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雑詩たち


思い出を箱の中に隠しました。
誰にも見られてはいけないから。
誰にも見せたくなかったから。

あの子の柔らかいところ、
知っているのは私だけでいいの。

祈っていた。二つのこと。

あなたを構成するありとあらゆる全てが
私のものになりますように。

そして、この慰め合う時間が
どうか、終わってしまいますように。

細い繋がり。蜘蛛の糸。
一瞬の輝きを閉じ込めて。秘密にしよう。
蓋を開けなければ綺麗まま保存される、瓶詰めの記憶。

指と指を絡ませて、切れた糸を結び直して。
たしかに見つめあった。

かつて私を見つけてくれた眼差しが、
胸の奥で今も、光続けている。


夜中の水遊び。
日差しの欠けた砂浜。
カケラひとつ、灯る夢花火。
涼やかな鼓動が響き渡る。
燃える瞳を弄る。
葉がひらひらと落ちる。
渚。

涙が落ちるよりも早く。


生きたまま水泡や光、風、闇になりたい

欲しい言葉ほど、自分で口にしてしまって、貰い忘れる。

他人は鏡と言うけれど、本当に鏡にしてしまったら、自分しか見えなくなるよ。


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