雑詩を3つほど
恋 のような
清廉潔白ではいられないが
それでも私の揺るがす何かに向かって手伸ばし続けたい
想いに触れ 命とは湧き上がるものだと知る
※
「自分のために生きてください」
これは言葉の呪い 自分自身と向き合い続け
自己愛という名の自傷を繰り返していた
虚空を覗くような時間 を 覗き続けてわかったのは
自分は自分によって構成されていないということだ
自分の中に自分はいない 見つけられない
他者や世界を通して そこではじめて自分と対面する
顔を上げて扉を開けて遠くを見渡して
これからはそういう時間が待っている
穴蔵から出ていく
「自分のために生きてください」
この言葉を私はあまり好きになれなかった
道中のお守りには別の言葉を持っていくことにしたい
※
涙の瞬間があった
何気ない会話の中で放たれた声
その声を何年も待っていたような気がする
過去からの想いが洪水のように溢れて 私の瞼は抉じ開けられ 熱くなった
有難いことに人生で何度か報われる感情に出会った
振り返ってみるとそれらはどれも
一生手が届かないと思いながら 叶わないと思いながら
否定の嵐に晒されようとも 密かにしかし強く抱いていた想いが
実を結んだときに感じた
私の力ではなく すべては奇跡で 授かりもの
報われる時に勝る生の実感はない
たとえそれまで傷つき失い絶望の中にいたとしても
思いがけないところに光は眠っている
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