あわのかや

音楽と好きなことに関する個人的な作文をしています。生活は地味でぱっとしないけど、音楽は…

あわのかや

音楽と好きなことに関する個人的な作文をしています。生活は地味でぱっとしないけど、音楽は景気よく素敵なやつを鳴らしたい

最近の記事

種まきハイ

ぜんぜん筆が(キーが)進まない1週間があって、書き始めた時と状況が変わったり進んだりしたりところがあるなと思う。なんだか他の誰かの日記を読んでるようにすら感じるところもある。 4月下旬。仕事からの家路、車を運転していたら空にVの字になって飛ぶ渡り鳥の群れを見つけた。 こういう渡り鳥の中に飛びながらぽへぇ、ぽへぇ、と鳴くのが2、3羽くらい必ずいる。飛びながら鳴くのって疲れそうだけど、野生の鳥がわざわざやるのだから理由があるんだろう。視覚よりも仲間の声を手がかりについていくと

    • 書くこと、書かないこと

      4月8日に北米で皆既日食があった。 わたしの住んでいる場所では99%の部分日食で、お日柄もよくしっかり観測できて、おおおっと思ったのだけど、100%の皆既日食はやはり全然別物だったようだ。 州の一番南側の地域は皆既日食のゾーンにばっちり入っていて、モントリオールをはじめいくつもの街からテレビの生中継をしていたらしい。夜のニュースで見たが、皆既日食の瞬間には太陽が真っ黒になり、あたりが夜明けのようにふうっと暗くなって白いハロが輝きはじめる。見ていた人々は歓喜の雄叫びをあげて

      • 猫を探す

        2月の夜に猫が逃げた。平年より高めの気温が1週間続いた後、ぎりっとした2月の冷え込みが戻ってきたその日に、首輪もしていない猫は生まれて初めて外に出ていった。 猫が出ていった時、家にはわたししかいなかった。夕方に帰宅した際にわたしはたくさんの荷物を両手に持ち腕にも抱えていて、玄関のドアを肩で押して閉めたのだがきちんと閉まらなかったのだと思う。施錠もしていなかった。気温がぐっと下がった上に刺すような冷たい風が強く吹く日で、おそらくその風圧でドアが開いたのだろうが、洗面所にこもっ

        • 初恋、キクマサピン、言葉の分からない本

          今年の冬はなんやかんや言って寒さは厳しくないと思う。ここ数日は気温が一桁で雪が溶けていたが、今日の日暮れからまた寒くなってきて、道の脇に積み上げられたみぞれ状の残雪がそのまま凍ってしまい、車を出すたびにガリガリと乗り上げてしまう。ご近所さんはみんな先を読んでやわらかいうちにみぞれをどかしたらしく、家の前がすっきりしている。ごろごろのかたまりがあるのはうちの前だけ。しくじった。 だんなが、娘に初めて付き合っている相手ができたらしい、と言った。 わたしは少し前からその事は知っ

        種まきハイ

          ただいま、さようなら

          年末年始の日本での滞在が終わった。 実家にたどり着いた初日、みんなが寝静まった後も居間にひとり残り、どんなに遠くてもちゃんとここに戻ってこられるものだなと思った。 誰かと会うことや何かを見に行くために時間と場所を決めて、そういう約束がひとつずつ果たされるたびにどこかしらもの悲しい気持ちになる18日間だった。 日本にいるとなんだかいつも核心に触れすぎないように気をつけて話をしている気がする。あまり相手をびっくりさせないように、そおっと言葉を選ぶというか。単にわたしの日本語

          ただいま、さようなら

          わたしがいなくなっても

          年末年始に2週間あまり里帰りをすることになっている。飛行機のチケットは相変わらずめちゃくちゃ高い。ハイシーズンなので仕方ないけど、オンライン決済をする時に嫌ーな動悸がする値段だった。 もし帰国の時期を春先にできたら、値段も若干安くなるだろうし花もわんさか咲いて素晴らしかろうとは思うものの、子供の学校が休みになるタイミングで行かなきゃならないので、どうしても夏休みか冬休みになる。あと数年は仕方ない。 だんながひとりで留守番をするので、動物たちの面倒は彼が見ることになる。うさ

          わたしがいなくなっても

          もはや月報

          11月も終わろうとしているとは。絶句している。 noteからくる通知はオフにしてあるしほとんど無視をしているが、11月が終わる前になんか書かない?そしたら24ヶ月連続投稿だよ。とフレンドリーに煽られ、そうですか、24ヶ月ですか、と素直に思う。せっかくならやはり途切れさせたくない。こういう書きものに日記というカテゴリがあるが、月イチペースだからさすがに仲間に入れない。日々の暮らしをその都度つづれなくて、きれいな薄切りじゃなくドカンと塊で出してしまう。それも月末に焦りながらだ。

          もはや月報

          夏も秋もいってしまう

          朝が暗い。7時なのに夜明け前のようで、間違って真夜中に起きてしまった時のような困惑した気分になる。8時になるまで暗すぎる。毎年この時期が好きではない。一日を始めるのに朝が明るいというのは大事だ。天気がどうであれ、日が昇っていればその最低限の明るさはある。今それがなくて、夏時間が終わるまであと一週間はこれが続くと思うとちょっとゆううつだ。 忙しい日々の中で、意識があっちこっちに飛びまくりつつも、ぐっとくる瞬間はそれなりにあり、そういう断片的でまとまらない思考を、雑なままスケッ

