雑詩を3つほど

恋 のような
清廉潔白ではいられないが
それでも私の揺るがす何かに向かって手伸ばし続けたい
想いに触れ 命とは湧き上がるものだと知る

「自分のために生きてください」
これは言葉の呪い 自分自身と向き合い続け
自己愛という名の自傷を繰り返していた
虚空を覗くような時間 を 覗き続けてわかったのは
自分は自分によって構成されていないということだ
自分の中に自分はいない 見つけられない
他者や世界を通して そこではじめて自分と対面する
顔を上げて扉を開けて遠くを見渡して
これからはそういう時間が待っている
穴蔵から出ていく
「自分のために生きてください」
この言葉を私はあまり好きになれなかった
道中のお守りには別の言葉を持っていくことにしたい

涙の瞬間があった
何気ない会話の中で放たれた声
その声を何年も待っていたような気がする
過去からの想いが洪水のように溢れて 私の瞼は抉じ開けられ 熱くなった
有難いことに人生で何度か報われる感情に出会った
振り返ってみるとそれらはどれも
一生手が届かないと思いながら 叶わないと思いながら
否定の嵐に晒されようとも 密かにしかし強く抱いていた想いが
実を結んだときに感じた
私の力ではなく すべては奇跡で 授かりもの
報われる時に勝る生の実感はない
たとえそれまで傷つき失い絶望の中にいたとしても
思いがけないところに光は眠っている

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