くそったれ、友人の友人なんて嫌い。
野暮ったい、嗚呼野暮ったい。もう君なんて消えて仕舞えよ。君の事僕はいけ好かないんだ。君は僕が許容出来る人じゃない。僕の目に写って欲しくない。
そう思う人が今日、居た。
有る日、私と友人で談話をしていたなら、其れにナイフで切り込みを入れる奴が出て来てしまった。
でも僕が誇りに思う友人だ。此のナイフを持った野郎もきっと何か奥深いものを持ち合わせているんだろう。だからひとつ聞いた。
「ねぇ、此れは面白い奴なのかい」
友人は何も言わない。
私は悟る。此奴、面白くない奴なんだな、と。
しかし、私の友人は素晴らしく頭の切れる奴だから、どうせ此奴をおちょくってみて楽しんでいるんだろうと。
私の主観は「面白さ」に枝が付いて出来たものだ。きっと友人は「楽しさ」に重きを置いているのだろう。そう云う人間なんだろう。
でも、そこに切り込んだナイフの男。
「此奴程頭は可笑しくないよ。」
何、此奴、今僕の友人を貶しやがったな。敵愾心がふつふつと湧き始めた。
「其れはどう云う事だ、君から見て僕の友人は大逸れた奴って事かい。」
すると男、吃って「いや、いや」と小言。
何だ此の男は。僕の友人の隣に居る奴は、何てつまらなくて酷い奴なんだ。私、悲しくなった。そして悔しい。
此の男、僕の友人を連れてさっさと帰って仕舞おうという算段の様なのだが、其の算段に僕の友人は悩んでいた。僕と話しているのに、時間を急いて帰って仕舞って良いのだろうかと悩んでいた。此の男、こんなにも詰まらなくて、下らなくて、其れでも僕と天秤にかけるのかと思った。僕、泣きそうだ。悔しい、悔しい。
結局、僕と暫く話してから、適当に男が腕を引いて二人は帰って仕舞った。
僕の友人とて、彼なりの対人関係が有る。其れ位了解している。長く一緒に居れば大事に思う様になるのも分かる。其れでも、僕の友人が、こんなにも詰まらん奴と話して帰って仕舞うなんて事、到底許せるものじゃない。此の男と友人に結ばれている約束は、其の文字通りに呪いなのである。
嗚呼、嗚呼。こんな奴に私、大事な人を盗られるのか、、、
私、三日三晩考えた。黄泉比良坂に立つ気分だった。これから何うしようか。
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