詩:『朝焼けの詩』

くらやみから手を伸ばす

それは空を掴むようだけど

握った手に血が通う

空と地上の境目から僕は目覚めて

世界の匂いを噛み締める


まどろみから手を伸ばす

鳥の声と木々の揺らめきに身を委ね

静寂の中 優しく落ちていく

その自由落下はすべての始まりであり

僕が僕であることを知る 初めての朝だ


僕は歩き出す ただそこにあるために

僕は歩き出す ただそこにあるために


巡り合うだろう景色と

巡り合うだろう夢に想いを馳せ

真綿のような白い肌に 世界の色を滲ませる

僕は朝焼けに生まれる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?