          夏も秋もいってしまう

          ちょうどよさ、Aphex Twinのカバー

          毎日の中でふっと頭の中に浮かんでくるものをいちいち捕まえることができない。が、そうしたい気持ちがある。そしてnoteに書き留めておきたい。これは流しそうめん的ではないか、と思う。狙いを定めて、流れゆくそうめんを捕まえる。取ったそうめんをずるずるすすっている間にも、目の前をさあっと過ぎゆくそうめんがあって、捕らえることができない。もうだいぶめんつゆが薄くなってきたからつぎ足したいけど、たぶん目をそらしたらまたそうめんを逃してしまう。でも薄い味のまま食べてもおいしくない。どうしよ

          ちょうどよさ、Aphex Twinのカバー

          夏のしっぽ、とりとめのないあれこれ

          もう夏は終わりかけなのに、あっさりと行ってしまわず妙に思わせぶりに天気がよく、ここ数日は気温も30℃近くまで上がってかなり暑い。でもやはりそれは盛りを過ぎた夏のしっぽにすぎなくて、まっ昼間でも太陽の光が黄色っぽい。風景がうっすらセピアがかっている。夏至の時なんて、こちらを射るようなパァンとした強い白だったから、もう同じじゃない。日暮れになると一気にすうっと暑さがひいていく。これは夏のしっぽかもしれないが、秋のおでこのような気もする。 毎年のように「今年の夏は異常だった」と言

          夏のしっぽ、とりとめのないあれこれ

          夏休み、釣り、ダブ/リミックス

          気がつくともう8月も下旬に差し掛かっている。雑多なことにかまけてぐるぐる回っている間に時間がざあっと過ぎていき、つくづく恐ろしい。noteを書く間隔も開いてしまう。書きグセがなくなるとなかなか戻りにくい。ジム通いも同じだ。どちらもやり終わりの達成感や気持ちの良さを知っているのに、取り掛かって始めるのにすごく腰が重いのはなぜなんだろう。めんどくさがりの自分の気持ちをくみとりすぎず、適当にあしらうというか、無視同然で機械的に作業をスタートしたほうがいいのだ。終われば必ずやってよか

          夏休み、釣り、ダブ/リミックス

          Alvvays, The Smile, Bad Religion & Green Day

          わが町の夏フェスに行き、この4バンドを見てきた。 7月14日(金) 晴れてなかなかに暑い金曜の夜。レコード工場の仕事を終えて、取り急ぎマクドナルドのドライブスルーで夕飯を済ませる。暑い中、会場から少し遠いがタダで止められる駐車場に車を残していざ出陣。下町から山の手に徒歩で上がらなければならない。15分ノンストップで容赦のない階段+上り坂。めっちゃ汗だくになるが、それでも会場の近くに停めるメリットがない(普段の3倍近い駐車料金、帰りは人混みと渋滞で進めないなど)ので辛抱して

          Alvvays, The Smile, Bad Religion & Green Day

          全部好き、じゃない

          わが町の夏フェスが先週から始まった。今週末まで続く。 正直言って、今年のメンツは個人的にちょっと残念だった。ラインナップが発表になる前日に通し券が販売になり、その日に買うと少し安くなるのでもう買っておいた。で、翌日に出演アーティスト見たら「えーそうかー…」みたいな感じ。 娘の方ががぜんやる気まんまんで、月〜金のバレーボールの集中講座と週末のサッカーの大会にめげず、友だちと一緒に金・土・日と連続で観に行ったので、まあ買っておいて元は取れたように思う。若者は元気だ、とはいえ連

          全部好き、じゃない

          夏至の朝、煙い空、彼らのこと

          もう世の中が7月になっている。なんだか愕然としてしまうな。すっかり遅れをとりつつ、なんとか書き始めたやつを書き終わりたい。 夏至をすぎるといつも切ない。あとはもう毎日ただただ日が短くなっていくだけというのが悲しい。実際に肌で感じる気温や目に見える夏らしさは、まだここから上り調子で増していくのは知ってるけど、でもある種のピークはもう過ぎてて、後はただ終わりに向かってくだけなんだぜ、と思うと解せない。 まあそんな無意味な感傷をきわめて意識的に無視しながら、夏至の朝は早起きして

          夏至の朝、煙い空、彼らのこと

          右往左往、ベタ

          先週末から何かを吹っ切ったように夏の陽気になった。太陽の角度のせいか、なんだかもう空の感じがすごくアッパーになってて、ぜんぜん変わったなと思う。とは言え、気温の上がり下がりが激しく、翻弄されている。日によって暑くなったり涼しくなったりするのもあるし、1日の中でさえ気温の差が15℃以上開くこともザラにあるので、朝に服を選ぶ時、何を着ていけばいいのやら分からないことも多い。昨日は午後3時に34℃だったのが急に雷雨がきて午後4時には22℃になった。1時間で12℃下がるのはなかなかサ

          右往左往、ベタ

          軽いゆううつとNHL

          あたりの雑木林の風景に、新しくて柔らかい木の芽の明るい緑色が映えるようになった。今のこの時期にしか見られない特別な色だなと毎年思う。日中のまっすぐで白い太陽の光を浴びてはっきりと緑が見えるのももちろんきれいなのだけど、夕暮れ時に淡墨色の影の中であの黄緑色のてんてんが妙にぽわんと浮かびあがって見えることがあって、もしかしたら新芽ってほんのり発光しているんじゃないかなとすら思う。 天気のよい先週末、種だの苗だのをいじっていよいよ夏という感じだったのに、なぜか月曜にはどよんとした

          軽いゆううつとNHL