人がそこに居たことを感じるのが好きなんですよね。
今は過去の延長線上で、未来もその先だと考えると、これから何が流行りそうかな?皆んなはどんなことを考えるかな?と想像する時に、過去の人達の暮らしや行動はとても参考になります。
それを体感するためにも、こうした遺跡に足を運んで、彼らの暮らしをイメージするようにしています。

でも、普通にインパクトが大きな映える場所も、それはそれで好きですよ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?