雑詩をいくつか

もし言葉を紡ぐことで
時を止めてしまえるのなら
二度と思い出せない経験できない
いつかの愛と滴をしたためたい



空から降る雨粒が
葉や地面にぶつかって鳴るの を
私たちは雨の音だって言う けれど
本当の雨の音は鼓膜に届かない

その音を知ってるのはきみだけ
聞いたふりをするのはぼくだけ

夢時雨
光舞って破砕した
何も持ってはいけないのに
ただうつくしい

笑ってしまって堪忍な
手を振り忘れて後戻りした
きみが
誰かの肩越しに顔を覗かせた

脳裏に浮かぶ甘い記憶と
目の前の鋭い視線が交わらない
誰 誰なんだ いったい

公衆懺悔室があったなら
夢でみたあの子のために
どうしようもない野望を
浄化させてくれないか、

雪溶け 花 
千切って 風
涼しくて痛い 肌と指

きみの唇を塞ぐことができたなら
涙の意味を知らずに済んだでしょう

ベッドの上で
【いつか】を抱きしめて眠った

明日には消えてしまう匂い

消えないように祈りながら
消えていくのを受け入れた

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