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ああ仙台の飲食店だあ、と思う瞬間

仙台に引っ越して1年くらいのタイミングで、久しぶりに東京に帰り悪友たちと飲んだとき、「わたし東京らしいものが食べたいわ」「東京らしい食いもんってなんだ」「ひよこ?」って話になって、ちょうどそのとき行ってたアイリッシュパブの話になった。

そのアイリッシュパブはちょうど前日のSt.Patrick's Dayで沸いていて、そこかしこで毛深い腕が乾杯をし、安物のムール貝はピシャーン!!と皿の上に散っていた。

そんなムール貝をむしゃむしゃ食べながら、ふと、ああこれ東京っぽいねーって話になったのは、料理は全く主役でなく、その場の空気や会話が主役になっていたこと。その場の楽しさ>>>>ムール貝の美味さ

対・宮城の小さなお店では、もちろんそれが良いのだが、第一に素材重視だなーと、そういえば2014年当時、来て真っ先に感じたことを思い出した。気仙沼あたりでは前菜にあたる秋刀魚の刺身だけでおなかいっぱいになる。「地産地消」は当たり前で、料理一品、酒一献、まぁ~こだわるなと。

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なんせ米の品種、20代でも食い分ける人がいるから(農家さんからいただいた新米を「アタシつやひめ苦手なんスよね~」と言って私にまわしてくる)、くぅ~!と困りながら、数か月はスーパーで買うお米を毎回変えたりして、周りの話題についていけるように気を使ったことを覚えている・・・6年暮らすうちに少しこだわるようになって、今自宅で選んでいるのは、まさかの『ゆめぴりか(北海道産)』!

仙台は転勤族やら出張やら学会やらで外から来てる人は多いけど、街としては都会で、お客さん側からすれば外の街に来たぞーというワクワク感と、ちょっとだけ「その空間を共有する楽しさ」も求められているような気がする。

2020年、コロナも踏まえて、飲食店が当たり前に提供してきた価値観が崩れていった数カ月。自宅でも美味しい素材が手に入るなら手料理を楽しもう、なんて考える人も多そうで、敢えて飲食店に足を運ぶなら、「その空間を共有する楽しさ」は、コロナ対策は講じながらもちょっと付加してもらう必要があるんじゃないか、と思ったりした。

飲食店やったこともなく、ただただ享受する側の呑兵衛の妄想。。。

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